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中生代 恐竜

恐竜・足跡化石の話④

恐竜の足跡化石からは、前足と後ろ足を調べることができます。
ほとんどの恐竜が前足より大きな後ろ足をもっていました。

ティラノサウルスやタルボサウルスなどのように前足が短く後ろ足の
差が大きい場合、前足は歩行に使われなかったと考えられています。

つまり、獣脚類は二足歩行で歩き、後ろ足のみを使っていたとされています。
なかには前足を補助的に使う恐竜もいました。

比較的長い足をもっていたハドロサウルスやイクアノドンです。
前も後ろも短く、しっかりした足をもった角竜類や竜脚類などは
四足歩行をしていました。

でも「腕トカゲ」と呼ばれた、竜脚類のブラキオサウルスは
後ろ足よりも前足のほうが長かったようです。

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中生代 恐竜

恐竜・足跡化石の話③

足跡化石からは、その恐竜の体の大きさや、
歩く速さ、歩き方などがわかります。

研究者は体の全長を推測するとき、おおよそ足跡の長さを4倍とし、
その恐竜の腰までの高さをだして計算するそうです。

例えば、足跡の長さ35㎝ならば腰の高さは1.4mで全長は6~7mと推定されます。
歩く速さは、歩幅から導き出します。

小さな歩幅は歩いた跡、大きな歩幅は走った跡です。
その速さは、イギリスの動物学者アレキサンダー博士が発表した
「アレキサンダー公式」に当てはめて求めることができます。
(この公式は少し難しいのでここでは省略します)

例として、ここに長さ15㎝ほどの足跡があったとします。
子犬ぐらいの大きさの恐竜です。

この恐竜が時速5㎞と少し早いくらいで歩いたとき歩幅は50㎝ほどになります。
また、この恐竜が時速21㎞で走ると歩幅は倍以上の126㎝になります。

この様に、走った時は歩いた時の倍以上の歩幅となるのですが、これは私達人間にもあてはまるのです。

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中生代 恐竜

恐竜・足跡化石の話②

足跡はどうやって化石になるのでしょうか。

まず、恐竜がやわらかい砂や泥で覆われた地表を歩いて足跡を残します。
次に、その足跡がなくなる前に足跡の上を土砂が覆い地層の中に保存されます。

そして、地層がその上に積み重なっていきかたい岩石となって長い年月が経ちます。
その後、雨風の浸食を受け、上の地層が削られることで足跡が地表にあらわれるのです。

こうして出来た足跡化石は、現在どんな場所でみつかるのでしょうか。
それは恐竜時代、川や湖、干潟、砂丘などの場所だった地層で
表面が広く出ているところでみつかります。

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中生代 恐竜

恐竜・足跡化石の話①

公式記録に残る恐竜の足跡化石は、1800年初頭にアメリカ
マサチューセッツ州で少年が足跡化石を発見したものです。

しかし、当時はこの足跡が恐竜のものでなく、大きな鳥のものと思われていました。
その後、恐竜足跡の研究が行われていくうちに様々なことがわかってきました。

化石として残る足跡には二通り(凹型と凸型)あります。
1つは、へこんでくぼみとして残る足跡です。
凹型の足印で、いわゆるネガ化石といいます。

もう1つは、くぼみに砂がたまって地層が重なったあとその部分だけが特に
かたくなって上の地層が削られ足跡が地表にあらわれ型として残ったものです。
凸型の足印で、いわゆるポジ化石といいます。

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その他 中生代

世界の化石産地【イシワラスト国立公園【Ischigualasto Provincial Park)】

・アルゼンチン北西部のサン・ファン(SanJuan)州にある広大な州立公園です。
・イシワラスト州立公園の周囲には珍しい形や色の石が存在します。

・(CanchadeBochas)には恐竜のタマゴと思わせる直径10〜20㎝程の丸い石が転がっています。
・2000年に世界自然遺産に登録されました。

・約2億3000万年前(三畳紀時代)の地層がむき出し状態で広がっています。
・まるで月面世界のようなので現地の人々は「月の谷(VALLEDALUNA)」とよんでいます。

・1986年、約2億2800年前の地層から地球最古の恐竜といわれる「フレングエリサウルス」が発見されました。
・恐竜化石の他、爬虫類の骨や痕跡が数多く発掘されています。

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アンモナイト 中生代

遊色アンモナイトはどうして光る?

アンモナイト中で光るアンモナイトを「遊色アンモナイト」とよびます。
これらはアンモナイト表面にアラゴナイトと呼ばれる層がくっついて化石化しています。
アラゴナイトというのは鉱物の名前で、日本ではあられ石(霰石)ともいいます。

七色に光る遊色アンモナイト

主成分は炭酸カルシウムです。
炭酸カルシウムと聞いて馴染み深いのは、あの黒板に用いるチョークです。
チョークはとても脆く、すぐに削れるでしょう。

炭酸カルシウムは他にも貝殻や鶏の卵の殻、そして石灰岩や大理石の主成分でもあります。
全く同じではないですが、それらと似たような成分で成り立っているのです。
これで光るのですから不思議です。

美しい色に光ります。

アンモナイトが光るには、アラゴナイトという鉱物の層に加えて、
もう一つ「キチン質」とよばれる層が重なりあう必要があります。
「キチン質」というのは、カニやエビなどの甲殻類や、節足動物の
外側の皮と同じような成分でできた層のことです。

