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中生代 人物・植物 恐竜

恐竜という言葉の起源①

「恐竜」という言葉の起源をたどってみたいと思います。
さっそくですが「恐竜」という日本語はいつできたと思いますか?

これは、英語を訳した言葉なのですが、実はだれが訳したのかははっきりしていません。
ですが、今から117年前の1984年(明治27年)に、横山又次郎という地質学者が書いた本
の中に「きょうりゅう」という言葉が出ているので、おそらくその前後だと考えられています。

横山又次郎は「きょうりゅう」を「恐龍」と書いて使っています。
「龍」の字が今とは違いますね。
そもそも恐竜と訳される元となった名前の起源はいつなのでしょう。

これは1841年までさかのぼります。イギリスの解剖学者であり古生物学者である
リチャード・オーエンという人物が「恐竜」の名付け親です。

彼は、生きている動物はもちろんのこと、アンモナイトや恐竜などの古生物を数多く研究した
人物として、イギリス王室とも親交の深い重鎮として科学界に君臨していました。

オーエンは、ジュラ紀中期に現れたメガロサウルスや白亜紀前期にいたイグアノドン、
そしてヒラエオサウルスなどの化石を調べたのですが、これらが現生のトカゲにはない特徴
を共通してもっていることを発見しました。

そこで、これらの生物を1つのグループとして分類するいい名前はないかと考えたのです。
その名前が「ダイノサウリア」というのです。
そう、「ダイナソー=恐竜」です。

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その他

世界の化石産地【メッセル・ピット(メッセル採掘場)】

・ドイツ、ヘッセン州にある村メッセル近くの油母頁岩の採掘跡地です。
(油母頁岩=オイルシェールとは、有機化合部と含む黒褐色の頁岩で
蒸留によって石油やガスが生じます)
・1995年世界自然遺産に登録されました。

・始新世(約5500万年前〜約3800万年前)の哺乳類の化石が多く発掘されます。
・保存状態が非常によく、完全な骨格の化石から羽毛や皮膚の痕跡までわかる化石が発掘されています。

・一帯の主な岩石、油母頁岩(オイルシェール)は泥と枯れた植物が湖の底に
無酸素状態でゆっくりと堆積しできたものです。この無酸素状態が化石の腐敗を
とめ、世界一といわれる保存状態のよい化石を産出しています。

・1983年、約5000万年前(始新世中期)の地層から最古の霊長類「イーダ」が
ほぼ完全な形で発掘されました。
・2009年、コリン・ダッジ著の「ザ・リンク ヒトとサルを繋ぐ最古の生物の発見」で
「イーダ」が世界中のメディアで注目されました。

・1970年代、メッセル・ピットはゴミ処理場の建設計画がありましたが、
市民の反対運動等により中止となりました。

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ギオテン・マンテルにみる学者たちのこぼれ話

イグアノドンを発見したマンテルは、先に述べたキュビエ(メガロサウルスが爬虫類であること
に気付いた学者でもあります。)に自分の発見した恐竜について相談した時「哺乳類のものだよ」
と言われて相手にされなかったようなのです。

しかしマンテルは、キュビエの否定によってイグアノドンをあきらめることはなく、
よりたくさんのイグアノドンの歯を見つけるという行為に出ました。
このことによって、最後にはキュビエにイグアノドンが恐竜だということを認めさせたのです。

メガロサウルスも、17世紀、発見された時はゾウの骨だと展示されていて、
18世紀に次は人間のそれも巨人の体の骨だとされ、100年以上経って
ようやく恐竜の骨だということが明らかになります。

それに携わる研究者が諦めれば、いずれの発見もなかったか
発見されてもその時期がかなり遅れたと思います。
発見した化石が恐竜かどうかを断定するのには、長い年月がかかるようです。

研究者は「恐竜」という未知の生き物に対して、何と根気強く研究していたのでしょう。

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世界で最初に学名がついた恐竜

世界で最初に「発表」された(=学名がついた)恐竜は何という名前でしょう?
世界で最初に発見されたのはイグアノドンですが、
学名がついたのはイグアノドンではありません。

最初に学名がついた恐竜は、「メガロサウルス」という名前の恐竜です。
実は、この恐竜の骨は、発表するかな~り前に見つかってはいたものの
ゾウの骨だとか、人間の骨の一部だと長い間考えられてきたので、
恐竜の骨だと認識されるまでに時間がかかったのです。

ですが、1818年、恐竜学で有名な学者キュビエとバックランドという人物によって
この骨が恐竜の骨だということがわかりました。

それから6年たった1824年、ようやく「メガロサウルス(=大きなトカゲ)」という名前が誕生したのです。
メガロサウルスは、ジュラ紀中期から後期にかけてイギリスやフランスに生息した肉食の獣脚類です。

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ギオテン・マンテルとイグアオノドン

イグアノドンを発見したギオテン・マンテルは靴屋の息子として生まれ、イギリスの
医者として活躍し、かつ大変な古生物マニアでもあるといった人物でした。

マンテルは、実はイグアノドンの体つきを想像したとき70mはあると推測していたようです。
が、1878年に、ベルギーの炭鉱から多くのイグアノドンの全身骨格が発見されたことから、
全身の大きさが正確にわかるようになりました。

もちろん70mなんてありません。
研究の結果、現在はおよそ6~10mとされています。
いずれにしても、マンテルのイグアノドン発見によって、古代に大きな爬虫類
「恐竜」が存在したことに気づくきっかけになったのです。
ちなみに、現生のイグアナと、イグアノドンの間に関係はないようです。

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人類が恐竜の研究を始めたのはいつ?

