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生きた化石「シーラカンス」

シーラカンスは古生代デボン紀に出現し、今から約6500年前(中生代白亜紀末)
に恐竜とともに絶命した古代魚と思われていました。

スピノサウルスに食べられるシーラカンス

しかし、1938年南アフリカで「ラティメリア」(シーラカンス)という現種が発見されると、
その後コモロ諸島周辺で数百〜数千匹がみつかり、1997年にはインドネシアで
別種の「ラティメリア」(インドネシア・シーラカンス)が発見されました。

この2種のシーラカンスは黒に近い濃紺色でインドネシア・シーラカンスが
茶褐色と外見の色は異なりますが大きな違いはありません。

両種とも今では深海に生息していますが、古生代、中生代の頃は
浅瀬の淡水に生息していたといわれています。

シーラカンスの体形や体長は様々なものがあります。
現生種の個体から確認できたことは、他の魚と違い鰾(サメやエイなど
硬骨魚が持つ気体の詰まった袋状の器官)に空気ではなく、海水より
密度の軽い脂肪を蓄えて浮力を得ていたことです。

また、体内に大きくなった卵をもっていたことから「卵胎生」という方法で繁殖することもわかりました。

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人物・植物 古生代

生きた化石「イチョウ」

イチョウの葉
イチョウは裸子植物の一種で「生きている化石」の代表とされています。
現在のイチョウの祖先はペルム期前期(約2.7億年前)に現れた「トリコピティス」です。

トリコピティスは現生のような短枝はなく二またに分かれた葉脈だけの歯でした。
中生代には様々な種類のものが出現し世界中に分布して繁栄しました。

この時代のイチョウのひとつに「バイエラ」があります。
バイエラは現在のものに似ていますが、葉は細かく二またに切れ込んでいました。

中生代末までに多くの恐竜とともにイチョウも滅んでいきました。
北米では1000万年前、ヨーロッパでは200万年前、
日本では100万年前に絶滅したといわれています。
そんな中で唯一滅びず中国で生き残ったのが「ギンゴ」です。

現在、みられるイチョウはこのキンゴで、日本にはその昔
中国から仏教の伝来に伴って移入されたと考えられています。
また一度は絶滅した北米やヨーロッパなどでも人為的な移植により今は見ることができます。

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その他 新生代

小さなコイン「貨幣石」

貨幣石(かへいせき)は新生代第三紀(約6500万年前〜180万年前)
に繁栄していた大型の有孔虫です。
形状が貨幣に似た円形状であることからラテン語の「小さなコイン」
を意味する『ヌムリテス』という名前がつきました。

和名は貨幣石(かへいせき)といい、学名=Nummlites(ヌムリテス)といいます。

貨幣石は生存していた時期が比較的短く、世界各地で
発見されているという点で、示準化石として用いられます。
(示準化石は地層の対比や地質時代決定に役立つ化石のことです。標準化石ともいいます。)

日本では熊本天草や小笠原、西南諸島で発見されています。
星の砂と同じ有孔虫ですが、大きさは非常に大きく直径10㎝を超えるものもあります。
内部はらせん状に規則正しく並んだ無数の室に分かれています。
エジプトのピラミッドで使われた岩石に貨幣石が含まれていたことで有名です。

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砂ではない!?星の砂

沖縄の海や土産物屋で目にする「星の砂」砂という名前がついていますが、

実は砂そのものではありません。

その正体は『バキュロジプシナ』という有孔虫(ゆうこうちゅう)の殻です。

有孔虫とはアメーバーの一種で一つの細胞からなっています。
有孔虫には浮遊するものと底生(ていせい)するものがいて、星の砂は後者にあたります。

珪藻やハプト藻といった名前の藻類と共生しているのです。
その星の砂の生活の場は、この共生藻が光合成を行う為、
サンゴと同じ光の届く浅い海の底です。

また、共生藻の力を借りて海中の二酸化炭素をため、
炭酸カルシウムの殻を作りあげていくのです。

そしてこの炭酸カルシウムの殻は、サンゴとともにサンゴ礁の
生存においてとても重要な役割を果たしています。
星の砂の体長は約数百μm〜数mmで、寿命は一年半ぐらいです。

他に同じ様な有孔虫に「太陽の砂」と呼ばれる『カルカリナ』があります。
『カルカリナ』も『バキュロジプシナ』とともに星の砂の大部分を占める
有孔虫にあたるのですが、中央部がバキュロジプシナより丸く、
突起の先端部が丸みを帯びている事から「太陽の砂」と呼び分けられることがあるのです。

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首長竜は恐竜ではなかった!?

首長竜のひとつエラスモサウルス
首長竜のひとつエラスモサウルス

映画ドラえもん「のび太の恐竜」でピー助のモデルとなった『フタバサウルス』や
ネッシーのモデルとなった『プレシオサウルス』・・・
実は恐竜ではないということを知っていましたか?

