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人物・植物

琥珀の中間地点は「コーパル」!?

分子同士が強く結合した琥珀

琥珀のもとである樹脂は、油の成分やアルコール、
そして酸によって構成されています。
また没薬(もつやく)とも呼ばれるミルラ、乳香(にゅうこう)
といった、においを放つ物質をもっています。
これらの成分は揮発性(きはつせい)物質と呼ばれています。

揮発性物質というのはかんたんに蒸発しやすい物質のことで、
樹脂から気体となって抜け出てしまいます。
そうするうちに、樹脂を作っている分子同士は互いに手をつなぎ結合して、
より大きな分子になっていき、重合体(ポリマー)とよばれる
有機化合物へと姿を変えていきます。

こうやってどんどん硬くなっていったものが
「コーパル(copal)」とよばれる物質です。
コーパルはメキシコ語の「コパリ(copalli)」が語源で、
「樹脂」を意味する言葉です。

コーパルも、もちろん化石に他なりませんが、比較的若い樹脂化石といった
ところで、分子同士の結合がまだ弱く、揮発性の成分が少し残っています。

物理的にはまだ不安定で、熱にも150℃くらいで溶けるのがコーパルの特徴です。
その後、コーパルが揮発性の成分をとことん失って、
分子同士がより強く結合したら、やっと琥珀となるのです。
琥珀には揮発成分は全くないので、それ以上変化するということはありません。

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人物・植物

琥珀になるまでに必要とする時間

樹脂が美しい琥珀になるまでには一体どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
さまざまな研究者の意見が分かれるところですが、およそ数百万年から
数千万年の長い月日をかけて形成されると考えられています。

長い年月をかけて形成される琥珀

半化石状態、琥珀一歩手前のコーパルでは、もう少し短い期間で形成されます。
最近では、樹脂が琥珀となるまでには時間の長さ以外に、地層の体積物がどういう
成分であったか、温度や圧力などの兼ね合いなどがとても重要だということがわかってきました。

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人物・植物

琥珀から虫がみつかるのはなぜ?

琥珀の中に閉じ込められた古代の虫

琥珀は、樹の樹脂が固まって化石化したものです。
しばしば、琥珀の中から、昆虫や植物が見つかるのは、樹脂が土の上に流れ落ちる際に、
虫やその他の生き物たちが一緒に取り込まれてそのまま化石となるからです。

琥珀の中に閉じ込められた虫たちは、非常によい状態で保存されるので、
触覚や羽などが生きた当時のまま見ることができるものもあります。

昆虫や植物が入った琥珀は、まさにその時代を閉じ込めた
タイムカプセルのようなもので、「虫入り琥珀」と呼ばれています。

虫入り琥珀は世界中のコレクターからも人気が高く、かなりの高値で取引されます。

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人物・植物

琥珀は何色?

琥珀の色はさまざまですが、透明で黄褐色の色が多く見られます。
琥珀の中にはオレンジがかったもの、緑色のもの、
透き通っていないものなど、産地によってさまざまです。

透き通った茶~オレンジ色の琥珀

純色でいう琥珀色とは、黄色と橙色の中間色をさしています。
ちょうど琥珀飴のような、透き通った黄色がかった色が琥珀の代表的な色です。

琥珀の構造は、炭素が79%、酸素が11%、水素が10%、
そして硫黄を少し含んでいます。

 

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人物・植物

琥珀(こはく)って何?

琥珀(こはく)は、樹脂(じゅし)とよばれるものが長い時間をかけて化石になったものです。
では樹脂とは何か?

元は樹脂である琥珀

樹脂は樹液(じゅえき)が木の外に出たときに固まったものです。
樹液とは、木の中心部分で作られ、栄養物を運ぶ液体です。

この樹液、木の皮が裂けたりして中身がむきだしになった際に、
木を守ろうとしてネバネバとした液体となって出てきます。

ネバネバ状の液体であるのは、木から病気の元となる物質を入れないようにしたり、
虫たちが木の中に入ってくるのを避けるようにするためです。
ちょうど、みなさんが擦り傷を作ったときに、傷口に軟膏をぬったり、
消毒液をかけて皮膚の健康を守るのと似ていますね。

まとめると、次の通りです。

樹液が樹皮からにじみ出て、硬くなったものが樹脂です。
木の皮が避けたり、枝が折れたりして出てきた樹脂が、地面に落ちます。

土にだんだん樹脂がたまっていき、ある地層の中で数百万年、
数千万年の間にじっくり化石化すると琥珀になるというわけです。

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中生代 恐竜

竜脚類の一日の食事量

スーパーサウルス一日の食事量は?

