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ゾルンフォーフェン化石(その1)

ラガシュテッテン(Fossil.Lagerstatten)という言葉を知っていますか?

日本語では「化石鉱脈」や「化石鉱床」といいます。
きわめて保存状態のよい化石が多く産出される場所をさした言葉です。

ドイツの南部に「ゾルンフォーフェン」という小さな町があります。
この町はラガシュテッテンとして特に有名で、化石好きな人で知らない人はいないほどです。
まず、この町が化石の産地として有名になったのが始祖鳥の化石の発見でした。

始祖鳥ことアーケオプテリクス

 1860年、ゾルンフォーフェンで世界最初の始祖鳥の化石が発見されました。
始祖鳥は現在発見されている鳥類の化石のなかで世界最古のものとして知られています。
この始祖鳥の化石は、これまで何度も発見されており、
なかには羽毛までついたほぼ完璧なものまでありました。

もともと「ゾルンフォーフェン石炭岩」とよばれる石炭岩は建築用石材でした。
良質の石炭岩は粒子が細かく硬いため昔から建築材料として使用されていたようです。
18世紀末、その特徴が石版印刷に最適であることが発見され「リトグラフ(石版画)」が開発されました。

今でも建築材料として使用されていて日本にも輸入されています。
家の庭に用いられたり、町のなかでみることもできます。
なかには化石の入ったものもあるそうなので皆さんも探してみてはいかがでしょうか?

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まるで大型の戦車!アンキロサウルス

アンキロサウルス
アンキロサウルス

アンキロサウルスは白亜紀後期、北アメリカ大陸に生息していた
装盾類とよばれる草食恐竜です。

アンキロサウルスは頭のてっぺんから尾の先まで骨の融合によって
カチカチになった装甲で覆われていました。
いわば、中世の騎士がまとった甲冑のように、全身防御された体でした。

アンキロサウルスのサイズは、肉食恐竜アロサウルスと同じくらいの10mにも及び、
縦の長さだけでなく、横の幅も広かったことで知られています。
成人男性が横になっても及ばないくらいの幅広サイズで、約2mもありました。

よろい竜アンキロサウルスの最大の特徴は尾の先端についたハンマーです。こ
れを水平にもちあげ、骨の塊となっている先端部分を振り回して肉食恐竜などから身を守っていました。
背中にある装甲は、じつは中は空洞で、軽量化をはかっていました。
だから、見かけよりは軽いのです。

アンキロサウルス装甲化石(Ankylosaurus)

この装甲、皮膚から発達したものですが、とても硬くなったものなので化石としては残りやすいのです。
アンキロサウルスの「アンキロ(Ankylo)」は「直結した」とか「融合した」「連結した」という意味です。
これは、骨の融合によって体が強化された恐竜という意味合いを示しています。

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角竜が生息した場所は北半球

角竜といえば、アジアと北アメリカといった北半球のみで発掘されていますが、
なぜ、南半球では見つからないのでしょう?

プロトケラトプス
プロトケラトプス

その答えは、角竜類が繁栄していた白亜紀の地球の地形にあります。
白亜紀、アジアと北アメリカは地続きのところがあったり、海があっても浅かったので、
恐竜たちは大陸を移動することが可能でした。

一方、南半球の南アメリカやアフリカは大きく深い海によって
隔てられていたので、移動することができなかったと言われています。

とても単純な答えですが、当時の地球の様子を知る手掛かりにもなって、面白いですね。

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恐竜羽毛談義

ティラノサウルスには羽毛があった!?

近年、ティラノサウルスには大人の体にも羽毛があったとの報告がされ、
世間を賑わせていますが、恐竜の体をおおう羽毛の役割は一体
どんなものなのでしょうか?

