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琥珀の中間地点は「コーパル」!?

分子同士が強く結合した琥珀

琥珀のもとである樹脂は、油の成分やアルコール、
そして酸によって構成されています。
また没薬(もつやく)とも呼ばれるミルラ、乳香(にゅうこう)
といった、においを放つ物質をもっています。
これらの成分は揮発性(きはつせい)物質と呼ばれています。

揮発性物質というのはかんたんに蒸発しやすい物質のことで、
樹脂から気体となって抜け出てしまいます。
そうするうちに、樹脂を作っている分子同士は互いに手をつなぎ結合して、
より大きな分子になっていき、重合体(ポリマー)とよばれる
有機化合物へと姿を変えていきます。

こうやってどんどん硬くなっていったものが
「コーパル(copal)」とよばれる物質です。
コーパルはメキシコ語の「コパリ(copalli)」が語源で、
「樹脂」を意味する言葉です。

コーパルも、もちろん化石に他なりませんが、比較的若い樹脂化石といった
ところで、分子同士の結合がまだ弱く、揮発性の成分が少し残っています。

物理的にはまだ不安定で、熱にも150℃くらいで溶けるのがコーパルの特徴です。
その後、コーパルが揮発性の成分をとことん失って、
分子同士がより強く結合したら、やっと琥珀となるのです。
琥珀には揮発成分は全くないので、それ以上変化するということはありません。