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バルト海産の琥珀

琥珀は、木の樹液からできた化石ですので、古代に木がある
場所ならば、世界中で見つかるともいえます。

バルト海産のクモ入り琥珀

ですが、ほとんどの産地は産出量が少なかったり、美しさにおいての
商業的価値が低かったりして、化石として多く出回ることがありません。

そんな中、バルト海産琥珀における存在は、商業的価値においては
ドミニカと並んで、一級品と称されています。

琥珀に内包された蜘蛛(拡大)

バルト海周辺で産出される琥珀の量においては、世界で流通される
ほとんどを供給しており、あらゆる装飾品に施されています。

バルト海の琥珀は、いわゆる「青い大地(Blueearth)」と
よばれている地下の水脈の下に横たわる層からみつかります。

この地層の年代は、恐竜時代が終わる白亜紀の後の時代、
第三紀の後期始新世から前期斬新世にあたります。

ポーランド産虫入り琥珀

これらは約5000万年から3500万年前の地層です。
バルト海周辺でみつかる琥珀は、「バルティック琥珀」と呼ばれています。

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バルティック琥珀の特徴②

バルト海周辺で採れるバルティック琥珀は、
他の産地と異なる特徴がいくつかあります。

バルト海産琥珀

そのひとつに、割れ目がたくさんあることです。
また、黄鉄鉱という鉱物が結晶化しているという点も特徴的です。

他の産地の琥珀で、それらの特徴をもった標本はほとんど見つかっていないのです。

もし、バルティック琥珀の中に、虫が内包されていたら、
虫の周りに白く濁った部分がないか確認してみてください。
これも、バルティック琥珀に特有のものです。

樹脂に閉じこめられた虫たちは、時間を追って腐敗していきます。
そのとき、虫の体の中から外に出たものが、樹脂と混じり合います。
樹脂と排出物が混ざった結果、樹脂が白く濁るという現象が起こるのです。

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バルティック琥珀の特徴①

世界一有名な琥珀産地と言っても過言ではないバルティック琥珀。
バルティック琥珀にはある特徴があるために、目で識別できる
といったユニークな識別方法があります。

それは、ズバリ「毛」です。

小さな毛の塊が琥珀の中に見られます。

バルティック琥珀の中には、星のような形をした
放射線状の細長い毛を見ることができます。

大きさは、大抵1ミリから2ミリ程度で、高倍のルーペだとすぐにわかります。
この正体は、オークの木の雄花の毛だと考えられています。

オークの花の毛だということは、花を咲かす春から夏の時期に
その樹液は流れ出たものだと推察できます。

ただ、これらは透明な琥珀について良く確認できますが、白濁したり、
割れ目がある琥珀では少し見えづらいこともあります。

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中国で、未知の人類の化石発見!!

2012年3月、中国南部(中国広西チワン自治区)で1989年見つかった石器時代
の骨が分析され、その結果「未知の人類のものかも知れない」と議論をよび、
話題となっています。

未知の人類は発掘現場の「馬鹿洞」にちなんで「馬鹿洞人」と呼ばれています。
特徴は平たい顔、幅広の鼻、突出した顎と眉弓、大きな臼歯、
分厚い頭蓋骨と現生人よりも原始人に近いようです。

見つかった骨は、およそ1万4500年〜1万1500年前のものと考えられ、
比較的新しい時代のものです。

この時代はネアンデルタール人や他のヒト属の種は全て絶滅したと
考えられている時代のため、これが事実だとすると、
また新たなヒトの歴史がうまれてくることになりそうです。

ネアンデルタール人の頭部

研究者からは「当時、現生人類は異なる種と共存していた可能性がある」
といったものや、「現生人類が多様性に富んでいることを示したもの」
といったように様々な意見がでており、まだまだ決着はつかないようです。

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栃木でクジラの全身化石発見

2012年、栃木県宇都宮市の鬼怒川河川敷で約1千万年前の
クジラの化石が発見されました。

1千万年前というと中新世の時代、海に進出したクジラ類も
多様化したといわれている時代です。

発見されたクジラは耳の骨の特徴からナガスクジラの一種とみられ、全長約8m、
頭の骨は口先から後頭部までが1.2〜1.4m程度で成体と推定されています。

でも何故、海のない栃木県でクジラの化石が発見されたのでしょうか?
それは1千万年前の関東平野は海底であり、化石が発見された宇都宮は、
内湾により赤潮が発生しやすい状況であったことに起因します。

魚などが住める様な環境ではないおかげで、死んで海底に沈んだクジラが
食い荒らされることなく、また流されにくい内湾の場所であったために、
全身の化石が発見されるに至ったようです。

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クジラの年齢の調べ方

クジラの年齢はどうやって調べるか知っていますか?
クジラは大きく分けて、「ヒゲクジラ」と「ハクジラ」の2種類があります。

ハクジラ亜目の小型種にあたる「イルカ」

ヒゲクジラの仲間の年齢は、耳垢で調べることが出来るのです!
ヒゲクジラは、暖かい海と寒い海とを回遊していて、耳垢に1年ごとに
明暗の層ができるため、その層を調べると年齢がわかります。

