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P/T境界って何?

よく、化石の話題の中にP/T境界という言葉がでてきますが、
一体何を意味する言葉でしょうか?

Pは「Permian」の頭文字で、ペルム紀のことを、
Tは「Triassic」の頭文字で三畳紀のことを表しています。

ペルム紀は古生代といわれる地層区分の最後の時代、
三畳紀は恐竜が活躍する中生代といわれる最初の時代を示しています。

要は、「古生代と中生代を分ける境目」を意味する言葉がP/T境界です。

ペルム紀と三畳紀の境目部分の地層ははっきりと区別できます。
なぜなら三畳紀の地層は黒っぽい色をしているからです。
地層が黒い理由として、絶滅後、おびただしい生き物の死体の分解が追いつかず
降り積もったためだと言われています。

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中生代 恐竜

恐竜羽毛談義

ティラノサウルスには羽毛があった!?

近年、ティラノサウルスには大人の体にも羽毛があったとの報告がされ、
世間を賑わせていますが、恐竜の体をおおう羽毛の役割は一体
どんなものなのでしょうか?

鳥類は恐竜が進化したものであるといわれていて、鳥類の祖先に近い恐竜には、
羽毛の生えたものも多く見られます。

でも、「飛ぶ」という目的だけで羽毛が生えたわけではなかったようです。
羽毛には次の4つの役割があるとされています。

1つ目は、体温を守るということです。
ちょうど真冬に着るダウンジャケットのように、全身に羽毛ぶとんがあれば、
体を冷やすことなく体温が保たれるため、恐竜は羽毛を蓄えていたとされています。

2つ目は卵を守るという役割です。
有名な恐竜にオビラプトルが挙げられます。
羽を広げて卵を守ることで、子孫を繁栄させるよう工夫していたのでしょう。

3つ目は異性への性的アピールや敵を威嚇する役割です。
羽毛のあるので有名な恐竜は、中国で発掘されたカウディプテリクスです。
全身が羽毛に覆われてた彼らは現生の孔雀のように尻尾に長いかざり羽がありました。

4つ目は飛行する役割です。
有名な恐竜は最小恐竜の1つと言われるミクロラプトルで、
彼らは前足、後ろ足どちらにも長い羽毛を生やしていました。
木から木へ飛びながら移動していたのではないかと考えられています。

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中生代 恐竜

恐竜の重さを測ろう!

アフリカ大陸のプレデターカルカロドントサウルス
アフリカ大陸のプレデターカルカロドントサウルス

絶滅した恐竜なのに、どうして体重がわかるのか、不思議に思ったことはありませんか?
身は残らず骨だけが残った恐竜の化石からでも、恐竜の全身像を
推測することでだいたいの体重も知ることができます。

その方法は次のとおりです。

まず、見つかった骨のサイズなどから、恐竜の全身像を割り出します。
そして全身像の模型をミニサイズで正確に作ります。
全身像がわかれば、体積を求めた後に、実際の大きさまで戻して計算すると体重がわかります。
(恐竜の比重は一般的に水に近い1と考えられているので、比重1で1cm3あたりの重さを計算します。)

はじめに水が入った容器にミニ恐竜を沈めて、体積をはかります。
例えば恐竜の40分の1のミニ恐竜を用意して、
水が入った容器に沈めると、80ml水の量が増えたとします。

この80ml増えた水の量がミニ恐竜の体積です。
80ml増えたのですから、80ml×40×40×40=512万mlが実際の恐竜の体積です。
1mlを1gとすると、512万g=5120kg=5.12トンとなります。

実際の恐竜の推定体重は5.12トンだとわかるというわけです。
もっとも、模型のサイズの正確性によって数値は前後がありますし、
比重の違いによっても推定体重は変わってくる場合があります。

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人物・植物

琥珀の利用法

琥珀は色が綺麗、軽い、柔らかいといった理由から、ペンダントや指輪、
ネックレスなど宝石装飾品として昔から人々に利用されてきました。

虫入り琥珀(Amber)

北海道で出土した琥珀の玉は約2万年前のもので、
アジア最古の出土例として有名です。

人類が最初に利用した宝石が琥珀ではないかともされています。

琥珀は、文字を使用する前の時代(先史時代)には、外敵をまもる
目的で身につける魔除けの装身具として利用されていました。

中世にはキリスト教の数珠にあたるロザリオや、
祭壇の装飾にも頻繁に使われていました。

日常的なものとしては、サイコロや羽ペンホルダー、パイプの柄
やカップ、ゲーム盤などにも多岐に渡って利用されたようです。

琥珀のチェス駒なんて、とても贅沢な感じですね。

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琥珀の産地

琥珀は樹の樹脂が化石化したものですから、世界中で産出します。
でも、埋蔵量は少なく、質が高いものがとれるのはごくわずかです。

手のひらサイズのドミニカ産琥珀

宝石や化石として商業的に利用できる産地はある程度限られてきます。
最も有名な産地はバルト海沿岸とドミニカ共和国、そしてポーランドやロシアです。
世界の約85%の琥珀は、ポーランドのグダンスク沿岸と
ロシアのカリーニングラード州地域から産出しているといわれています。

