カテゴリー
人物・植物

琥珀の本物とニセモノの見分け方

美しい色彩の化石、琥珀

樹脂からできた美しい化石、琥珀。
琥珀は肌になじみやすく、古くから人類が珍重してきた人気ある化石です。
主には、装飾品としても使われてきましたが、
多くのニセモノが出回っている事実があります。

琥珀が本物かニセモノであるか、簡単にテストすることができます。
主に4つの方法があります。

1つ目は、アルコールをつけてみること。
ねばねばすれば、それはコーパルです。

2つ目は、飽和食塩水を作って、浮くかどうか試してみること。
琥珀、コーパル、スチレン樹脂でできたものは浮きますが、ガラスやプラスチック、
セルロイド、カゼイン、フェノール樹脂等でできたものは沈みます。

飽和食塩水に浮く琥珀 化石セブンが実験
飽和食塩水に浮く琥珀 化石セブンが実験

3つ目は熱した針金を標本に当ててみること。
琥珀なら刺すような強い樹脂のにおい、コーパルなら
少し甘酸っぱい樹脂のにおいがします。

一方、人工的なものからできたものはプラスチックのような
刺激的なにおいがします。

熱した針金で琥珀を突いて匂いを嗅ぐ 化石セブンが実験
熱した針金で琥珀を突いて匂いを嗅ぐ 化石セブンが実験

最後の4つ目は少し原始的な方法ですが、傷をつけてみることです。
ガラス製なら傷がつきません。
ガラスは硬い物質だからです。
他の物質なら傷がつきます。

ぜったいとは言い切れませんが、このようにして
本物とニセモノを見分ける方法があります。

カテゴリー
その他

絶滅をまぬがれやすい生き物の特徴は?

生きとし生けるものはどの時代も生存競争をして、食べ物や住むところを確保し、
子どもを増やして進化を続けようとするものです。
それでも、地球をおそった5回の大量絶滅をまぬがれなかった生物がたくさんいます。

それでは、絶滅の危機にさらされたとき、
どんな生物が生き残りやすいのでしょうか?
それは、主に3つあります。

世界中の海で広く繁栄したアンモナイト

1つ目は、生息範囲が広いということです。
ある地域が壊滅的な状況に陥っても、生息範囲が広い生き物なら、
別の地域で生き残れる可能性があります。

2つ目は、省エネルギー性の生き物です。
食べる量がすくなかったり、生きていくのに必要なエネルギーが少ないほど、
食べ物がないといった危機にさらされても生き延びる確率が高まります。

3つ目は、同種の個体数が多いということです。
たくさんの死者がでたとしても、同じ種類の仲間が
多く生息していれば、絶滅しにくいのです。

カテゴリー
人物・植物

ハエの触角で琥珀かコーパルかがわかる!?

実験により鑑定される琥珀

琥珀とよく間違えやすいものとしてコーパルがあります。
コーパルもれっきとした化石なのですが、二者の違いは、比較的年が若いものが
コーパルで、完全に化石化したものが琥珀です。(別コラムに記載)

これらを見分けることは大変難しいとされていますが、
見分ける方法はいくつかあります。

もし中に昆虫が入っていたら、しかもハエが入っていたらとてもラッキーです。
なぜならハエの触角によって琥珀かコーパルか
見分けられる可能性があるからです。

琥珀の中には、長い触角をもったハエが多く見られるのですが、
短い触角はまれにしか見られません。

逆に、短い触角のハエはコーパルからよく発見されます。

また、標本にアルコールをつけてみてもその違いが現れます。
アルコールはエタノールなどがよいでしょう。

コーパルは揮発性の成分が含まれるので、
アルコールと反応してねばねばするのです。

一方、揮発成分が全くない琥珀は、ねばねばせず、
表面はつるつるを保ったままです。

カテゴリー
その他

大量絶滅後の生物の繁栄

大量絶滅を生き残った生物にとっては、絶滅後の世界は繁栄する
絶好の機会ともいえます。

自分たちが生存競争に勝ち抜いたあと、敵がいない状態で数を増やし
繁栄できる生き物もいるからです。

フズリナ

ペルム紀末の大量絶滅では三葉虫やフズリナ、貝類などの海に住む無脊椎動物が
姿を消しました。

三畳紀には魚竜や首長竜が繁栄します。

陸では、ワニ類が繁栄し、三畳紀末にははちゅう類の中から原始的な恐竜が現れ、
その数を増やしていきました。

カテゴリー
その他

P/T境界って何?

よく、化石の話題の中にP/T境界という言葉がでてきますが、
一体何を意味する言葉でしょうか?

Pは「Permian」の頭文字で、ペルム紀のことを、
Tは「Triassic」の頭文字で三畳紀のことを表しています。

ペルム紀は古生代といわれる地層区分の最後の時代、
三畳紀は恐竜が活躍する中生代といわれる最初の時代を示しています。

要は、「古生代と中生代を分ける境目」を意味する言葉がP/T境界です。

ペルム紀と三畳紀の境目部分の地層ははっきりと区別できます。
なぜなら三畳紀の地層は黒っぽい色をしているからです。
地層が黒い理由として、絶滅後、おびただしい生き物の死体の分解が追いつかず
降り積もったためだと言われています。

カテゴリー
中生代 恐竜

恐竜羽毛談義

ティラノサウルスには羽毛があった!?

