カテゴリー
アンモナイト 中生代

アンモライト②

ロッキー山脈が走る北米大陸の内陸部にあたるベアパウ層からなぜ、
海中生物であるアンモナイト(のちにアンモライト)が発見されるのでしょうか?

青や紫色は希少とされるアンモライト(Ammolite)

それは、白亜紀当時、北米大陸には内陸に内海が存在したからです。
西部内陸海道(WesternInteriorSeaway)と名付けられた内海は、
白亜紀中期から後期、海進により、ロッキー山脈を境界にして
大陸を東と西に二分する巨大な海でした。

東をアパラチア(Appalachia)大陸、西をララミディア(Laramidia)大陸と
よんでいます。

その後、隆起によって海岸線が後退して、海の中にあった地面が陸上にあらわれて
きます。

いわゆる海退が起こると、アンモナイトは粘土質のベントナイトという層に堆積して
埋もれることになったわけです。

堆積された環境によって色がさまざまです。

現在では、軟膏や化粧品、猫の砂にも用いられるベントナイトと
よばれる粘土ですが、この粘土質に覆われたのが良かったのです。

アンモライトにとっては、殻の表面のアラレ石(アラゴナイト)を変質される
ことなく保存でき、方解石に変わることなく、鉄やマグネシウムといった鉱物
に置換することができたのです。

カテゴリー
アンモナイト その他 中生代

アンモライト①

白亜紀後期のカンパニアン紀、北アメリカ大陸のベアパウ層とよばれる地層で保存された、
光輝くアンモナイトのことを「アンモライト」と呼びます。

目にも鮮やかなアンモライト標本(ammolite)

アンモナイトが数千万年の時を経て宝石化したものを、人々は特別に「アンモライト」と
名付けたのは、そう昔のことではありません。

古代の世界中の海にアンモナイトは存在すれど、アンモライトと呼べる石は
北米のBeapaw層だけで見つかっているごくかぎられたアンモナイト化石です。

ベアパウ(Beapaw)層は、カナダ西部のアルバータ州とアルバータ州の東側に位置する
サスカチュワン州を経て、さらに南に下ったアメリカのモンタナ州に至る地層です。

光の当てる角度によって次々と色が変化します。

この地層だけに、宝石の輝きをもつアンモライトが眠っています。

カテゴリー
恐竜

古生代に生きた生物は恐竜!?

恐竜というと、一般的に古生代に生きた生物たちをまとめてさしている
ような理解が多くされているようですが、実際には違います。

恐竜の定義は「直立歩行する爬虫類」です。
そして陸上で生活する動物であることが恐竜を定義する大きな特徴です。

直立歩行するというのは、哺乳類ように足を真下に立てて歩くことを意味していて、骨の構造が関係します。
恐竜図鑑などでは海生爬虫類や翼竜も恐竜と一緒に紹介されている例が多く、読み手はときどきそれら
全部をまとめて「恐竜」だと認識しがちなのですが、本でもしっかり分類されているよう実は異なります。

いずれにせよ、古代に生きた彼らが魅力的な生き物であることには違いありません。
世界には未解明の恐竜たちがまだ多くいるとされています。
これからもっと多くの古代事実が私たちの知るところとなりそうです。

カテゴリー
恐竜

恐竜という言葉の起源②

最も知名度の高い恐竜ティラノサウルスダイノサウリアという語源はギリシャ語からきています。
「ダイノス」が恐ろしい、「サウロス」がとかげという意味で、合わせて「恐ろしいトカゲ」です。

恐ろしいほど大きいトカゲだったということなのですが、オーエンは大きいということにこだわって
この名前をつけたわけではないようです。

そのキーは「骨」にあるようで、オーエンはダイノサウリアが「腰の骨がくっついていて、
とても頑丈である」という特徴から1つのグループを定義したのです。
大きさというよりは、骨に着目しての名前だったというところが面白いですね。

ところで、日本にこの言葉が入ってきて、訳そうとなったときに、
1文字で「トカゲ」という漢字にあたる文字がなかったようです。

トカゲという漢字は「蜥蜴」と書きます。
これに恐ろしいという字をくっつけると「恐蜥蜴」です。少し難しそうな漢字ですね。
それでかどうかはわかりませんが、「竜」という文字を充てて
「恐竜」という漢字におさまったというわけです

。お隣中国では「恐龙」と表記します。
こちらの龙という文字も「龍」という意味です。

カテゴリー
中生代 人物・植物 恐竜

恐竜という言葉の起源①

「恐竜」という言葉の起源をたどってみたいと思います。
さっそくですが「恐竜」という日本語はいつできたと思いますか?

これは、英語を訳した言葉なのですが、実はだれが訳したのかははっきりしていません。
ですが、今から117年前の1984年(明治27年)に、横山又次郎という地質学者が書いた本
の中に「きょうりゅう」という言葉が出ているので、おそらくその前後だと考えられています。

横山又次郎は「きょうりゅう」を「恐龍」と書いて使っています。
「龍」の字が今とは違いますね。
そもそも恐竜と訳される元となった名前の起源はいつなのでしょう。

これは1841年までさかのぼります。イギリスの解剖学者であり古生物学者である
リチャード・オーエンという人物が「恐竜」の名付け親です。

彼は、生きている動物はもちろんのこと、アンモナイトや恐竜などの古生物を数多く研究した
人物として、イギリス王室とも親交の深い重鎮として科学界に君臨していました。

オーエンは、ジュラ紀中期に現れたメガロサウルスや白亜紀前期にいたイグアノドン、
そしてヒラエオサウルスなどの化石を調べたのですが、これらが現生のトカゲにはない特徴
を共通してもっていることを発見しました。

