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エビの歩き方

エビはチキン質の殻におおわれた節足動物の十脚甲殻類です。(キチン質とは人の消化酵素では
消化されない植物繊維の一種で、体内の有害物質を外へ排泄する働きがあります。)

エビは、桜エビのように泳ぐエビ(遊泳類)と、伊勢エビのように歩くエビ(歩行類)に分けられます。
一般に漢字では遊泳類のエビに「蝦」が、歩行類のエビに「海老」の字が使われています。
またエビの色が葡萄の色に似ていることから、「葡萄」を「エビ」とも呼びます。

突然ですが『メゾンクリーク』という言葉を聞いたことがありますか?
メゾンクリークというのは、古生代の石炭紀後期(約3億年前)に形成された層で、
アメリカイリノイ州にある化石産地です。

ここでは多種多様な甲殻類がみつかっていて、そエビ型の体形のものが多く見つかっています。
2011年、メゾンクリークのあるイリノイ州から約1000kmほど離れたオクラホマ州で新たな化石が発見されました。
その化石は、約3億6000万年前の長さ8㎝ほどの最古のエビ類の化石でした。

最古のエビ類の化石は発見者の名前などから「アキクロポーダ・マペシ」と名付けられました。
この化石は、とても保存状態のいい形でみつかったそうです。
なぜ保存状態がよかったのでしょう?

それは、死後すぐに、酸性で酸素の少ない海底に埋もれたからと考えられています。
酸素が少ないと、細菌が生きられないため、生物自体の腐敗が進みにくく、結果良い保存状態の化石となるのです。

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人物・植物 新生代

ドミニカ産の琥珀の特徴

ドミニカ産琥珀は、ほとんどのものが透明で、さまざまな色があります。
黄色やオレンジ色に近い色が多く、緑や青色を帯びているものも中にはあます。
その美しさから宝石として加工されることも多く、虫入りの琥珀も人気があります。

ドミニカの琥珀の中に閉じ込められている昆虫は、バルティック琥珀のものより
豊富な種類が存在するといわれています。
研究者によると、バルティック地に住む昆虫は約1万種、ドミニカで発見される種は
約2万種いるのではないかとされています。

なぜなら、ドミニカの地は熱帯のサバナ気候に属しているので
さまざまな種が繁栄しやすいと考えられるからです。
ただし、中に入っている昆虫で現在わかっている種類に関しては、
バルティック産のほうが多く、約5000種の昆虫が同定できています。

これに対し、ドミニカ産の昆虫はまだ100種くらいしか同定されていません。
この理由は、ドミニカ産琥珀の研究が、たった数十年前から始まったことに起因しています。
今後、研究が進むと、虫の種類ももっと明らかになっていくことでしょう。

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人物・植物 新生代

あの有名人が発見!ドミニカ産琥珀

カリブ海に浮かぶ西インド諸島の中に、グレート・アンチル諸島という島々があります。
この中の1つにエスパニョーラ島という、世界の島の中で23番目に大きい島があります。
この島の2/3の面積がドミニカ共和国です。

ドミニカ共和国はヨーロッパのバルティック琥珀とならび、世界でも有数の琥珀産地です
。ドミニカの琥珀を最初に発見した人物をご存知でしょうか?

それは、クリストファー・コロンブスです。

琥珀を発見したクリストファー・コロンブス

コロンブスといえばあの大航海時代の探検家で、はじめてアメリカ大陸を発見した人物として有名です。

彼がこの島に降り立ったのは、今から500年以上前の1492年です。
それから月日は流れ、ドミニカ産の琥珀が世界的に注目を浴びるようになったのは、1960年頃のことでした。

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人物・植物

シダ植物とは?

