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人物・植物

琥珀(こはく)って何?

琥珀(こはく)は、樹脂(じゅし)とよばれるものが長い時間をかけて化石になったものです。
では樹脂とは何か?

元は樹脂である琥珀

樹脂は樹液(じゅえき)が木の外に出たときに固まったものです。
樹液とは、木の中心部分で作られ、栄養物を運ぶ液体です。

この樹液、木の皮が裂けたりして中身がむきだしになった際に、
木を守ろうとしてネバネバとした液体となって出てきます。

ネバネバ状の液体であるのは、木から病気の元となる物質を入れないようにしたり、
虫たちが木の中に入ってくるのを避けるようにするためです。
ちょうど、みなさんが擦り傷を作ったときに、傷口に軟膏をぬったり、
消毒液をかけて皮膚の健康を守るのと似ていますね。

まとめると、次の通りです。

樹液が樹皮からにじみ出て、硬くなったものが樹脂です。
木の皮が避けたり、枝が折れたりして出てきた樹脂が、地面に落ちます。

土にだんだん樹脂がたまっていき、ある地層の中で数百万年、
数千万年の間にじっくり化石化すると琥珀になるというわけです。

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中生代 恐竜

竜脚類の一日の食事量

スーパーサウルス一日の食事量は?

みなさんは一日にどれくらいの量の食事をとるでしょうか?
一日の食事量は、子どもか大人かなどの年齢によって異なったり、肉体労働や
スポーツをしているか、あるいはあまり動かないかなどのエネルギー消費量によって変わります。

まさか「1日200kgのご飯を食べました!」という人はいないでしょう。
1日150kgや200kgも食べる動物には象がいます。
彼らの体重はおよそ5トン程度です。

それでは体重40トンと推定される恐竜、スーパーサウルスの一日の食事量はどうだったでしょうか?
計算によると約300kg~500kg程度にもなるそうです。
食料調達が大変そうですね。

でも、これはスーパーサウルスが内温性の恐竜の場合の計算です。
「内温性」とは、食べたものから熱を作り出す機能をもつ性質です。
これだと、活動をするために沢山食べないと体が維持できません。

一方、スーパーサウルスがもし外温性の恐竜だった場合は、食べたものから熱を作り出す
必要がないので、食事の量は象と比べても、ぐっと減らすことができたと考えられています。

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中生代 恐竜

巨大化に欠かせない骨の軽量化

アパトサウルス
アパトサウルス

恐竜といえばその大きな体をのっしのっしと動かし地響きをしながら
移動するイメージを持っている人もいるかもしれません。

恐竜は実際、小さいサイズから大きいものまで存在しましたが、
恐竜が大きくなるには体の構造に工夫が必要だったようです。
それは体を「軽量化」するということです。

巨大化したのはいいけれど、自分の体が重すぎて歩けなくなった、
なんてことがあったら困りますよね。
竜脚類を例にあげましょう。

竜脚類は全長が20m~30mもある、巨大な首の長い恐竜たちで、
ディプロドクスやブラキオサウルス、スーパーサウルスなどが有名です。

体が大きくなった理由としては、地球が温暖で食べ物となる植物が
たくさんあったこと、大きいと高いところにある植物も食べることができ、
敵にも襲われにくいといった有利な点などがあったのでしょう。

竜脚類はどんどん巨大化し、進化いきます。
巨大化とともに進化したのは、骨の構造です。

背骨の骨には、くぼみや穴ができ、体重を軽くする工夫をしていました。
初期の竜脚類にはこういった骨のくぼみや穴はありませんでした。

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中生代 恐竜

角竜の名前によくみられる「~ケラトプス」って何?

トリケラトプス
トリケラトプス

トリケラトプスやプロトケラトプスなどに共通する語尾の言葉「ケラトプス」。
この言葉はどういう意味なのでしょう?

