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最古の哺乳類

現在みつかっている中で最古の哺乳類は、中生代三畳紀後期(約2億2500年前)に生息した「アデロバレシウス」です。1989年アメリカ・ニューメキシコ州で自然史科学博物館のスベンサー・ルーカス博士らにより発見されました。

「アデロバレシウス」とはギリシャ語で「隠れた王者』を意味します。
姿は、頭は人間の爪ほどで尾までの長さが約10㎝程と現在のトガリネズミのような外見をしていました。
アデロバレシウスは恐竜と違い夜活動ができる夜行性でした。

夜に活動出来たのは、アデロバレシウスが自らの体内から
体温を一定に保つことのできる内温性の哺乳類だったからです。

また発達した聴覚で昆虫のかすかな動きをとらえ捕まえて食べていたようで、
この特徴も夜に活動できる原因のひとつだったのではないかと考えられています。

アデロバレシウスの生態についてはまだ分からない点もありますが、
卵を産んで繁殖をしていたようで現在の哺乳類とは異なる点も多いようです。

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生きた化石「シーラカンス」

シーラカンスは古生代デボン紀に出現し、今から約6500年前(中生代白亜紀末)
に恐竜とともに絶命した古代魚と思われていました。

スピノサウルスに食べられるシーラカンス

しかし、1938年南アフリカで「ラティメリア」(シーラカンス)という現種が発見されると、
その後コモロ諸島周辺で数百〜数千匹がみつかり、1997年にはインドネシアで
別種の「ラティメリア」(インドネシア・シーラカンス)が発見されました。

この2種のシーラカンスは黒に近い濃紺色でインドネシア・シーラカンスが
茶褐色と外見の色は異なりますが大きな違いはありません。

両種とも今では深海に生息していますが、古生代、中生代の頃は
浅瀬の淡水に生息していたといわれています。

シーラカンスの体形や体長は様々なものがあります。
現生種の個体から確認できたことは、他の魚と違い鰾(サメやエイなど
硬骨魚が持つ気体の詰まった袋状の器官)に空気ではなく、海水より
密度の軽い脂肪を蓄えて浮力を得ていたことです。

また、体内に大きくなった卵をもっていたことから「卵胎生」という方法で繁殖することもわかりました。

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首長竜は恐竜ではなかった!?

首長竜のひとつエラスモサウルス
首長竜のひとつエラスモサウルス

映画ドラえもん「のび太の恐竜」でピー助のモデルとなった『フタバサウルス』や
ネッシーのモデルとなった『プレシオサウルス』・・・
実は恐竜ではないということを知っていましたか?

『フタバサウルス』や『プレシオサウルス』は、恐竜と同じ時代に
海に住んでいた「首長竜」とよばれる爬虫類なのです。

でも恐竜も爬虫類の仲間。
名前も見た目も恐竜っぽいのに「首長竜」が恐竜でないいわれは何なのでしょうか。

決定的違いは恐竜の代表的特徴である直立歩行が出来ない点です。

また、2011年の夏に米科学誌のサイエンスに、恐竜とは異なる大きな特徴が発表されました。
それは首長竜は卵ではなく赤ちゃんを産んでいたというものです。
恐竜は卵を産んでいたから大きな違いですよね。

この発見は、米カンザス州で1987年に発掘された7800万年前の
大人の首長竜の化石調査でわかりました。
体長4.7メートルの大人の首長竜の腹部に
体長約1.5メートルの胎児の骨が収まっていたのです。

赤ちゃんを産む=胎生。これは古代海生爬虫類にもみつかっています。
例えば、体形がイルカに似ている『イクチオサウルス』は
一度に複数の小さな子供を出産していました。

これは卵を胎内で孵化させてから産み落とす(卵胎生)で、首長竜の出産とは違います。
首長竜は胎内で大きく育てた子供を一度に一頭出産していました。
ただ、この一頭というのは時には双子や三つ子などもあったのでは?と言われています。

そのため、同じクジラやイルカの様に群れをなし大事に
子育てをしていた可能性があるとも言われているのです。

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アンモナイトの中身~住房①~

アンモナイトの殻は住房と気房に分かれます。
ここでは住房について詳しく見ていきましょう。

アンモナイトの構造

住房はアンモナイトの軟体部分を収納していた場所で、殻において大きな部分を占めています。
軟体部分には胃や消化管、肛門、神経節や触手など、
アンモナイトが生きるのに必要な器官がそろっています。

残念ながら、アンモナイトの軟体部分は保存されにくく
見つかっていないので、その全容は分かっていません。
でも、住房部分を詳しく見ていくと、軟体部の想像ができ、殻の役割も見えてきます。

まず、住房はとても硬い殻でできていますから、軟体部が傷つかないように守ってくれます。
また、敵に襲われそうになったり、威嚇されたとき、軟体部は住房の中に
ひょこっと引っ込めることができたようです。
住房を隠れ蓑としても利用していたというわけです。

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アンモナイトの構造

アンモナイトは貝殻の中に軟体動物が収まっている生き物です。
今はもう絶滅していて見られませんが、デボン紀から
恐竜が絶滅する時期の白亜紀までは世界中の海で見られました。

光るアンモナイトイギリス産カロセラス・ジョンストニ

ちょうど見た目は陸に住む巻貝「カタツムリ」に似ていますが、
実際は頭足類で、イカやタコの遠い親戚です。

アンモナイトの貝殻は、2つの部分から成り立っています。
一つは住房といって、「住む」という字が入っているように、アンモナイトの軟体部分が収まる部分です。
もう一つは気房といって、軟体部分は収まっていない部分です。