他にはミャンマーやメキシコ、カナダ、メキシコ、日本等も琥珀の産地です。
日本の産地は岩手県久慈市や千葉県銚子市が有名です。
これら2県の琥珀は白亜紀の地層から見つかります。

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琥珀の名前いろいろ

琥珀の漢字に充てられている「琥」という文字に虎という字が入っているのは
その色からきています。

トラのような色、アンバー(琥珀)

中国では、虎が死んだ後、魂が石になって琥珀となると考えられてきたのです。
琥珀は英語名で「アンバー(Amber)」といいます。
これは、古代アラビア語の「アンバール」から由来するもので、
「海にただようもの」という意味があります。

実際、琥珀の比重は1.04~1.10で、比重1.0の水と比べると少しだけ重いのですが、
琥珀の中には気胞を含むものもあるので、その場合は水中に漂います。

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琥珀の中間地点は「コーパル」!?

分子同士が強く結合した琥珀

琥珀のもとである樹脂は、油の成分やアルコール、
そして酸によって構成されています。
また没薬(もつやく)とも呼ばれるミルラ、乳香(にゅうこう)
といった、においを放つ物質をもっています。
これらの成分は揮発性(きはつせい)物質と呼ばれています。

揮発性物質というのはかんたんに蒸発しやすい物質のことで、
樹脂から気体となって抜け出てしまいます。
そうするうちに、樹脂を作っている分子同士は互いに手をつなぎ結合して、
より大きな分子になっていき、重合体(ポリマー)とよばれる
有機化合物へと姿を変えていきます。

こうやってどんどん硬くなっていったものが
「コーパル(copal)」とよばれる物質です。
コーパルはメキシコ語の「コパリ(copalli)」が語源で、
「樹脂」を意味する言葉です。

コーパルも、もちろん化石に他なりませんが、比較的若い樹脂化石といった
ところで、分子同士の結合がまだ弱く、揮発性の成分が少し残っています。

物理的にはまだ不安定で、熱にも150℃くらいで溶けるのがコーパルの特徴です。
その後、コーパルが揮発性の成分をとことん失って、
分子同士がより強く結合したら、やっと琥珀となるのです。
琥珀には揮発成分は全くないので、それ以上変化するということはありません。

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琥珀になるまでに必要とする時間

樹脂が美しい琥珀になるまでには一体どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
さまざまな研究者の意見が分かれるところですが、およそ数百万年から
数千万年の長い月日をかけて形成されると考えられています。

長い年月をかけて形成される琥珀

半化石状態、琥珀一歩手前のコーパルでは、もう少し短い期間で形成されます。
最近では、樹脂が琥珀となるまでには時間の長さ以外に、地層の体積物がどういう
成分であったか、温度や圧力などの兼ね合いなどがとても重要だということがわかってきました。

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琥珀から虫がみつかるのはなぜ?

琥珀の中に閉じ込められた古代の虫

琥珀は、樹の樹脂が固まって化石化したものです。
しばしば、琥珀の中から、昆虫や植物が見つかるのは、樹脂が土の上に流れ落ちる際に、
虫やその他の生き物たちが一緒に取り込まれてそのまま化石となるからです。

琥珀の中に閉じ込められた虫たちは、非常によい状態で保存されるので、
触覚や羽などが生きた当時のまま見ることができるものもあります。

昆虫や植物が入った琥珀は、まさにその時代を閉じ込めた
タイムカプセルのようなもので、「虫入り琥珀」と呼ばれています。

虫入り琥珀は世界中のコレクターからも人気が高く、かなりの高値で取引されます。

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琥珀は何色?

琥珀の色はさまざまですが、透明で黄褐色の色が多く見られます。
琥珀の中にはオレンジがかったもの、緑色のもの、
透き通っていないものなど、産地によってさまざまです。

透き通った茶~オレンジ色の琥珀

純色でいう琥珀色とは、黄色と橙色の中間色をさしています。
ちょうど琥珀飴のような、透き通った黄色がかった色が琥珀の代表的な色です。

琥珀の構造は、炭素が79%、酸素が11%、水素が10%、
そして硫黄を少し含んでいます。