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あの有名人が発見!ドミニカ産琥珀

カリブ海に浮かぶ西インド諸島の中に、グレート・アンチル諸島という島々があります。
この中の1つにエスパニョーラ島という、世界の島の中で23番目に大きい島があります。
この島の2/3の面積がドミニカ共和国です。

ドミニカ共和国はヨーロッパのバルティック琥珀とならび、世界でも有数の琥珀産地です
。ドミニカの琥珀を最初に発見した人物をご存知でしょうか?

それは、クリストファー・コロンブスです。

琥珀を発見したクリストファー・コロンブス

コロンブスといえばあの大航海時代の探検家で、はじめてアメリカ大陸を発見した人物として有名です。

彼がこの島に降り立ったのは、今から500年以上前の1492年です。
それから月日は流れ、ドミニカ産の琥珀が世界的に注目を浴びるようになったのは、1960年頃のことでした。

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シダ植物とは?

シダ植物は、今から約4億2000万年前(シルル紀後期)から知られる最古の陸上植物です。
シダ植物は、種は作らず胞子で繁殖する植物で、茎の中に維管束をもつ特徴があります。

維管束というのは、茎の中を縦に通る管のことです。
維管束は、シダ植物と種子植物がもっていて、水分や養分を体内に運ぶ役目をしています。
それに加え、植物の体を自体を支える役目もはたしています。

シダ植物は漢字で「羊歯」や「歯朶」と書きます。
漢字の由来は「羊の歯に似ているため」や「歯形のような葉で垂れ下がっているため」など様々です。
現在、世界では約1万種、日本では約700種が生存しています。

多くの種類があるシダ植物ですが、大きさも様々で、体長も数㎝の小型のものから
葉の長さが3m以上に達するものもあります。
多くは地下茎から葉を広げる背の低い植物ですが、熱帯や亜熱帯地域では、
ヤシのように大きく成る木のようなシダもみられます。

シダ植物は高温多湿の日陰を好むものが多いのですが、ワラビやミズスキなどのように
日当りがよく乾燥した場所を好むシダ植物もいます。

世界最古の植物とされるシダ植物ですが、現在は空気清浄能力、ホルムアルデヒドの
除去などといった室内環境を快適に保つ観葉植物として人気があります。
(ホルムアルデヒド=家具や建築材料、壁紙を貼るための接着剤や塗料
などの内装材に含まれている科学物質のひとつ)

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大陸移動説を証拠づける植物「グロソップテリス」

1912年ドイツの気象学者アルフレッド・ウェゲナーが発表した「大陸移動説」に
よると、今からおよそ2億5000万年前、地球は北部のローラシアと南部のゴンド
ワナの2大陸から構成された「パンゲア」というとても大きな大陸でした。

ペルム紀の植物化石グロッソプテリス

「パンゲア」とはギリシャ語で「広い大陸」や「すべて大陸」を意味します。
南部のゴンドワナは、現在の南米、アフリカ、インド、オーストラリア、南極など
が集まった大陸でつくられていたとされています。

このゴンドワナの地域から見つかる植物化石をゴンドワナ植物といい、
その代表とされる植物が『グロソップテリス』です。

グロソップテリスは「舌のような葉」という意味です。

舌のような葉の意味をもつグロッソプテリス

グロッソプテリスはペルム紀〜三畳紀に栄えたシダ状の裸子植物で、
湿った土地に生えていました。
その名のとおり、舌のような形をした大きな葉が特徴で、葉と向き合うように繁殖器官がついていました。
葉の大きさは最大30㎝で(なかには1mにもなったものもあるそうです。)高さは平均8mでした。

グロソップテリスの化石産地では、産出化石のほとんどが
グロソップテリスのみで、他の植物が混じっていることがないため、
単独で林をつくっていたと考えられています。

ゴンドワナ植物の代表、グロッソプテリス

グロソップテリスが大陸移動説の証拠のひとつとされるのは、
現在は海に隔てられているそれぞれの大陸で、裸子植物の
グロソップテリスの化石が見つかっているためです。

胞子を風にとばし増える植物とは違い、グロッソプテリスなどの裸子植物は
種によって子孫が増えるため、大陸は続いていたと考えられるのです。

もちろん、海流によって種が運ばれたのではないか、とも考えられたのですが、
裸子植物の種は塩分の強い海水に浮かんでいることはできないため、
海流で種が運ばれることはないようです。

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古い琥珀がみつかるイギリス地方

ワイト島という名前の島をごぞんじでしょうか。
ワイト島はイギリス本土(グレートブリテン島)から狭い海峡を経た南方に位置する島です。

この島は白亜紀前期の最も古い虫入り琥珀が産出することで有名です。
何と1億3000万年も前の虫が琥珀のなかに存在するのです。

ワイト島の琥珀はどちらかというと褐色で、黄色い透明なうず模様があるものが見られます。
この島の琥珀からは、昆虫や黄鉄鉱、また植物の一部が多く含まれています。
これより古いとなると、イギリスの本土、南東部に位置するイースト・サセックスの
ヘイスティングという地が有名です。

ここからは、約1億4000万年前の琥珀が見つかっています。こちらは昆虫は内包していません。

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琥珀の本物とニセモノの見分け方

美しい色彩の化石、琥珀

樹脂からできた美しい化石、琥珀。
琥珀は肌になじみやすく、古くから人類が珍重してきた人気ある化石です。
主には、装飾品としても使われてきましたが、
多くのニセモノが出回っている事実があります。

琥珀が本物かニセモノであるか、簡単にテストすることができます。
主に4つの方法があります。

1つ目は、アルコールをつけてみること。
ねばねばすれば、それはコーパルです。

2つ目は、飽和食塩水を作って、浮くかどうか試してみること。
琥珀、コーパル、スチレン樹脂でできたものは浮きますが、ガラスやプラスチック、
セルロイド、カゼイン、フェノール樹脂等でできたものは沈みます。