鳥類は恐竜が進化したものであるといわれていて、鳥類の祖先に近い恐竜には、
羽毛の生えたものも多く見られます。

でも、「飛ぶ」という目的だけで羽毛が生えたわけではなかったようです。
羽毛には次の4つの役割があるとされています。

1つ目は、体温を守るということです。
ちょうど真冬に着るダウンジャケットのように、全身に羽毛ぶとんがあれば、
体を冷やすことなく体温が保たれるため、恐竜は羽毛を蓄えていたとされています。

2つ目は卵を守るという役割です。
有名な恐竜にオビラプトルが挙げられます。
羽を広げて卵を守ることで、子孫を繁栄させるよう工夫していたのでしょう。

3つ目は異性への性的アピールや敵を威嚇する役割です。
羽毛のあるので有名な恐竜は、中国で発掘されたカウディプテリクスです。
全身が羽毛に覆われてた彼らは現生の孔雀のように尻尾に長いかざり羽がありました。

4つ目は飛行する役割です。
有名な恐竜は最小恐竜の1つと言われるミクロラプトルで、
彼らは前足、後ろ足どちらにも長い羽毛を生やしていました。
木から木へ飛びながら移動していたのではないかと考えられています。

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恐竜の重さを測ろう!

アフリカ大陸のプレデターカルカロドントサウルス
アフリカ大陸のプレデターカルカロドントサウルス

絶滅した恐竜なのに、どうして体重がわかるのか、不思議に思ったことはありませんか?
身は残らず骨だけが残った恐竜の化石からでも、恐竜の全身像を
推測することでだいたいの体重も知ることができます。

その方法は次のとおりです。

まず、見つかった骨のサイズなどから、恐竜の全身像を割り出します。
そして全身像の模型をミニサイズで正確に作ります。
全身像がわかれば、体積を求めた後に、実際の大きさまで戻して計算すると体重がわかります。
(恐竜の比重は一般的に水に近い1と考えられているので、比重1で1cm3あたりの重さを計算します。)

はじめに水が入った容器にミニ恐竜を沈めて、体積をはかります。
例えば恐竜の40分の1のミニ恐竜を用意して、
水が入った容器に沈めると、80ml水の量が増えたとします。

この80ml増えた水の量がミニ恐竜の体積です。
80ml増えたのですから、80ml×40×40×40=512万mlが実際の恐竜の体積です。
1mlを1gとすると、512万g=5120kg=5.12トンとなります。

実際の恐竜の推定体重は5.12トンだとわかるというわけです。
もっとも、模型のサイズの正確性によって数値は前後がありますし、
比重の違いによっても推定体重は変わってくる場合があります。

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竜脚類の一日の食事量

スーパーサウルス一日の食事量は?

みなさんは一日にどれくらいの量の食事をとるでしょうか?
一日の食事量は、子どもか大人かなどの年齢によって異なったり、肉体労働や
スポーツをしているか、あるいはあまり動かないかなどのエネルギー消費量によって変わります。

まさか「1日200kgのご飯を食べました!」という人はいないでしょう。
1日150kgや200kgも食べる動物には象がいます。
彼らの体重はおよそ5トン程度です。

それでは体重40トンと推定される恐竜、スーパーサウルスの一日の食事量はどうだったでしょうか?
計算によると約300kg~500kg程度にもなるそうです。
食料調達が大変そうですね。

でも、これはスーパーサウルスが内温性の恐竜の場合の計算です。
「内温性」とは、食べたものから熱を作り出す機能をもつ性質です。
これだと、活動をするために沢山食べないと体が維持できません。

一方、スーパーサウルスがもし外温性の恐竜だった場合は、食べたものから熱を作り出す
必要がないので、食事の量は象と比べても、ぐっと減らすことができたと考えられています。