シダ植物は、今から約4億2000万年前(シルル紀後期)から知られる最古の陸上植物です。
シダ植物は、種は作らず胞子で繁殖する植物で、茎の中に維管束をもつ特徴があります。

維管束というのは、茎の中を縦に通る管のことです。
維管束は、シダ植物と種子植物がもっていて、水分や養分を体内に運ぶ役目をしています。
それに加え、植物の体を自体を支える役目もはたしています。

シダ植物は漢字で「羊歯」や「歯朶」と書きます。
漢字の由来は「羊の歯に似ているため」や「歯形のような葉で垂れ下がっているため」など様々です。
現在、世界では約1万種、日本では約700種が生存しています。

多くの種類があるシダ植物ですが、大きさも様々で、体長も数㎝の小型のものから
葉の長さが3m以上に達するものもあります。
多くは地下茎から葉を広げる背の低い植物ですが、熱帯や亜熱帯地域では、
ヤシのように大きく成る木のようなシダもみられます。

シダ植物は高温多湿の日陰を好むものが多いのですが、ワラビやミズスキなどのように
日当りがよく乾燥した場所を好むシダ植物もいます。

世界最古の植物とされるシダ植物ですが、現在は空気清浄能力、ホルムアルデヒドの
除去などといった室内環境を快適に保つ観葉植物として人気があります。
(ホルムアルデヒド=家具や建築材料、壁紙を貼るための接着剤や塗料
などの内装材に含まれている科学物質のひとつ)

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人物・植物

大陸移動説を証拠づける植物「グロソップテリス」

1912年ドイツの気象学者アルフレッド・ウェゲナーが発表した「大陸移動説」に
よると、今からおよそ2億5000万年前、地球は北部のローラシアと南部のゴンド
ワナの2大陸から構成された「パンゲア」というとても大きな大陸でした。

ペルム紀の植物化石グロッソプテリス

「パンゲア」とはギリシャ語で「広い大陸」や「すべて大陸」を意味します。
南部のゴンドワナは、現在の南米、アフリカ、インド、オーストラリア、南極など
が集まった大陸でつくられていたとされています。

このゴンドワナの地域から見つかる植物化石をゴンドワナ植物といい、
その代表とされる植物が『グロソップテリス』です。

グロソップテリスは「舌のような葉」という意味です。

舌のような葉の意味をもつグロッソプテリス

グロッソプテリスはペルム紀〜三畳紀に栄えたシダ状の裸子植物で、
湿った土地に生えていました。
その名のとおり、舌のような形をした大きな葉が特徴で、葉と向き合うように繁殖器官がついていました。
葉の大きさは最大30㎝で(なかには1mにもなったものもあるそうです。)高さは平均8mでした。

グロソップテリスの化石産地では、産出化石のほとんどが
グロソップテリスのみで、他の植物が混じっていることがないため、
単独で林をつくっていたと考えられています。

ゴンドワナ植物の代表、グロッソプテリス

グロソップテリスが大陸移動説の証拠のひとつとされるのは、
現在は海に隔てられているそれぞれの大陸で、裸子植物の
グロソップテリスの化石が見つかっているためです。

胞子を風にとばし増える植物とは違い、グロッソプテリスなどの裸子植物は
種によって子孫が増えるため、大陸は続いていたと考えられるのです。

もちろん、海流によって種が運ばれたのではないか、とも考えられたのですが、
裸子植物の種は塩分の強い海水に浮かんでいることはできないため、
海流で種が運ばれることはないようです。

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人物・植物

古い琥珀がみつかるイギリス地方

ワイト島という名前の島をごぞんじでしょうか。
ワイト島はイギリス本土(グレートブリテン島)から狭い海峡を経た南方に位置する島です。

この島は白亜紀前期の最も古い虫入り琥珀が産出することで有名です。
何と1億3000万年も前の虫が琥珀のなかに存在するのです。

ワイト島の琥珀はどちらかというと褐色で、黄色い透明なうず模様があるものが見られます。
この島の琥珀からは、昆虫や黄鉄鉱、また植物の一部が多く含まれています。
これより古いとなると、イギリスの本土、南東部に位置するイースト・サセックスの
ヘイスティングという地が有名です。

ここからは、約1億4000万年前の琥珀が見つかっています。こちらは昆虫は内包していません。

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人物・植物

琥珀の本物とニセモノの見分け方

美しい色彩の化石、琥珀

樹脂からできた美しい化石、琥珀。
琥珀は肌になじみやすく、古くから人類が珍重してきた人気ある化石です。
主には、装飾品としても使われてきましたが、
多くのニセモノが出回っている事実があります。

