種によりますが、例えば体や眼にトゲをたくさん生やして武装した三葉虫がいます。
他にもちょうどかたつむりのような形をした、長く伸びた眼をもった三葉虫がいます。
海の底の泥に体を潜めながら眼だけ飛び出させて敵を観察できる
潜望鏡のような機能をもっているというわけです。
このように、簡単に襲われないようにするため、三葉虫は体にあらゆる工夫を施しています。
最も代表的なのは「エンロール」といって、ダンゴムシのように丸まって体を守る防御体制です。
背側は硬い殻で覆われている三葉虫ですが、その背側を外側に体をぐるっと丸めることで、
内蔵などの柔らかい内側部分が攻撃されないよう守っていました。
捕食されるという、立場の弱い生き物だったからこそ、三葉虫はその体に
工夫をこらしながら進化し、多様化して大グループを形成しました。
三葉虫は約3億年もの時間を、賢く生き抜いてきた賢者の生き物群とも言えます。