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琥珀ロード

バルティック琥珀は非常に長い歴史を持っています。
さかのぼること紀元前1万年前。

イギリスの古代の遺跡、ゴウ洞窟とよばれるところから
琥珀の工芸品が見つかっています。

最も重要な古代遺跡としてのバルティック琥珀は、
青銅器時代の琥珀カップがあります。

これは、イギリスのサセックス州から発掘されているのですが、
バルト海からは相当離れたところで見つかっています。

離れた地域で琥珀が見つかるということは、昔から人々が
琥珀を通じて交易を行っていたと考えられるのです。

ヨーロッパには、事実、「琥珀の道」とよばれる交易ルートが
存在したようで、その道はバルト海からギリシャまで続いていたようです。

紀元前1600年の頃の話です。琥珀が当時、「太古の樹脂が
化石化したもの」と認識されていたかは定かではありません。

ですが昔も今も、ヒトは美しいものに対して共通し感じる心をもっているようです。

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バルティック琥珀の特徴③

バルト海産の多くの琥珀は、コハク酸とよばれる成分を含んでいます。
コハク酸といえば、貝類に含まれる旨み物質で有名ですが、
名前の由来のとおり、元は琥珀を熱分解して得た成分なのです。

琥珀酸を含むバルト海産琥珀

コハク酸はカルボン酸の一種で、英語ではsuccinicacidとよばれています。
「sccinic」という言葉は、ラテン語で「琥珀」という意味にあたります。

この言葉から、バルティック琥珀はスキナイトともよばれます。
だいたい、バルティック琥珀はコハク酸を3%から8%程度含んでいるといわれています。

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バルティック琥珀は何色!?

琥珀は産地によって、年代によって、また周囲の土壌環境などによって
さまざまな色を我々に見せてくれます。

美しいバルティック琥珀の色

バルティック琥珀は、色に関して種類が様々です。
まず採れたての産出直後は黄色からオレンジ色に近い色をしています。

濁っているものもあれば、透き通っているものもあります。
虫が見られるのは、大抵、透き通っている琥珀のほうです。

琥珀が海の水や酸素に触れ続けるとどうなるでしょうか?
透明な琥珀は酸化して色が変化してきます。

大抵、赤色やオレンジ色といってもかなり暗い色に変わります。
そして、ひび割れが琥珀にあらわれてきます。

濁った琥珀のなかに、白く見える部分があります。
これは、気泡がたくさん集まってできた模様です。
まるで骨のように見えることから「骨」のような琥珀として
バルティック琥珀の種類として知られています。

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バルト海産の琥珀

琥珀は、木の樹液からできた化石ですので、古代に木がある
場所ならば、世界中で見つかるともいえます。

バルト海産のクモ入り琥珀

ですが、ほとんどの産地は産出量が少なかったり、美しさにおいての
商業的価値が低かったりして、化石として多く出回ることがありません。

そんな中、バルト海産琥珀における存在は、商業的価値においては
ドミニカと並んで、一級品と称されています。

琥珀に内包された蜘蛛(拡大)

バルト海周辺で産出される琥珀の量においては、世界で流通される
ほとんどを供給しており、あらゆる装飾品に施されています。

バルト海の琥珀は、いわゆる「青い大地(Blueearth)」と
よばれている地下の水脈の下に横たわる層からみつかります。

この地層の年代は、恐竜時代が終わる白亜紀の後の時代、
第三紀の後期始新世から前期斬新世にあたります。

ポーランド産虫入り琥珀

これらは約5000万年から3500万年前の地層です。
バルト海周辺でみつかる琥珀は、「バルティック琥珀」と呼ばれています。

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バルティック琥珀の特徴②

バルト海周辺で採れるバルティック琥珀は、
他の産地と異なる特徴がいくつかあります。

バルト海産琥珀

そのひとつに、割れ目がたくさんあることです。
また、黄鉄鉱という鉱物が結晶化しているという点も特徴的です。

他の産地の琥珀で、それらの特徴をもった標本はほとんど見つかっていないのです。

もし、バルティック琥珀の中に、虫が内包されていたら、
虫の周りに白く濁った部分がないか確認してみてください。
これも、バルティック琥珀に特有のものです。

樹脂に閉じこめられた虫たちは、時間を追って腐敗していきます。
そのとき、虫の体の中から外に出たものが、樹脂と混じり合います。
樹脂と排出物が混ざった結果、樹脂が白く濁るという現象が起こるのです。