琥珀が本物かニセモノであるか、簡単にテストすることができます。
主に4つの方法があります。

1つ目は、アルコールをつけてみること。
ねばねばすれば、それはコーパルです。

2つ目は、飽和食塩水を作って、浮くかどうか試してみること。
琥珀、コーパル、スチレン樹脂でできたものは浮きますが、ガラスやプラスチック、
セルロイド、カゼイン、フェノール樹脂等でできたものは沈みます。

飽和食塩水に浮く琥珀 化石セブンが実験
飽和食塩水に浮く琥珀 化石セブンが実験

3つ目は熱した針金を標本に当ててみること。
琥珀なら刺すような強い樹脂のにおい、コーパルなら
少し甘酸っぱい樹脂のにおいがします。

一方、人工的なものからできたものはプラスチックのような
刺激的なにおいがします。

熱した針金で琥珀を突いて匂いを嗅ぐ 化石セブンが実験
熱した針金で琥珀を突いて匂いを嗅ぐ 化石セブンが実験

最後の4つ目は少し原始的な方法ですが、傷をつけてみることです。
ガラス製なら傷がつきません。
ガラスは硬い物質だからです。
他の物質なら傷がつきます。

ぜったいとは言い切れませんが、このようにして
本物とニセモノを見分ける方法があります。

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絶滅をまぬがれやすい生き物の特徴は?

生きとし生けるものはどの時代も生存競争をして、食べ物や住むところを確保し、
子どもを増やして進化を続けようとするものです。
それでも、地球をおそった5回の大量絶滅をまぬがれなかった生物がたくさんいます。

それでは、絶滅の危機にさらされたとき、
どんな生物が生き残りやすいのでしょうか?
それは、主に3つあります。

世界中の海で広く繁栄したアンモナイト

1つ目は、生息範囲が広いということです。
ある地域が壊滅的な状況に陥っても、生息範囲が広い生き物なら、
別の地域で生き残れる可能性があります。

2つ目は、省エネルギー性の生き物です。
食べる量がすくなかったり、生きていくのに必要なエネルギーが少ないほど、
食べ物がないといった危機にさらされても生き延びる確率が高まります。

3つ目は、同種の個体数が多いということです。
たくさんの死者がでたとしても、同じ種類の仲間が
多く生息していれば、絶滅しにくいのです。

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人物・植物

ハエの触角で琥珀かコーパルかがわかる!?

実験により鑑定される琥珀

琥珀とよく間違えやすいものとしてコーパルがあります。
コーパルもれっきとした化石なのですが、二者の違いは、比較的年が若いものが
コーパルで、完全に化石化したものが琥珀です。(別コラムに記載)

これらを見分けることは大変難しいとされていますが、
見分ける方法はいくつかあります。

もし中に昆虫が入っていたら、しかもハエが入っていたらとてもラッキーです。
なぜならハエの触角によって琥珀かコーパルか
見分けられる可能性があるからです。

琥珀の中には、長い触角をもったハエが多く見られるのですが、
短い触角はまれにしか見られません。

逆に、短い触角のハエはコーパルからよく発見されます。

また、標本にアルコールをつけてみてもその違いが現れます。
アルコールはエタノールなどがよいでしょう。

コーパルは揮発性の成分が含まれるので、
アルコールと反応してねばねばするのです。

一方、揮発成分が全くない琥珀は、ねばねばせず、
表面はつるつるを保ったままです。

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その他

大量絶滅後の生物の繁栄

大量絶滅を生き残った生物にとっては、絶滅後の世界は繁栄する
絶好の機会ともいえます。

自分たちが生存競争に勝ち抜いたあと、敵がいない状態で数を増やし
繁栄できる生き物もいるからです。

フズリナ

ペルム紀末の大量絶滅では三葉虫やフズリナ、貝類などの海に住む無脊椎動物が
姿を消しました。

三畳紀には魚竜や首長竜が繁栄します。

陸では、ワニ類が繁栄し、三畳紀末にははちゅう類の中から原始的な恐竜が現れ、
その数を増やしていきました。