飽和食塩水に浮く琥珀 化石セブンが実験
飽和食塩水に浮く琥珀 化石セブンが実験

3つ目は熱した針金を標本に当ててみること。
琥珀なら刺すような強い樹脂のにおい、コーパルなら
少し甘酸っぱい樹脂のにおいがします。

一方、人工的なものからできたものはプラスチックのような
刺激的なにおいがします。

熱した針金で琥珀を突いて匂いを嗅ぐ 化石セブンが実験
熱した針金で琥珀を突いて匂いを嗅ぐ 化石セブンが実験

最後の4つ目は少し原始的な方法ですが、傷をつけてみることです。
ガラス製なら傷がつきません。
ガラスは硬い物質だからです。
他の物質なら傷がつきます。

ぜったいとは言い切れませんが、このようにして
本物とニセモノを見分ける方法があります。

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ハエの触角で琥珀かコーパルかがわかる!?

実験により鑑定される琥珀

琥珀とよく間違えやすいものとしてコーパルがあります。
コーパルもれっきとした化石なのですが、二者の違いは、比較的年が若いものが
コーパルで、完全に化石化したものが琥珀です。(別コラムに記載)

これらを見分けることは大変難しいとされていますが、
見分ける方法はいくつかあります。

もし中に昆虫が入っていたら、しかもハエが入っていたらとてもラッキーです。
なぜならハエの触角によって琥珀かコーパルか
見分けられる可能性があるからです。

琥珀の中には、長い触角をもったハエが多く見られるのですが、
短い触角はまれにしか見られません。

逆に、短い触角のハエはコーパルからよく発見されます。

また、標本にアルコールをつけてみてもその違いが現れます。
アルコールはエタノールなどがよいでしょう。

コーパルは揮発性の成分が含まれるので、
アルコールと反応してねばねばするのです。

一方、揮発成分が全くない琥珀は、ねばねばせず、
表面はつるつるを保ったままです。

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琥珀の利用法

琥珀は色が綺麗、軽い、柔らかいといった理由から、ペンダントや指輪、
ネックレスなど宝石装飾品として昔から人々に利用されてきました。

虫入り琥珀(Amber)

北海道で出土した琥珀の玉は約2万年前のもので、
アジア最古の出土例として有名です。

人類が最初に利用した宝石が琥珀ではないかともされています。

琥珀は、文字を使用する前の時代(先史時代)には、外敵をまもる
目的で身につける魔除けの装身具として利用されていました。

中世にはキリスト教の数珠にあたるロザリオや、
祭壇の装飾にも頻繁に使われていました。

日常的なものとしては、サイコロや羽ペンホルダー、パイプの柄
やカップ、ゲーム盤などにも多岐に渡って利用されたようです。

琥珀のチェス駒なんて、とても贅沢な感じですね。

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琥珀の産地

琥珀は樹の樹脂が化石化したものですから、世界中で産出します。
でも、埋蔵量は少なく、質が高いものがとれるのはごくわずかです。

手のひらサイズのドミニカ産琥珀

宝石や化石として商業的に利用できる産地はある程度限られてきます。
最も有名な産地はバルト海沿岸とドミニカ共和国、そしてポーランドやロシアです。
世界の約85%の琥珀は、ポーランドのグダンスク沿岸と
ロシアのカリーニングラード州地域から産出しているといわれています。

他にはミャンマーやメキシコ、カナダ、メキシコ、日本等も琥珀の産地です。
日本の産地は岩手県久慈市や千葉県銚子市が有名です。
これら2県の琥珀は白亜紀の地層から見つかります。

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琥珀の名前いろいろ

琥珀の漢字に充てられている「琥」という文字に虎という字が入っているのは
その色からきています。

トラのような色、アンバー(琥珀)

中国では、虎が死んだ後、魂が石になって琥珀となると考えられてきたのです。
琥珀は英語名で「アンバー(Amber)」といいます。
これは、古代アラビア語の「アンバール」から由来するもので、
「海にただようもの」という意味があります。

実際、琥珀の比重は1.04~1.10で、比重1.0の水と比べると少しだけ重いのですが、
琥珀の中には気胞を含むものもあるので、その場合は水中に漂います。

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琥珀の中間地点は「コーパル」!?

分子同士が強く結合した琥珀

琥珀のもとである樹脂は、油の成分やアルコール、
そして酸によって構成されています。
また没薬(もつやく)とも呼ばれるミルラ、乳香(にゅうこう)
といった、においを放つ物質をもっています。
これらの成分は揮発性(きはつせい)物質と呼ばれています。

揮発性物質というのはかんたんに蒸発しやすい物質のことで、
樹脂から気体となって抜け出てしまいます。
そうするうちに、樹脂を作っている分子同士は互いに手をつなぎ結合して、
より大きな分子になっていき、重合体(ポリマー)とよばれる
有機化合物へと姿を変えていきます。

こうやってどんどん硬くなっていったものが
「コーパル(copal)」とよばれる物質です。
コーパルはメキシコ語の「コパリ(copalli)」が語源で、
「樹脂」を意味する言葉です。

コーパルも、もちろん化石に他なりませんが、比較的若い樹脂化石といった
ところで、分子同士の結合がまだ弱く、揮発性の成分が少し残っています。

物理的にはまだ不安定で、熱にも150℃くらいで溶けるのがコーパルの特徴です。
その後、コーパルが揮発性の成分をとことん失って、
分子同士がより強く結合したら、やっと琥珀となるのです。
琥珀には揮発成分は全くないので、それ以上変化するということはありません。