2012年、栃木県宇都宮市の鬼怒川河川敷で約1千万年前の
クジラの化石が発見されました。
1千万年前というと中新世の時代、海に進出したクジラ類も
多様化したといわれている時代です。
発見されたクジラは耳の骨の特徴からナガスクジラの一種とみられ、全長約8m、
頭の骨は口先から後頭部までが1.2〜1.4m程度で成体と推定されています。
でも何故、海のない栃木県でクジラの化石が発見されたのでしょうか?
それは1千万年前の関東平野は海底であり、化石が発見された宇都宮は、
内湾により赤潮が発生しやすい状況であったことに起因します。
魚などが住める様な環境ではないおかげで、死んで海底に沈んだクジラが
食い荒らされることなく、また流されにくい内湾の場所であったために、
全身の化石が発見されるに至ったようです。