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アリストテレスの提灯

ウニの咀嚼(咀嚼:口の中で食べ物をよくかみ砕き味わうこと)器官である5つの歯と、
それを支え動かす骨や筋肉の塊を『アリストテレスの提灯』といいます。

ウニ
ウニ

これはウニの口がランタン状になっていて「提灯に似ている」ということを
古代ギリシャのアリストテレスが動物誌に記載したことから呼ばれるようになりました。

ただしこの提灯、日本の丸い形のものではなく、ギリシャ製の下が尖った形のものをさします。

このアリストテレスの提灯はウニの殻と同じように五放射の構造を持ちます。
ウニの口は一番下に鋭い歯があり、細長い歯の骨はひとつひとつが
V字形の顎骨という大きな骨の中を通って反対側まで伸びています。

これが五つ組合わさって提灯を形作っています。
一つの顎骨の上に二つの上生骨が組み合わさってアーチ状になり、顎骨同士をつなぐように中間骨があります。
その上に立ち上がった二叉骨が位置します。

この様な精巧かつ複雑な内部構造をもつアリストテレスの提灯を進化させることで、
ウニは棘皮動物としてのみならず海底面の物質を食べる底生動物として成功したのです。