ケラトプスはCeratopsと表記し、これは2つの語群に分けることがきます。
Cerasは角という意味、opsは顔という意味で、ケラトプスは「角のある顔」という意味になります。

名前に「~ケラトプス」とつく恐竜があれば、顔に角のある恐竜だということがわかります。
「~ケラトプス」は角竜類の仲間につく名前で、最も代表的なのは白亜紀後期に
生息した3本(=トリ)の角を持つ、トリケラトプスです。

他に、「~ケラトプス」とつく恐竜はペンタケラトプス、アンキケラトプスなどがあります。
ちなみに、角竜であっても「~ケラトプス」という名前のつかない恐竜もいます。
たとえば、最大の頭骨を誇っていたトロサウルスや、北アメリカで群れで暮らしていたとされる
セントロサウルス、また初期に現れて角竜で白亜紀前期のアジアにいたとされる
プシッタコサウルスなどです。

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その他

ウニの形態

ウニは形から大きく二つの仲間に分けられています。
ひとつは丸い形の「正形類」(例:ムラサキウニ、バフンウニなど)、
もうひとつは平らでハート形の「不正形類」(例:タコノマクラ、ブンブクなど)です。

「正形類」は棘皮動物の特徴のひとつで5回回転軸をもつ五角形の構造をもっています。
口が下にあり、肛門が殻の真上あります。
生息場所は岩場が中心で、海底の海藻などを餌として生活しています。

「不正形類」は「正形類」から進化の過程でわかれたものとされています。
大きな違いのひとつに、肛門が殻の真上ではなく体の下後方にあります。

これは泥や砂に潜る生活を送るうえで変化したものです。
もうひとつの違いは、ランタンです。
ランタンがあるものもいるようですが、あっても正形類のように自由自在に動かすことは出来ません。
その為、餌は口のまわりの棘や管足を使って小さな粒子状のものをとって食べます。

この不正形類の棘は一般的により短く、間隔もより狭くなっています。
また管足の一部は穴掘りに使われ、一部は呼吸に使われています。

管足が呼吸に使われているのは正形類でも同じですが、砂などに潜った生活をする不正形類は、
酸素が手に入りにくい状況にあるのでより効率よく酸素を取り入れるための形の工夫がされています。

その形を簡単に説明すると、正形類が円柱のような形をしていていますが、
不正形類は平らな形をしていて酸素のガス交換の面積を大きくとっています。

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新生代

マンモスはどんな生き物?

ケナガマンモス

マンモスは、長鼻目ゾウ科マムートス属に分類される絶滅したゾウの仲間です。
その祖先は、今からおよそ400万年前にアフリカからユーラシア大陸に広がり、森林や草原に暮らしていました。
なかでも特によく知られているのは、40万年前にシベリア東部で出現した、
現生のゾウと近縁で体の大きさもほぼ同じケナガマンモスです。

このマンモスは寒冷な気候によく適応していました。
地下深くまで凍ったシベリアの永久凍土地帯では、何万年も前に土砂に埋もれて
死んだマンモスが、永久凍土の大地で凍った状態で保存されています。

シベリアの大地には、地下を紐解くとマンモスの世界が見られるのです。
近年では、ロシアの西シベリアで発掘された生後約半年の冷凍マンモスの
女の子「リューバ」と名付けられたマンモスが注目を浴びています。

3万7000年前のマンモスが完全な形で保存されていました。
リューバは研究の結果、母乳を飲んでいたことがわかりました。
そして何と、成熟した象の糞便を食べていたこともわかりました。

食べた植物の消化を助ける、正常な腸内細菌を育てるためです。
今後さらに研究が進み、マンモスの魅力が私たちに知られていくことでしょう。

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その他

ウニの成長

ウニは多くの海産無脊椎動物【クラゲやサンゴなどの刺胞動物、イカやタコなどの軟体動物、
ヒトデやウニなどの棘皮動物、エビやカニなど節足動物】と同じく、
親とはまったく異なる形の幼生期をすごします。

まず、胞胚で孵化しプランクトン生活をしながら成長します。
やがてプルテウス幼生とよばれるものなります。

プルテウス幼生までは多くの種類で、受生後2日から3日で発生し海を漂いながら成長を続けます。
その後、海底に一時的に固着して、しだいにウニの姿となります。

プルテウス幼生は私たち人間と同じ、体に前後・左右・背と腹の区別がある「左右相称」です。
棘皮動物の祖先は左右相称型の動物だったとされていて、五放射相称をつくる
仕組みは左右相称をつくる仕組みを改造して生まれたと考えられています。

