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アリストテレスの提灯

ウニの咀嚼(咀嚼:口の中で食べ物をよくかみ砕き味わうこと)器官である5つの歯と、
それを支え動かす骨や筋肉の塊を『アリストテレスの提灯』といいます。

ウニ
ウニ

これはウニの口がランタン状になっていて「提灯に似ている」ということを
古代ギリシャのアリストテレスが動物誌に記載したことから呼ばれるようになりました。

ただしこの提灯、日本の丸い形のものではなく、ギリシャ製の下が尖った形のものをさします。

このアリストテレスの提灯はウニの殻と同じように五放射の構造を持ちます。
ウニの口は一番下に鋭い歯があり、細長い歯の骨はひとつひとつが
V字形の顎骨という大きな骨の中を通って反対側まで伸びています。

これが五つ組合わさって提灯を形作っています。
一つの顎骨の上に二つの上生骨が組み合わさってアーチ状になり、顎骨同士をつなぐように中間骨があります。
その上に立ち上がった二叉骨が位置します。

この様な精巧かつ複雑な内部構造をもつアリストテレスの提灯を進化させることで、
ウニは棘皮動物としてのみならず海底面の物質を食べる底生動物として成功したのです。

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ウニの棘(とげ)の驚くべき機能

ウニの棘(とげ)は単なる骨ではなく皮膚の一部で、皮膚が
棘状になっているため「棘皮動物」とよばれています。
棘は太さや数もさまざまで、太い棘を少し持っているウニもいれば、
小さな棘をたくさん持つウニもいて、ウニ1個が持つ棘の種類は一種類ではありません。

そんな棘は、①身を守る防御②運動器官③視覚器官としての役割を果たしてくれます。

まず身を守る防御ですが、ウニは尖った棘先で相手を撃退します。
たとえ尖っていない棘でも、敵からみれば攻撃するには邪魔であり、
また棘があることで大きな獲物に見えるので捕獲をあきらめさせることができます。

棘は、体当たりされても殻が割れないように衝撃材としての役目も担っています。

2番目の運動器官としての役割についてです。
ウニの棘の根元は殻に固定されておらず、関節と筋肉の動きによって歩行ができるようになっています。
また、棘の間には表面から伸びた「管足」とよばれる透明の糸の
ようなものがたくさんあって、この管足も歩く働きをしてくれます。

棘は歩くための他に、体を固定するために使用したり、餌となる海藻をひっかける道具としても使用されます。

最後に3番目として視覚としての役割を紹介しましょう。
アメリカの大学でウニの視覚的能力調査をした結果によると、棘に覆われた体全体が
眼のような働きをしていると確認されたのです。

何と棘にあたる光を感知するというのです。
ウニは棘にあたる光の強さを比較することで周囲の状況を知ることができるそうです。
この視覚的能力はオウムガイやカブトガニなど眼をもつ海生の無脊椎動物に近いことがわかりました。

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ウニの話

皆さん、ウニは好きですか?
日本人は寿司ネタでウニは人気ですよね。
そのため、栽培漁業も行っていますが、自国の生産のみでは間に合わず多くの国から輸入しています。

日本の近海には150種類以上のウニが存在しますが、食用となるのは主にエゾバウ二や
キタムラサキウニ(北海道・東北産)それより南のバフンウニなど6種類ほどです。

ウ二は漢字で「海胆」や「雲丹」と表記しますが、食用前は「海胆」(又は多くの種が全身
に棘をもち栗のイガに似ていることから「海栗」とも)と表記します。
食用に加工されると「雲丹」と表記されます。

ウニはウニ網に属する棘皮動物で、海底基盤の上に住み主に藻類を食べて生きています。
一般的に球形の殻の上に多数の棘が生えていて、下側の真ん中(海底に面した)側に
口と歯があり、反対の上側真ん中に肛門があります。

ウニには目や耳、舌はありません。
殻の中は体液の詰まった広い空間となっていて、その中に消化管と生殖巣が入っています。
この生殖巣が食用となります。

ウニの寿命は7年~15年といわれていますが、100年以上も生きるウニも存在するといわれています。

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ウミツボミとは

ウミツボミ(海蕾)は古生代のシルル紀からペルム紀にかけて海の中で繁栄した棘皮動物です。
本体は「ほう」とよばれる細かな石炭板が集まって形成されていて、
この「ほう」の形が植物の蕾に似ている事から『ウミツボミ(海蕾)』の名がつきました。

大きさは2㎝前後で真上からみると五角形をしていて中心に星形の口があり、
棘皮動物の基本である5方向への放射構造がはっきりとみてとれます。

「ほう」の外側上方からムチのような指枝を伸ばして海中の微少な有機物を
餌として集め、ウミユリのように岩などにくっついて海底で生活していました。

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古生代

「筆石」

筆石(Graptolithina)を知っていますか?
学名の『Graptolithina』はギリシャ語で「書くもの」を意味する
『graptos』と「岩」を意味する『lithos』から付けられました。

でも石や岩ではありません。
その名のとおり筆で書いたかのような形をしてはいましたが、動物群の一種なのです。
では何故、「岩」を意味する言葉がつけられたのでしょうか?