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バルティック琥珀の特徴①

世界一有名な琥珀産地と言っても過言ではないバルティック琥珀。
バルティック琥珀にはある特徴があるために、目で識別できる
といったユニークな識別方法があります。

それは、ズバリ「毛」です。

小さな毛の塊が琥珀の中に見られます。

バルティック琥珀の中には、星のような形をした
放射線状の細長い毛を見ることができます。

大きさは、大抵1ミリから2ミリ程度で、高倍のルーペだとすぐにわかります。
この正体は、オークの木の雄花の毛だと考えられています。

オークの花の毛だということは、花を咲かす春から夏の時期に
その樹液は流れ出たものだと推察できます。

ただ、これらは透明な琥珀について良く確認できますが、白濁したり、
割れ目がある琥珀では少し見えづらいこともあります。

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崖から見つかった竜脚類の足跡

大変めずらしい足跡化石がモロッコからみつかっています。
それはジュラ紀中期(約1億7000万年前)の崖からみつかった、
前足が横を向いた竜脚類の足跡化石です。

いまのところ世界でもモロッコだけでしか見つかっていない
たいへん珍しい足跡です。

恐竜の足跡化石

崖に足跡があるとは、恐竜が崖を登ったのでしょうか?

違います。
崖の表面は地層の表面。

そう、もともとは平らな地面を恐竜が歩いて足跡をつけたのち、
地層が積み重なって足跡が保存されたのです。
そして長い年月を経て地殻変動により、地層が垂直に立ったのです。

グラレーター(Glallator)の足跡化石

ところで、人間にも歩き方の特徴があるように、
恐竜にも歩き方の特徴があったようです。

二足歩行の恐竜の場合、一般的に草食恐竜は足先を内向きに
肉食恐竜は足先を外向きに歩いたようです。

足跡からは、恐竜たちがケガをしていたことがわかったり、
集団で暮らしたのか単独で暮らしたのか群れで暮らしたのか
ということが判断できたりと、恐竜たちの生態を知る上で、
貴重なデータとなる根拠を示してくれます。

骨の化石からではわからないことが足跡化石によって発見されています。

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恐竜・足跡化石の話④

恐竜の足跡化石からは、前足と後ろ足を調べることができます。
ほとんどの恐竜が前足より大きな後ろ足をもっていました。

ティラノサウルスやタルボサウルスなどのように前足が短く後ろ足の
差が大きい場合、前足は歩行に使われなかったと考えられています。

つまり、獣脚類は二足歩行で歩き、後ろ足のみを使っていたとされています。
なかには前足を補助的に使う恐竜もいました。

比較的長い足をもっていたハドロサウルスやイクアノドンです。
前も後ろも短く、しっかりした足をもった角竜類や竜脚類などは
四足歩行をしていました。

でも「腕トカゲ」と呼ばれた、竜脚類のブラキオサウルスは
後ろ足よりも前足のほうが長かったようです。

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恐竜・足跡化石の話③

足跡化石からは、その恐竜の体の大きさや、
歩く速さ、歩き方などがわかります。

研究者は体の全長を推測するとき、おおよそ足跡の長さを4倍とし、
その恐竜の腰までの高さをだして計算するそうです。

例えば、足跡の長さ35㎝ならば腰の高さは1.4mで全長は6~7mと推定されます。
歩く速さは、歩幅から導き出します。

小さな歩幅は歩いた跡、大きな歩幅は走った跡です。
その速さは、イギリスの動物学者アレキサンダー博士が発表した
「アレキサンダー公式」に当てはめて求めることができます。
(この公式は少し難しいのでここでは省略します)

例として、ここに長さ15㎝ほどの足跡があったとします。
子犬ぐらいの大きさの恐竜です。

この恐竜が時速5㎞と少し早いくらいで歩いたとき歩幅は50㎝ほどになります。
また、この恐竜が時速21㎞で走ると歩幅は倍以上の126㎝になります。

この様に、走った時は歩いた時の倍以上の歩幅となるのですが、これは私達人間にもあてはまるのです。

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恐竜・足跡化石の話②

足跡はどうやって化石になるのでしょうか。

まず、恐竜がやわらかい砂や泥で覆われた地表を歩いて足跡を残します。
次に、その足跡がなくなる前に足跡の上を土砂が覆い地層の中に保存されます。

そして、地層がその上に積み重なっていきかたい岩石となって長い年月が経ちます。
その後、雨風の浸食を受け、上の地層が削られることで足跡が地表にあらわれるのです。

こうして出来た足跡化石は、現在どんな場所でみつかるのでしょうか。
それは恐竜時代、川や湖、干潟、砂丘などの場所だった地層で
表面が広く出ているところでみつかります。