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巨大化に欠かせない骨の軽量化

アパトサウルス
アパトサウルス

恐竜といえばその大きな体をのっしのっしと動かし地響きをしながら
移動するイメージを持っている人もいるかもしれません。

恐竜は実際、小さいサイズから大きいものまで存在しましたが、
恐竜が大きくなるには体の構造に工夫が必要だったようです。
それは体を「軽量化」するということです。

巨大化したのはいいけれど、自分の体が重すぎて歩けなくなった、
なんてことがあったら困りますよね。
竜脚類を例にあげましょう。

竜脚類は全長が20m~30mもある、巨大な首の長い恐竜たちで、
ディプロドクスやブラキオサウルス、スーパーサウルスなどが有名です。

体が大きくなった理由としては、地球が温暖で食べ物となる植物が
たくさんあったこと、大きいと高いところにある植物も食べることができ、
敵にも襲われにくいといった有利な点などがあったのでしょう。

竜脚類はどんどん巨大化し、進化いきます。
巨大化とともに進化したのは、骨の構造です。

背骨の骨には、くぼみや穴ができ、体重を軽くする工夫をしていました。
初期の竜脚類にはこういった骨のくぼみや穴はありませんでした。

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中生代 恐竜

角竜の名前によくみられる「~ケラトプス」って何?

トリケラトプス
トリケラトプス

トリケラトプスやプロトケラトプスなどに共通する語尾の言葉「ケラトプス」。
この言葉はどういう意味なのでしょう?

ケラトプスはCeratopsと表記し、これは2つの語群に分けることがきます。
Cerasは角という意味、opsは顔という意味で、ケラトプスは「角のある顔」という意味になります。

名前に「~ケラトプス」とつく恐竜があれば、顔に角のある恐竜だということがわかります。
「~ケラトプス」は角竜類の仲間につく名前で、最も代表的なのは白亜紀後期に
生息した3本(=トリ)の角を持つ、トリケラトプスです。

他に、「~ケラトプス」とつく恐竜はペンタケラトプス、アンキケラトプスなどがあります。
ちなみに、角竜であっても「~ケラトプス」という名前のつかない恐竜もいます。
たとえば、最大の頭骨を誇っていたトロサウルスや、北アメリカで群れで暮らしていたとされる
セントロサウルス、また初期に現れて角竜で白亜紀前期のアジアにいたとされる
プシッタコサウルスなどです。

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ノドサウルス

ノドサウルスは中生代白亜紀後期にアメリカに生息した曲竜類の草食恐竜です。
ノドサウルスは1995年、アンモナイト化石の収集家・後藤栄治郎氏によって
海成層からノドサウルスの頭骨化石がアジアで初めて発見されました。

この発見は北米を起源とするノドサウルスが陸橋をつたって
北米からアジアへと移動した重要な証拠となっています。

曲竜類は別名、鎧竜ともよばれます。
尾の先に攻撃用のこん棒を持ったアンキロサウルス類と、
重厚な装甲に覆われたノドサウルス類に分かれます。

敵に襲われた時、アンキロサウルス類はこん棒がついた尾を振り回し
敵を倒すことができましたが、武器のないノドサウルスはうずくまって身を守ったようです。

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オルニトミムスのくちばし機能

ダチョウに似た姿で足が速いことから「ダチョウ恐竜」とも呼ばれるオルニトミムスは
白亜紀後期、北米に生息していました。
ダチョウにたとえられる通り、恐竜の中で一番足が速
く時速50〜80km/時で走ったといわれています。

学名のオル二トミムスとは「鳥の模倣社」という意味です。(オルニス=鳥、ミムス=模倣)
1995年カナダのアルバータ州で、とても保存の良い状態のオルニトミムスの化石が発見されました。

頭部の化石を研究したところ、くちばしにはケチラン質の跡や現代のアヒルや
カモと同じ様な柔らかいクシ状の組織があることがわかりました。

この特徴から水中の微生物などをすくい食べていて、
水辺で生活していた濾過食ではないかといわれています。

また、水中の微生物などだけでは十分な量を確保できなかったのではないかという点と
胃に胃石があったことから、植物食や小動物や昆虫などを食べた
雑食だったのではないかともいわれています。

食性については、まだはっきりとした結論は出ていません。