それは発見当初、石の一形態として考えられていたためだそうです。
筆石はカンブリア紀中期から石炭紀前期に世界各地の海で生息した半索動物門で、
サンゴの様にひとつの骨格に個虫とよばれる小さな生き物が集まってできた生命体です。
この骨格はコラーゲンでできています。

絶滅するまで多くの種が存在し浮遊生活するものと海底生活するものがいました。
個々の種の存在期間はとても短かったので、地質時代を知るのに使用され
古生代の示準化石として重視されています。

私たち人間を含む脊椎動は、ウニやヒトデなどの棘皮動物から
脊髄の原形をもつホヤなどの脊索動物を経て脊髄動物に進化したと考えられています。

筆石が属する半索動物は、棘皮動物と脊索動物のそれぞれの共通点をもっていて
両者をつなぐ存在として注目されているのです。

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その他 新生代

大型哺乳類

これまでの地球上に現れた最大の陸生哺乳類といえば「パラケラテリウム」です。
(旧名:インドリコテリウム)およそ3600万〜2400万年前、
中央アジア周辺に生息していたサイ科の哺乳動物です。

サイの仲間ですが首が長く今のキリンのように高い場所の木の葉をとって食べていたようです。
その体高は8〜10メートル、体重は15〜30トン。
キリンが約5メートル、アフリカゾウが最大7トンなので、とても大きなことがわかります。

1980年中国モンゴル自治区で「パラケラテリウム」をも凌ぐ大きな陸生哺乳類が発見されました。
それは3万年前の中国内モンゴルに生息した体長9.1メートル、
体長20トン以上のゾウ科哺乳類「松花江マンモス」です。

哺乳類が大型化した要因としては、恐竜が絶滅したことで
餌が豊富に手に入るようになったためだと研究者は考えています。

では大型は何故とまったのでしょうか。
その要因の1つは、わたしたち人類にあるといわれています。
人類が地球を支配するようになり、大型の陸上哺乳類は大きくなるための
スペースと食糧がなくなってしまったと言われています。

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その他 新生代

哺乳類の大型化

哺乳類は恐竜の絶滅後、いかにして大型化したのでしょうか。
2010年11月26日アメリカの科学誌サイエンスが「哺乳類が恐竜絶滅後
どのように大型化していったかについて解明した」とする論文を発表しました。

この発表によると、恐竜がいた時代の哺乳類の平均的大きさは
ウサギの赤ちゃんからビーグル犬程で、重さは1〜10キロ程と小さかったようです。

しかし、6500年前に恐竜が絶滅すると急速に大型化しおよそ
2500年後には最大で1000倍もの大きさに進化したとされています。

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中生代 恐竜

ノドサウルス

ノドサウルスは中生代白亜紀後期にアメリカに生息した曲竜類の草食恐竜です。
ノドサウルスは1995年、アンモナイト化石の収集家・後藤栄治郎氏によって
海成層からノドサウルスの頭骨化石がアジアで初めて発見されました。

この発見は北米を起源とするノドサウルスが陸橋をつたって
北米からアジアへと移動した重要な証拠となっています。

曲竜類は別名、鎧竜ともよばれます。
尾の先に攻撃用のこん棒を持ったアンキロサウルス類と、
重厚な装甲に覆われたノドサウルス類に分かれます。

敵に襲われた時、アンキロサウルス類はこん棒がついた尾を振り回し
敵を倒すことができましたが、武器のないノドサウルスはうずくまって身を守ったようです。

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中生代 恐竜

オルニトミムスのくちばし機能

ダチョウに似た姿で足が速いことから「ダチョウ恐竜」とも呼ばれるオルニトミムスは
白亜紀後期、北米に生息していました。
ダチョウにたとえられる通り、恐竜の中で一番足が速
く時速50〜80km/時で走ったといわれています。

学名のオル二トミムスとは「鳥の模倣社」という意味です。(オルニス=鳥、ミムス=模倣)
1995年カナダのアルバータ州で、とても保存の良い状態のオルニトミムスの化石が発見されました。

頭部の化石を研究したところ、くちばしにはケチラン質の跡や現代のアヒルや
カモと同じ様な柔らかいクシ状の組織があることがわかりました。

この特徴から水中の微生物などをすくい食べていて、
水辺で生活していた濾過食ではないかといわれています。

また、水中の微生物などだけでは十分な量を確保できなかったのではないかという点と
胃に胃石があったことから、植物食や小動物や昆虫などを食べた
雑食だったのではないかともいわれています。

食性については、まだはっきりとした結論は出ていません。

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その他 中生代

最古の哺乳類

現在みつかっている中で最古の哺乳類は、中生代三畳紀後期(約2億2500年前)に生息した「アデロバレシウス」です。1989年アメリカ・ニューメキシコ州で自然史科学博物館のスベンサー・ルーカス博士らにより発見されました。

「アデロバレシウス」とはギリシャ語で「隠れた王者』を意味します。
姿は、頭は人間の爪ほどで尾までの長さが約10㎝程と現在のトガリネズミのような外見をしていました。
アデロバレシウスは恐竜と違い夜活動ができる夜行性でした。

夜に活動出来たのは、アデロバレシウスが自らの体内から
体温を一定に保つことのできる内温性の哺乳類だったからです。

また発達した聴覚で昆虫のかすかな動きをとらえ捕まえて食べていたようで、
この特徴も夜に活動できる原因のひとつだったのではないかと考えられています。

アデロバレシウスの生態についてはまだ分からない点もありますが、
卵を産んで繁殖をしていたようで現在の哺乳類とは異なる点も多いようです。