「五放射相称」とは棘皮動物の特徴の一つで、棘皮動物の成体の体の構造は
基本ユニットを5つ放射状に並べた形をしています。

一般的にウニはプルテウス幼生を経てから成体になりますが、
発生の過程でプルテウス幼生にならずに成体になる種類もいます。

前者を間接発生型、後者を直接発生型といいますがこのように、
棘皮動物の成長は画一的なものでなく非常に多様となっています。

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その他

ウニの敵

ウニは棘と殻で身を守っているのでそれほど敵は多くないのですが、強力な歯をもつ
オオカミウオやハリセンボンなどの魚、ウニに消化液をかけて溶かして食べるヒトデなどの敵がいます。

キーストーンプレデターのラッコ

その中で強敵なのがラッコなのです。
そう、ラッコはウニが大好物なのです。

ラッコといえばお腹で貝を割る姿がおもに描かれますが、ラッコの食性は
動物食で魚類、甲類、甲殻類、ウニなどを食べています。
ラッコが長く生息する海域ではウニが食い尽くされてしまうという現状があります。

しかし、ウニが増えると昆布などの海藻が食い尽くされる弊害があり、
ラッコが生息することでそれを防ぐ効果があります。

このラッコのように、生態系において比較的少ない生物量であっても捕食行動を通じて、
生態系に影響を与えることが多い生物の種をキーストーン捕食者(Keystone predator)と呼びます。

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その他

アリストテレスの提灯

ウニの咀嚼(咀嚼:口の中で食べ物をよくかみ砕き味わうこと)器官である5つの歯と、
それを支え動かす骨や筋肉の塊を『アリストテレスの提灯』といいます。

ウニ
ウニ

これはウニの口がランタン状になっていて「提灯に似ている」ということを
古代ギリシャのアリストテレスが動物誌に記載したことから呼ばれるようになりました。

ただしこの提灯、日本の丸い形のものではなく、ギリシャ製の下が尖った形のものをさします。

このアリストテレスの提灯はウニの殻と同じように五放射の構造を持ちます。
ウニの口は一番下に鋭い歯があり、細長い歯の骨はひとつひとつが
V字形の顎骨という大きな骨の中を通って反対側まで伸びています。

これが五つ組合わさって提灯を形作っています。
一つの顎骨の上に二つの上生骨が組み合わさってアーチ状になり、顎骨同士をつなぐように中間骨があります。
その上に立ち上がった二叉骨が位置します。

この様な精巧かつ複雑な内部構造をもつアリストテレスの提灯を進化させることで、
ウニは棘皮動物としてのみならず海底面の物質を食べる底生動物として成功したのです。

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その他

ウニの棘(とげ)の驚くべき機能

ウニの棘(とげ)は単なる骨ではなく皮膚の一部で、皮膚が
棘状になっているため「棘皮動物」とよばれています。
棘は太さや数もさまざまで、太い棘を少し持っているウニもいれば、
小さな棘をたくさん持つウニもいて、ウニ1個が持つ棘の種類は一種類ではありません。

そんな棘は、①身を守る防御②運動器官③視覚器官としての役割を果たしてくれます。

まず身を守る防御ですが、ウニは尖った棘先で相手を撃退します。
たとえ尖っていない棘でも、敵からみれば攻撃するには邪魔であり、
また棘があることで大きな獲物に見えるので捕獲をあきらめさせることができます。

棘は、体当たりされても殻が割れないように衝撃材としての役目も担っています。

2番目の運動器官としての役割についてです。
ウニの棘の根元は殻に固定されておらず、関節と筋肉の動きによって歩行ができるようになっています。
また、棘の間には表面から伸びた「管足」とよばれる透明の糸の
ようなものがたくさんあって、この管足も歩く働きをしてくれます。

棘は歩くための他に、体を固定するために使用したり、餌となる海藻をひっかける道具としても使用されます。

最後に3番目として視覚としての役割を紹介しましょう。
アメリカの大学でウニの視覚的能力調査をした結果によると、棘に覆われた体全体が
眼のような働きをしていると確認されたのです。

何と棘にあたる光を感知するというのです。
ウニは棘にあたる光の強さを比較することで周囲の状況を知ることができるそうです。
この視覚的能力はオウムガイやカブトガニなど眼をもつ海生の無脊椎動物に近いことがわかりました。