『フタバサウルス』や『プレシオサウルス』は、恐竜と同じ時代に
海に住んでいた「首長竜」とよばれる爬虫類なのです。

でも恐竜も爬虫類の仲間。
名前も見た目も恐竜っぽいのに「首長竜」が恐竜でないいわれは何なのでしょうか。

決定的違いは恐竜の代表的特徴である直立歩行が出来ない点です。

また、2011年の夏に米科学誌のサイエンスに、恐竜とは異なる大きな特徴が発表されました。
それは首長竜は卵ではなく赤ちゃんを産んでいたというものです。
恐竜は卵を産んでいたから大きな違いですよね。

この発見は、米カンザス州で1987年に発掘された7800万年前の
大人の首長竜の化石調査でわかりました。
体長4.7メートルの大人の首長竜の腹部に
体長約1.5メートルの胎児の骨が収まっていたのです。

赤ちゃんを産む=胎生。これは古代海生爬虫類にもみつかっています。
例えば、体形がイルカに似ている『イクチオサウルス』は
一度に複数の小さな子供を出産していました。

これは卵を胎内で孵化させてから産み落とす(卵胎生)で、首長竜の出産とは違います。
首長竜は胎内で大きく育てた子供を一度に一頭出産していました。
ただ、この一頭というのは時には双子や三つ子などもあったのでは?と言われています。

そのため、同じクジラやイルカの様に群れをなし大事に
子育てをしていた可能性があるとも言われているのです。

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その他 新生代

言葉の「マンモス」と生き物の「マンモス」

「マンモス」という言葉は、“巨大さ”を表す形容詞として、
われわれ現代人にとってなじみ深い言葉です。
日本でも「マンモス校」や「マンモス都市」といった言葉で用いられています。

「マンモス」には①新生代に生きた巨大なゾウ、という意味と、
②「巨大な」という形容詞の2つの意味があるようです。
一体どっちが先にできた言葉なのでしょうか?

卵が先か、鶏が先か…といった話に似ています。
どうやら正解は①の「新生代に生きたゾウ」のようです。

新生代の巨大生物マンモス 復元CG
新生代の巨大生物マンモス 復元CG

 

マンモスという生物は、あまりに巨大であるため、これが派生して
“巨大さ”を表す形容詞となったのです。
名前そのものから言葉の意味を作ってしまうほど、
人間から見てマンモスは偉大で大きな存在だったのです。

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珪化木と石炭の違い

珪化木と石炭の違いは何でしょう?

珪化木(Petrified wood )

どちらも植物化石なのですが、用途と最終形態があまりに異なります。
シンプルに言うと、木の細胞の中に主にケイ素が満たされたら珪化木、
主に炭素が満たされたら石炭ということになります。

厄介なのは、半々くらいで化石化した半人前もいるということです。
要は、石炭になりそうだったのに、ケイ素も多く、結晶化が進んでカチカチに硬くなってしまった…。
そんな植物化石が多く存在するということです。

石炭を発掘する現場で、珪化木が相当数見つかるのはよくあることのようで、
珪化木は硬いことから発掘のさまたげになり、炭鉱者を悩ます原因になっているようです。

そのような理由から、珪化木のことを、「石炭に成り損ねた木」なんて呼ばれることもあります。
珪化木からすると、何ともショックなネーミングです。
産業的価値からすると、石炭のほうが優位なのかもしれませんが。

炭鉱所の傍らには、鑑賞用には適さず、石炭になることも許されなかった
珪化木のかけらたちが積まれている現実もあるようです。

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人物・植物 古生代

鑑賞用の珪化木は選ばれし者

化石市場に出ている珪化木は色彩が美しい、年輪が確認できるなど、素晴らしいものばかりです。

鑑賞用の珪化木標本(結晶化した石英により色が変化)

産出される全ての珪化木が鑑賞用になればいいのですが、なかなかそうはいきません。

珪化木の中には、保存されたまわりの地質環境などによって、年輪が確認できないものや、
結晶化が進んでおらず色彩のバリエーションが貧弱である、などといった理由から
市場に出ないものが多いのが現実です。

ですから、市場に出て鑑賞用となった珪化木は、かなりのセレクションを
経て存在している、選ばれし者たちともいえます。

「石炭になり損ねた木」なんて言わないで!と、彼らはささやいているかもしれません。
珪化木は世界各地で発見されており、ここ日本でも見られます。
有名な産地は主に、ブラジルやアメリカ、マダガスカルといったところです。

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珪化木と石炭

美しい珪化木は化石コレクターなどに鑑賞用として高い需要があります。

木肌が見える珪化木(Silicified wood またはPetrified wood )

一方、石炭産業の視点からすれば、珪化木をほんの少し邪魔者扱いする声もあるのです。
それはなぜか?

答えは石炭発掘の関係があります。
化石燃料である石炭は、人類が発展していく上で欠かせない物質です。
現在でも世界中のあちこちで発掘され、燃料として使われていますね。

石炭は、主に3億6700万年前から2億8900万年前、大森林が広がっていた
石炭紀といわれる時代(古生代ペルム紀とデボン紀の間の時代)に、
たくさんの植物が腐ることなく地中に埋もれて、最終的に石炭化した物質です。

よく考えると、石炭もりっぱな植物化石なのです。
でも、人類は燃料として使ってきたわけですから、石炭を「化石」として
珍重するといった認識はありません。
鑑賞していても、あまりきれいではないですしね…。

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パワーストーンとしても人気の珪化木

珪化木は、古代の木が二酸化ケイ素という物質に置き換わって結晶化し、化石となったものです。

表面がポリッシュされた美しい珪化木

二酸化ケイ素は結晶化すると「石英(せきえい)」という物質に変わります。
石英は六角形の形をした白い色の結晶を形作りますが、白色だけでなく、
黒や紫、時には黄色といった色も出てくるのが特徴です。

石英の黄色や黒色も鑑賞できる珪化木特に、石英の中でも無色透明なものは
「水晶」と名前がつき、パワーストーンとして大変人気があります。

石英は4月の誕生石でもあり、「神秘、完璧、冷静」といった意味をもっています。
細胞が、美しく神秘的な物質で満たされた木が「珪化木」とも言えます。