ロッキー山脈が走る北米大陸の内陸部にあたるベアパウ層からなぜ、
海中生物であるアンモナイト(のちにアンモライト)が発見されるのでしょうか?
![青や紫色は希少とされるアンモライト(Ammolite)](https://www.kaseki7.info/c/wp-content/uploads/2012/04/1330435802_12.jpg)
それは、白亜紀当時、北米大陸には内陸に内海が存在したからです。
西部内陸海道(WesternInteriorSeaway)と名付けられた内海は、
白亜紀中期から後期、海進により、ロッキー山脈を境界にして
大陸を東と西に二分する巨大な海でした。
東をアパラチア(Appalachia)大陸、西をララミディア(Laramidia)大陸と
よんでいます。
その後、隆起によって海岸線が後退して、海の中にあった地面が陸上にあらわれて
きます。
いわゆる海退が起こると、アンモナイトは粘土質のベントナイトという層に堆積して
埋もれることになったわけです。
![堆積された環境によって色がさまざまです。](https://www.kaseki7.info/c/wp-content/uploads/2012/04/1329378119_4.jpg)
現在では、軟膏や化粧品、猫の砂にも用いられるベントナイトと
よばれる粘土ですが、この粘土質に覆われたのが良かったのです。
アンモライトにとっては、殻の表面のアラレ石(アラゴナイト)を変質される
ことなく保存でき、方解石に変わることなく、鉄やマグネシウムといった鉱物
に置換することができたのです。