人類が恐竜の研究を始めた時期についてのお話です。
恐竜の研究にいち早くとりかかった国はどこでしょう?
それは、「イギリス」です。

19世紀のヨーロッパは、自然科学に対する研究が進んでいました。
そのなかで、古代に目を向ける学者たちが出てきたのです。
彼らは地層を研究する中で、はるか昔に巨大な爬虫類がいたことを知るのです。

そこで、みなさんに質問です。
世界で最初に発見された恐竜の名前をご存じですか?

その名は、「イグアノドン」。
イグアノドンの名前の由来は「イグアナの歯」という意味です。
これは、イグアナの歯ととても良く似ていることからきています。

イグアノドンは白亜紀前期に生息していた鳥脚類です。
現在の、イギリスやカナダ、ドイツといったところにいたようです。
この恐竜を発見したのはギデオン・マンテルという人物です。

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探検家アンドリュースが見つけたオビラプトルの卵

オビラプトル類の卵は、巣の中で2個ずつ対になっています。
最近になって、骨盤の子宮と考えられる箇所に卵2個と卵管2本が発見されました。
研究者の間では、2本の卵管から1個ずつ卵を産んだと考えられています。

アンドリュースが初めて発見した恐竜の卵化石。
現在卵の化石は非常に貴重なものとして珍重されるとともに、
恐竜の成長過程を研究する大切な研究対象にもなっています。

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映画「インディージョーンズ」モデル人物とオビラプトル②

ロイ・チャップマン・アンドリュースはインディ・ジョーンズを地でいくような人でした。
彼が未知の古代生物、恐竜を次々と発見します。

アンドリュース率いる探検隊の当初の目的は、もともとは恐竜の発見ではありませんでした。
探検隊の目的は、人類と哺乳類の起源を調べることだったようです。
その過程で、たまたま恐竜の卵や新たな恐竜を発掘したといわれています。

では、なぜゴビ砂漠へ向かっていたのでしょう?

それは当時の進化の説で、人類はアフリカで生まれたという説と、アジアで生まれたという
2つの説があり、アンドリュース率いる探検隊の中の一人がアジア説を有力視したため、
モンゴルへ行こうということになったのです。

ひょうたんからコマとはこのことでしょうか。
人類の歴史を調べに行ったら、恐竜の卵が出てきたというわけです。

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映画「インディージョーンズ」モデル人物とオビラプトル①

オビラプトルによる最初の恐竜の卵を発見した、アメリカ人のロイ・チャップマン・アンドリュースは
博物学者であり、アメリカ自然博物館の館長を務めた人物です。

彼は1922~1930年の期間に5回、モンゴルのゴビ砂漠へ向かい、
たくさんの恐竜の卵を見つけた探検家として有名です。

彼は子供の頃から自然と生き物を愛していました。
大人になってからは探検隊を率いてアラスカや中国へ出かけて化石を集めていたようです。
アンドリュース率いる探検隊が発見したものの中に、モンゴルでのオビラプトルの卵以外に
プロトケラトプス(名前の由来は“最初の角竜”という意味)やヴェロキラプトル(名前の由来
は“すばやいどろぼう”という意味)といった有名な恐竜がいます。

旅の途中ではヘビやクジラ、サメ、オオカミや盗賊など、あらゆる困難に遭遇した探検隊でしたが
なんとか危機一髪、命を落とさず帰還したという逸話があります。

この話、何かに似ていると思われませんか?
そう、あの有名な映画「インディー・ジョーンズ」のストーリーです。
アンドリュースは、インディー・ジョーンズのモデルになった人物と言われています。

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その他

世界の化石産地【クジラの谷】

・エジプト・カイロの南西約200km、ファイユーム県の砂漠地帯です。
・クジラの谷(ワディ・アル・ヒタン)はガバル・ゴハンナム「地獄の山」の麓に広がっています。
・昔から砂漠にいるはずのない正体不明の動物の骨が散乱していたため
「地獄の山」と呼び人々は恐れました。

・この正体不明の動物は、約4000万年前の海洋生物や原始クジラの化石(バシロサウルス)です。
・約400体以上のクジラの化石がみつかってることから「クジラの谷」と呼ばれています。
・なかでも20mを超える蛇のように長い体に、水かきのついた前肢と退化した後肢がついた
バシロサウルスの化石が発見され、クジラが陸上生物から水棲生物に進化したことが確認されました。

・4000年前頃、この一帯はテチス海の沿岸部で浅い海であったとされています。そのためサメ類や貝
などの海生動物のほか、マングローブ林や植物、爬虫類の化石などもみつかっています。
・2005年世界自然遺産に登録されました。(バシロサウルス=トカゲの王様という名前は
発見された当時、巨大な海生爬虫類の仲間と考えられたためです。)