そこで、これらの生物を1つのグループとして分類するいい名前はないかと考えたのです。
その名前が「ダイノサウリア」というのです。
そう、「ダイナソー=恐竜」です。

カテゴリー
その他

世界の化石産地【メッセル・ピット(メッセル採掘場)】

・ドイツ、ヘッセン州にある村メッセル近くの油母頁岩の採掘跡地です。
(油母頁岩=オイルシェールとは、有機化合部と含む黒褐色の頁岩で
蒸留によって石油やガスが生じます)
・1995年世界自然遺産に登録されました。

・始新世(約5500万年前〜約3800万年前)の哺乳類の化石が多く発掘されます。
・保存状態が非常によく、完全な骨格の化石から羽毛や皮膚の痕跡までわかる化石が発掘されています。

・一帯の主な岩石、油母頁岩(オイルシェール)は泥と枯れた植物が湖の底に
無酸素状態でゆっくりと堆積しできたものです。この無酸素状態が化石の腐敗を
とめ、世界一といわれる保存状態のよい化石を産出しています。

・1983年、約5000万年前(始新世中期)の地層から最古の霊長類「イーダ」が
ほぼ完全な形で発掘されました。
・2009年、コリン・ダッジ著の「ザ・リンク ヒトとサルを繋ぐ最古の生物の発見」で
「イーダ」が世界中のメディアで注目されました。

・1970年代、メッセル・ピットはゴミ処理場の建設計画がありましたが、
市民の反対運動等により中止となりました。

カテゴリー
人物・植物 恐竜

ギオテン・マンテルにみる学者たちのこぼれ話

イグアノドンを発見したマンテルは、先に述べたキュビエ(メガロサウルスが爬虫類であること
に気付いた学者でもあります。)に自分の発見した恐竜について相談した時「哺乳類のものだよ」
と言われて相手にされなかったようなのです。

しかしマンテルは、キュビエの否定によってイグアノドンをあきらめることはなく、
よりたくさんのイグアノドンの歯を見つけるという行為に出ました。
このことによって、最後にはキュビエにイグアノドンが恐竜だということを認めさせたのです。

メガロサウルスも、17世紀、発見された時はゾウの骨だと展示されていて、
18世紀に次は人間のそれも巨人の体の骨だとされ、100年以上経って
ようやく恐竜の骨だということが明らかになります。

それに携わる研究者が諦めれば、いずれの発見もなかったか
発見されてもその時期がかなり遅れたと思います。
発見した化石が恐竜かどうかを断定するのには、長い年月がかかるようです。

研究者は「恐竜」という未知の生き物に対して、何と根気強く研究していたのでしょう。

カテゴリー
人物・植物 恐竜

世界で最初に学名がついた恐竜

世界で最初に「発表」された(=学名がついた)恐竜は何という名前でしょう?
世界で最初に発見されたのはイグアノドンですが、
学名がついたのはイグアノドンではありません。

最初に学名がついた恐竜は、「メガロサウルス」という名前の恐竜です。
実は、この恐竜の骨は、発表するかな~り前に見つかってはいたものの
ゾウの骨だとか、人間の骨の一部だと長い間考えられてきたので、
恐竜の骨だと認識されるまでに時間がかかったのです。

ですが、1818年、恐竜学で有名な学者キュビエとバックランドという人物によって
この骨が恐竜の骨だということがわかりました。

それから6年たった1824年、ようやく「メガロサウルス(=大きなトカゲ)」という名前が誕生したのです。
メガロサウルスは、ジュラ紀中期から後期にかけてイギリスやフランスに生息した肉食の獣脚類です。

カテゴリー
人物・植物 恐竜

ギオテン・マンテルとイグアオノドン

イグアノドンを発見したギオテン・マンテルは靴屋の息子として生まれ、イギリスの
医者として活躍し、かつ大変な古生物マニアでもあるといった人物でした。

マンテルは、実はイグアノドンの体つきを想像したとき70mはあると推測していたようです。
が、1878年に、ベルギーの炭鉱から多くのイグアノドンの全身骨格が発見されたことから、
全身の大きさが正確にわかるようになりました。

もちろん70mなんてありません。
研究の結果、現在はおよそ6~10mとされています。
いずれにしても、マンテルのイグアノドン発見によって、古代に大きな爬虫類
「恐竜」が存在したことに気づくきっかけになったのです。
ちなみに、現生のイグアナと、イグアノドンの間に関係はないようです。

カテゴリー
人物・植物 恐竜

人類が恐竜の研究を始めたのはいつ?

人類が恐竜の研究を始めた時期についてのお話です。
恐竜の研究にいち早くとりかかった国はどこでしょう?
それは、「イギリス」です。

19世紀のヨーロッパは、自然科学に対する研究が進んでいました。
そのなかで、古代に目を向ける学者たちが出てきたのです。
彼らは地層を研究する中で、はるか昔に巨大な爬虫類がいたことを知るのです。

そこで、みなさんに質問です。
世界で最初に発見された恐竜の名前をご存じですか?

その名は、「イグアノドン」。
イグアノドンの名前の由来は「イグアナの歯」という意味です。
これは、イグアナの歯ととても良く似ていることからきています。

イグアノドンは白亜紀前期に生息していた鳥脚類です。
現在の、イギリスやカナダ、ドイツといったところにいたようです。
この恐竜を発見したのはギデオン・マンテルという人物です。