一方のハクジラは、歯で年齢が分かるのです。
歯を輪切りにすると断面に木の年輪の様な縞模様があり、
この縞模様から年齢を推定します。

ハ(歯)クジラには歯が、ヒゲ(髭)クジラには歯の変わりに
歯茎が変化した髭が存在します。

ヒゲクジラは、14種あるのに対して、ハクジラは60種以上もあります。
ヒゲクジラの代表種は、現生最大種のシロナガスクジラです。
ハクジラにくらべて、頭部が大型化する傾向にあります。

一方、ハクジラの大半はイルカが占めています。
イルカは分類学的にはクジラのグループに属しています。
ハクジラ亜目の小型の種を、慣習的にイルカと呼んでいるのです。

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「生きている化石」腕足類

『シャミセンガイ』日本では三味線に似た形からこの名がついていますが、
中国では舌やモヤシに例えられているようです。

福岡、熊本、佐賀などの有明海では「メガジャ」とも呼ばれています。
腕足類の中で唯一、食用として煮付けや味噌汁などとして食されています。

『スピリファー(燕石)』翼を広げたツバメのような形から、「燕石(エンセキ)」とも呼ばれています。
殻の表面には放射状の線が入っていて、内部には螺旋状の腕骨があります。

中国医学の漢方では「石燕(セキエン)」という薬名で治療薬として用いられています。
この燕石、昔はツバメが石になったと信じられていました。
また酢の中に入れるとオスの石とメスの石が追いかけ回るとも言い伝えられています。
実際に燕石の一部を塩酸などに浸すと、生きているかのように泡を吹いて動いたそうです。
不思議ですよね!

なぜこのような現象になるか・・・。
そのからくりは、石炭質だった殻が石になることで、炭酸カルシウムになったため、
酸と反応して二酸化炭素の泡を噴出したからなのです。

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ドミニカ産の琥珀の特徴

ドミニカ産琥珀は、ほとんどのものが透明で、さまざまな色があります。
黄色やオレンジ色に近い色が多く、緑や青色を帯びているものも中にはあます。
その美しさから宝石として加工されることも多く、虫入りの琥珀も人気があります。

ドミニカの琥珀の中に閉じ込められている昆虫は、バルティック琥珀のものより
豊富な種類が存在するといわれています。
研究者によると、バルティック地に住む昆虫は約1万種、ドミニカで発見される種は
約2万種いるのではないかとされています。

なぜなら、ドミニカの地は熱帯のサバナ気候に属しているので
さまざまな種が繁栄しやすいと考えられるからです。
ただし、中に入っている昆虫で現在わかっている種類に関しては、
バルティック産のほうが多く、約5000種の昆虫が同定できています。

これに対し、ドミニカ産の昆虫はまだ100種くらいしか同定されていません。
この理由は、ドミニカ産琥珀の研究が、たった数十年前から始まったことに起因しています。
今後、研究が進むと、虫の種類ももっと明らかになっていくことでしょう。

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あの有名人が発見!ドミニカ産琥珀

カリブ海に浮かぶ西インド諸島の中に、グレート・アンチル諸島という島々があります。
この中の1つにエスパニョーラ島という、世界の島の中で23番目に大きい島があります。
この島の2/3の面積がドミニカ共和国です。

ドミニカ共和国はヨーロッパのバルティック琥珀とならび、世界でも有数の琥珀産地です
。ドミニカの琥珀を最初に発見した人物をご存知でしょうか?

それは、クリストファー・コロンブスです。

琥珀を発見したクリストファー・コロンブス

コロンブスといえばあの大航海時代の探検家で、はじめてアメリカ大陸を発見した人物として有名です。

彼がこの島に降り立ったのは、今から500年以上前の1492年です。
それから月日は流れ、ドミニカ産の琥珀が世界的に注目を浴びるようになったのは、1960年頃のことでした。

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マンモスはどんな生き物?

ケナガマンモス

マンモスは、長鼻目ゾウ科マムートス属に分類される絶滅したゾウの仲間です。
その祖先は、今からおよそ400万年前にアフリカからユーラシア大陸に広がり、森林や草原に暮らしていました。
なかでも特によく知られているのは、40万年前にシベリア東部で出現した、
現生のゾウと近縁で体の大きさもほぼ同じケナガマンモスです。

このマンモスは寒冷な気候によく適応していました。
地下深くまで凍ったシベリアの永久凍土地帯では、何万年も前に土砂に埋もれて
死んだマンモスが、永久凍土の大地で凍った状態で保存されています。

シベリアの大地には、地下を紐解くとマンモスの世界が見られるのです。
近年では、ロシアの西シベリアで発掘された生後約半年の冷凍マンモスの
女の子「リューバ」と名付けられたマンモスが注目を浴びています。

3万7000年前のマンモスが完全な形で保存されていました。
リューバは研究の結果、母乳を飲んでいたことがわかりました。
そして何と、成熟した象の糞便を食べていたこともわかりました。

食べた植物の消化を助ける、正常な腸内細菌を育てるためです。
今後さらに研究が進み、マンモスの魅力が私たちに知られていくことでしょう。