近年、ティラノサウルスには大人の体にも羽毛があったとの報告がされ、
世間を賑わせていますが、恐竜の体をおおう羽毛の役割は一体
どんなものなのでしょうか?

鳥類は恐竜が進化したものであるといわれていて、鳥類の祖先に近い恐竜には、
羽毛の生えたものも多く見られます。

でも、「飛ぶ」という目的だけで羽毛が生えたわけではなかったようです。
羽毛には次の4つの役割があるとされています。

1つ目は、体温を守るということです。
ちょうど真冬に着るダウンジャケットのように、全身に羽毛ぶとんがあれば、
体を冷やすことなく体温が保たれるため、恐竜は羽毛を蓄えていたとされています。

2つ目は卵を守るという役割です。
有名な恐竜にオビラプトルが挙げられます。
羽を広げて卵を守ることで、子孫を繁栄させるよう工夫していたのでしょう。

3つ目は異性への性的アピールや敵を威嚇する役割です。
羽毛のあるので有名な恐竜は、中国で発掘されたカウディプテリクスです。
全身が羽毛に覆われてた彼らは現生の孔雀のように尻尾に長いかざり羽がありました。

4つ目は飛行する役割です。
有名な恐竜は最小恐竜の1つと言われるミクロラプトルで、
彼らは前足、後ろ足どちらにも長い羽毛を生やしていました。
木から木へ飛びながら移動していたのではないかと考えられています。

カテゴリー
中生代 恐竜

恐竜の重さを測ろう!

アフリカ大陸のプレデターカルカロドントサウルス
アフリカ大陸のプレデターカルカロドントサウルス

絶滅した恐竜なのに、どうして体重がわかるのか、不思議に思ったことはありませんか?
身は残らず骨だけが残った恐竜の化石からでも、恐竜の全身像を
推測することでだいたいの体重も知ることができます。

その方法は次のとおりです。

まず、見つかった骨のサイズなどから、恐竜の全身像を割り出します。
そして全身像の模型をミニサイズで正確に作ります。
全身像がわかれば、体積を求めた後に、実際の大きさまで戻して計算すると体重がわかります。
(恐竜の比重は一般的に水に近い1と考えられているので、比重1で1cm3あたりの重さを計算します。)

はじめに水が入った容器にミニ恐竜を沈めて、体積をはかります。
例えば恐竜の40分の1のミニ恐竜を用意して、
水が入った容器に沈めると、80ml水の量が増えたとします。

この80ml増えた水の量がミニ恐竜の体積です。
80ml増えたのですから、80ml×40×40×40=512万mlが実際の恐竜の体積です。
1mlを1gとすると、512万g=5120kg=5.12トンとなります。

実際の恐竜の推定体重は5.12トンだとわかるというわけです。
もっとも、模型のサイズの正確性によって数値は前後がありますし、
比重の違いによっても推定体重は変わってくる場合があります。

カテゴリー
人物・植物

琥珀の利用法

琥珀は色が綺麗、軽い、柔らかいといった理由から、ペンダントや指輪、
ネックレスなど宝石装飾品として昔から人々に利用されてきました。

虫入り琥珀(Amber)

北海道で出土した琥珀の玉は約2万年前のもので、
アジア最古の出土例として有名です。

人類が最初に利用した宝石が琥珀ではないかともされています。

琥珀は、文字を使用する前の時代(先史時代)には、外敵をまもる
目的で身につける魔除けの装身具として利用されていました。

中世にはキリスト教の数珠にあたるロザリオや、
祭壇の装飾にも頻繁に使われていました。

日常的なものとしては、サイコロや羽ペンホルダー、パイプの柄
やカップ、ゲーム盤などにも多岐に渡って利用されたようです。

琥珀のチェス駒なんて、とても贅沢な感じですね。

カテゴリー
人物・植物

琥珀の産地

琥珀は樹の樹脂が化石化したものですから、世界中で産出します。
でも、埋蔵量は少なく、質が高いものがとれるのはごくわずかです。

手のひらサイズのドミニカ産琥珀

宝石や化石として商業的に利用できる産地はある程度限られてきます。
最も有名な産地はバルト海沿岸とドミニカ共和国、そしてポーランドやロシアです。
世界の約85%の琥珀は、ポーランドのグダンスク沿岸と
ロシアのカリーニングラード州地域から産出しているといわれています。

他にはミャンマーやメキシコ、カナダ、メキシコ、日本等も琥珀の産地です。
日本の産地は岩手県久慈市や千葉県銚子市が有名です。
これら2県の琥珀は白亜紀の地層から見つかります。

カテゴリー
人物・植物

琥珀の名前いろいろ

琥珀の漢字に充てられている「琥」という文字に虎という字が入っているのは
その色からきています。

トラのような色、アンバー(琥珀)

中国では、虎が死んだ後、魂が石になって琥珀となると考えられてきたのです。
琥珀は英語名で「アンバー(Amber)」といいます。
これは、古代アラビア語の「アンバール」から由来するもので、
「海にただようもの」という意味があります。

実際、琥珀の比重は1.04~1.10で、比重1.0の水と比べると少しだけ重いのですが、
琥珀の中には気胞を含むものもあるので、その場合は水中に漂います。