殻の巻き終わりで太い箇所が住房、殻の巻き始めで中心部分(ヘソ部分ともいいます)から巻き途中までが気房です。

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中生代

ネッシーは本当に存在するのか②

ネッシーのモデルとなった首長竜であるプレシオサウルスは、本当に地球上に存在していた動物です。
プレシオサウルスは今から約2億年前の中生代三畳紀後期から
ジュラ紀前期に海の中で生活していたはちゅう類です。

プレシオサウルス脊椎骨(plesiosaurus)

プレシオサウルスは全長が約2~5m、首の骨が32個もありました。
人間は首の骨が7個ですから、プレシオサウルスは人間の4.6倍も
骨の個数が多いことになり、いかに長いかわかります。
(キリンも首が長いですが数は人間と同じ7個です。キリンは一つひとつが長くて大きいのです。)

ネッシー騒動の件は結局人類が見た幻かもしれませんが、まだまだ分かりません。
それにしても、古代も現代も、地球上にはいろいろな生き物がいることですね。

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ネッシーは本当に存在するのか?①

「ネッシーは本当に存在するのか?」という話題は世界中で盛り上がり、
ネス湖には熱烈な肯定派で賑わい、写真をとる人も多くいます。

ネッシーモデルになった白亜紀の首長竜プレシオサウルスの歯化石

一方、否定派も多数います。
今までの科学調査によるところ、写真に収まっているネッシーと思われる物体は、
ボートの航跡や水鳥、ボート、そして流木などだったと分析されています。

ネッシー存在肯定派の中には、ネス湖に閉じ込められたプレシオサウルスが、
時代を超えて進化していったと仮定する人もいます。
でもネス湖自体は地質学的には新しく、首長竜が絶滅した白亜紀末時点では存在しないようなのです。

色々な研究をした結果、今のところ科学的根拠がないということです。
本当にネッシーが存在したかは定かではありませんが、
巨大生物に魅せられる人類の一面をネッシー騒動で垣間見たのは間違いありません。

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ネス湖の「ネッシー」のモデル、プレシオサウルス

謎の未確認動物UMA(UnidentifiedMysteriousAnimal)、
「ネッシー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

この世に存在するのかしないのかが分からない未確認動物の代表例として、
ネッシーは、「ビックフット」などに並び世界的に有名です。

ネッシーの名前はネス湖からきています。
ネス湖は、スコットランドとイギリスにまたがる、長さ35km、幅2kmの細長い淡水湖です。
1930年代から現代に至るまで、ネッシーはネス湖に現れる未確認動物として、
数多くの写真や映像に収められてきました。

それらから分かる姿は首がとても長く、体は大きく、中生代の首長竜プレシオサウルスにそっくりでした。
そのことから、ネッシーは大型はちゅう類プレシオサウルスの生き残りだと言われました。
そうしてプレシオサウルスがネッシーのモデルとなったのです。

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恐竜につく名前「ドン」

恐竜の名前に関しては、「〇〇サウルス」以外にも「〇〇ドン」という表現も多いようです。
例えば初めて発見された恐竜のイグアノドンや、一番長い間栄えた鳥脚類のヒプシロフォドンなどです。
このdon「ドン」には「歯」という意味があります。

イグアノドンは「イグアナのような歯をもつ恐竜」という意味があり、
ヒプシロフォドンには「高いうねのある歯をもつ恐竜」という意味があります。
中には「サウルス」という言葉と「ドン」という言葉の両方を持つ恐竜がいます。

それは、カルカロドントサウルスです。
カルカロドントサウルスの命名説は2つあります。
まずは以下のように3個の語群に分けるととらえる説です。

カルカロドントサウルスの歯(Carcharodontosaurus)

カルカロ(karcharos)は「ギザギザの」、ドント(odont)は「歯」、
サウルス(sauros)は「とかげ」という意味です。
これを合わせると、「ギザギザの歯をもつトカゲ」という意味になります。

もう一つの解釈は2個の語群に分ける説です。
「カルカロドント」がホオジロザメ属をさす言葉で、サウルスが「トカゲ」という意味です。
合わせると「サメのような歯を持つトカゲ」です。

カルカロドントサウルスは、まさしくサメのようなギザギザの歯をもつ恐竜で、
どちらもこの恐竜の特徴にぴったり当てはまっているのです。

恐竜の名前の中に「ドン」という言葉があれば、歯が特徴である恐竜だということが、ある程度想像できます。
恐竜につけられた言葉の語源を知ると、いろいろな知識を広げていく上で、とても良い手助けとなりそうです。

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中生代 恐竜

恐竜以外でも「〇〇サウルス」とつく名前がある

恐竜以外にも「〇〇サウルス」とつく名前はあります。
約4000万年前の新生代に生息していたバシロサウルスというヘビのような形の原始的クジラがそうです。

このバシロサウルス、実際はほ乳類だったのですが、発見された当時は恐竜の仲間だと考
えられていて「サウルス」という言葉がつけられました。

他にも恐竜ではないのに「~サウルス」と付いて有名なのは、プレシオサウルス、
エラスモサウルス、クロノサウルスなどがあります。
これらはいわゆる首長竜の仲間です。

首長竜は、陸で恐竜が繁栄していた同じ時代、海で繁栄した首の長いはちゅう類です。
ちなみに、「首長竜」の読み方についてですが、多くの人は一般的に「くびながりゅう」と読むようです。
でも実は音読みが正しく、和名で正式には「ちょうけいりゅう」読むそうです。
音読みだとちょっと首長竜の形を想像しにくいかもしれません!?