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ウニの棘(とげ)の驚くべき機能

ウニの棘(とげ)は単なる骨ではなく皮膚の一部で、皮膚が
棘状になっているため「棘皮動物」とよばれています。
棘は太さや数もさまざまで、太い棘を少し持っているウニもいれば、
小さな棘をたくさん持つウニもいて、ウニ1個が持つ棘の種類は一種類ではありません。

そんな棘は、①身を守る防御②運動器官③視覚器官としての役割を果たしてくれます。

まず身を守る防御ですが、ウニは尖った棘先で相手を撃退します。
たとえ尖っていない棘でも、敵からみれば攻撃するには邪魔であり、
また棘があることで大きな獲物に見えるので捕獲をあきらめさせることができます。

棘は、体当たりされても殻が割れないように衝撃材としての役目も担っています。

2番目の運動器官としての役割についてです。
ウニの棘の根元は殻に固定されておらず、関節と筋肉の動きによって歩行ができるようになっています。
また、棘の間には表面から伸びた「管足」とよばれる透明の糸の
ようなものがたくさんあって、この管足も歩く働きをしてくれます。

棘は歩くための他に、体を固定するために使用したり、餌となる海藻をひっかける道具としても使用されます。

最後に3番目として視覚としての役割を紹介しましょう。
アメリカの大学でウニの視覚的能力調査をした結果によると、棘に覆われた体全体が
眼のような働きをしていると確認されたのです。

何と棘にあたる光を感知するというのです。
ウニは棘にあたる光の強さを比較することで周囲の状況を知ることができるそうです。
この視覚的能力はオウムガイやカブトガニなど眼をもつ海生の無脊椎動物に近いことがわかりました。