みなさんは一日にどれくらいの量の食事をとるでしょうか?
一日の食事量は、子どもか大人かなどの年齢によって異なったり、肉体労働や
スポーツをしているか、あるいはあまり動かないかなどのエネルギー消費量によって変わります。

まさか「1日200kgのご飯を食べました!」という人はいないでしょう。
1日150kgや200kgも食べる動物には象がいます。
彼らの体重はおよそ5トン程度です。

それでは体重40トンと推定される恐竜、スーパーサウルスの一日の食事量はどうだったでしょうか?
計算によると約300kg~500kg程度にもなるそうです。
食料調達が大変そうですね。

でも、これはスーパーサウルスが内温性の恐竜の場合の計算です。
「内温性」とは、食べたものから熱を作り出す機能をもつ性質です。
これだと、活動をするために沢山食べないと体が維持できません。

一方、スーパーサウルスがもし外温性の恐竜だった場合は、食べたものから熱を作り出す
必要がないので、食事の量は象と比べても、ぐっと減らすことができたと考えられています。

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中生代 恐竜

巨大化に欠かせない骨の軽量化

アパトサウルス
アパトサウルス

恐竜といえばその大きな体をのっしのっしと動かし地響きをしながら
移動するイメージを持っている人もいるかもしれません。

恐竜は実際、小さいサイズから大きいものまで存在しましたが、
恐竜が大きくなるには体の構造に工夫が必要だったようです。
それは体を「軽量化」するということです。

巨大化したのはいいけれど、自分の体が重すぎて歩けなくなった、
なんてことがあったら困りますよね。
竜脚類を例にあげましょう。

竜脚類は全長が20m~30mもある、巨大な首の長い恐竜たちで、
ディプロドクスやブラキオサウルス、スーパーサウルスなどが有名です。

体が大きくなった理由としては、地球が温暖で食べ物となる植物が
たくさんあったこと、大きいと高いところにある植物も食べることができ、
敵にも襲われにくいといった有利な点などがあったのでしょう。

竜脚類はどんどん巨大化し、進化いきます。
巨大化とともに進化したのは、骨の構造です。

背骨の骨には、くぼみや穴ができ、体重を軽くする工夫をしていました。
初期の竜脚類にはこういった骨のくぼみや穴はありませんでした。

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中生代 恐竜

角竜の名前によくみられる「~ケラトプス」って何?

トリケラトプス
トリケラトプス

トリケラトプスやプロトケラトプスなどに共通する語尾の言葉「ケラトプス」。
この言葉はどういう意味なのでしょう?

ケラトプスはCeratopsと表記し、これは2つの語群に分けることがきます。
Cerasは角という意味、opsは顔という意味で、ケラトプスは「角のある顔」という意味になります。

名前に「~ケラトプス」とつく恐竜があれば、顔に角のある恐竜だということがわかります。
「~ケラトプス」は角竜類の仲間につく名前で、最も代表的なのは白亜紀後期に
生息した3本(=トリ)の角を持つ、トリケラトプスです。

他に、「~ケラトプス」とつく恐竜はペンタケラトプス、アンキケラトプスなどがあります。
ちなみに、角竜であっても「~ケラトプス」という名前のつかない恐竜もいます。
たとえば、最大の頭骨を誇っていたトロサウルスや、北アメリカで群れで暮らしていたとされる
セントロサウルス、また初期に現れて角竜で白亜紀前期のアジアにいたとされる
プシッタコサウルスなどです。

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その他

ウニの形態

ウニは形から大きく二つの仲間に分けられています。
ひとつは丸い形の「正形類」(例:ムラサキウニ、バフンウニなど)、
もうひとつは平らでハート形の「不正形類」(例:タコノマクラ、ブンブクなど)です。

「正形類」は棘皮動物の特徴のひとつで5回回転軸をもつ五角形の構造をもっています。
口が下にあり、肛門が殻の真上あります。
生息場所は岩場が中心で、海底の海藻などを餌として生活しています。

「不正形類」は「正形類」から進化の過程でわかれたものとされています。
大きな違いのひとつに、肛門が殻の真上ではなく体の下後方にあります。

これは泥や砂に潜る生活を送るうえで変化したものです。
もうひとつの違いは、ランタンです。
ランタンがあるものもいるようですが、あっても正形類のように自由自在に動かすことは出来ません。
その為、餌は口のまわりの棘や管足を使って小さな粒子状のものをとって食べます。

この不正形類の棘は一般的により短く、間隔もより狭くなっています。
また管足の一部は穴掘りに使われ、一部は呼吸に使われています。

管足が呼吸に使われているのは正形類でも同じですが、砂などに潜った生活をする不正形類は、
酸素が手に入りにくい状況にあるのでより効率よく酸素を取り入れるための形の工夫がされています。

その形を簡単に説明すると、正形類が円柱のような形をしていていますが、
不正形類は平らな形をしていて酸素のガス交換の面積を大きくとっています。

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新生代

マンモスはどんな生き物?

ケナガマンモス

マンモスは、長鼻目ゾウ科マムートス属に分類される絶滅したゾウの仲間です。
その祖先は、今からおよそ400万年前にアフリカからユーラシア大陸に広がり、森林や草原に暮らしていました。
なかでも特によく知られているのは、40万年前にシベリア東部で出現した、
現生のゾウと近縁で体の大きさもほぼ同じケナガマンモスです。

このマンモスは寒冷な気候によく適応していました。
地下深くまで凍ったシベリアの永久凍土地帯では、何万年も前に土砂に埋もれて
死んだマンモスが、永久凍土の大地で凍った状態で保存されています。

シベリアの大地には、地下を紐解くとマンモスの世界が見られるのです。
近年では、ロシアの西シベリアで発掘された生後約半年の冷凍マンモスの
女の子「リューバ」と名付けられたマンモスが注目を浴びています。

3万7000年前のマンモスが完全な形で保存されていました。
リューバは研究の結果、母乳を飲んでいたことがわかりました。
そして何と、成熟した象の糞便を食べていたこともわかりました。

食べた植物の消化を助ける、正常な腸内細菌を育てるためです。
今後さらに研究が進み、マンモスの魅力が私たちに知られていくことでしょう。