アンモナイトの表面では、このキチン質の層とアラゴナイトの層が交互に
重なりあって積み重なっています。

これらの層に光りが当たったとき、異なった層に光がぶつかると、
光のさす方向が変わります。

これを「光の屈折」といいます。

光の屈折でおこる自然現象の例でいうと、虹が一番わかりやすいかもしれません。
突如空に7色のカラーが現れるのも、太陽光と空中の水滴の光の屈折によって
起こる現象です。

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アンモナイト 中生代

イギリス産の虹色アンモナイト

イギリスの代表アンモナイト、カロセラス・ジョンストニ

イギリス産で有名な虹色アンモナイトにカロセラスとフィロセラスがあります。
イギリス虹色アンモナイトを語るうえで、欠かせないのが、時代区分
「ヘッタンジアン」です。

このヘッタジアンに、虹色アンモナイトは現れました。
ヘッタンジアンはジュラ紀の最前期にあたる1億9960万年前から
1億9650万年前の約300万年間の期間です。

ヘッタジアンについてもう少し説明しましょう。
ヘッタジアンに、イングランドのリアス式海外として世界的に有名な
ブルーリアスが生成しました。

ヘッタジアンは、スイスの古生物学者のEugene Renevierによって記載され、
北フランスの街であるHettange-Grandeから名づけられました。

ヘッタジアンといえば、虹色アンモナイトで有名なフィロセラスが
最初に現れた時期としてよく知られています。

寄り添うように化石になったフィロセラス

ヘッタジアンは、イングランドのブルーリアスとの関連性が強く、ブルーリアス
といえば虹色アンモナイトの産地として有名なため、ヘッタジアン=虹色アンモ
ナイトの時代区分という認識が化石コレクターの間では成立しています。

 

平巻きのカロセラスやフィロセラスは、カナダのアルバータ州で採れるアンモライト
ほどには、表面のアラゴナイト層の厚みがなく、宝石としては扱われていません。

ですが、その輝きは強く、アンモライトの光り方とはまた異なるため、
肋の模様を楽しめる美しい標本として世界中のアンモナイトコレクター
にとって人気のある標本です。

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アンモナイト 中生代

アンモライト②

ロッキー山脈が走る北米大陸の内陸部にあたるベアパウ層からなぜ、
海中生物であるアンモナイト(のちにアンモライト)が発見されるのでしょうか?

青や紫色は希少とされるアンモライト(Ammolite)

それは、白亜紀当時、北米大陸には内陸に内海が存在したからです。
西部内陸海道(WesternInteriorSeaway)と名付けられた内海は、
白亜紀中期から後期、海進により、ロッキー山脈を境界にして
大陸を東と西に二分する巨大な海でした。

東をアパラチア(Appalachia)大陸、西をララミディア(Laramidia)大陸と
よんでいます。

その後、隆起によって海岸線が後退して、海の中にあった地面が陸上にあらわれて
きます。

いわゆる海退が起こると、アンモナイトは粘土質のベントナイトという層に堆積して
埋もれることになったわけです。

堆積された環境によって色がさまざまです。

現在では、軟膏や化粧品、猫の砂にも用いられるベントナイトと
よばれる粘土ですが、この粘土質に覆われたのが良かったのです。

アンモライトにとっては、殻の表面のアラレ石(アラゴナイト)を変質される
ことなく保存でき、方解石に変わることなく、鉄やマグネシウムといった鉱物
に置換することができたのです。

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アンモナイト その他 中生代

アンモライト①

白亜紀後期のカンパニアン紀、北アメリカ大陸のベアパウ層とよばれる地層で保存された、
光輝くアンモナイトのことを「アンモライト」と呼びます。

目にも鮮やかなアンモライト標本(ammolite)

アンモナイトが数千万年の時を経て宝石化したものを、人々は特別に「アンモライト」と
名付けたのは、そう昔のことではありません。

古代の世界中の海にアンモナイトは存在すれど、アンモライトと呼べる石は
北米のBeapaw層だけで見つかっているごくかぎられたアンモナイト化石です。

ベアパウ(Beapaw)層は、カナダ西部のアルバータ州とアルバータ州の東側に位置する
サスカチュワン州を経て、さらに南に下ったアメリカのモンタナ州に至る地層です。

光の当てる角度によって次々と色が変化します。

この地層だけに、宝石の輝きをもつアンモライトが眠っています。

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中生代 人物・植物 恐竜

恐竜という言葉の起源①

「恐竜」という言葉の起源をたどってみたいと思います。
さっそくですが「恐竜」という日本語はいつできたと思いますか?

これは、英語を訳した言葉なのですが、実はだれが訳したのかははっきりしていません。
ですが、今から117年前の1984年(明治27年)に、横山又次郎という地質学者が書いた本
の中に「きょうりゅう」という言葉が出ているので、おそらくその前後だと考えられています。

横山又次郎は「きょうりゅう」を「恐龍」と書いて使っています。
「龍」の字が今とは違いますね。
そもそも恐竜と訳される元となった名前の起源はいつなのでしょう。

これは1841年までさかのぼります。イギリスの解剖学者であり古生物学者である
リチャード・オーエンという人物が「恐竜」の名付け親です。

彼は、生きている動物はもちろんのこと、アンモナイトや恐竜などの古生物を数多く研究した
人物として、イギリス王室とも親交の深い重鎮として科学界に君臨していました。

オーエンは、ジュラ紀中期に現れたメガロサウルスや白亜紀前期にいたイグアノドン、
そしてヒラエオサウルスなどの化石を調べたのですが、これらが現生のトカゲにはない特徴
を共通してもっていることを発見しました。

そこで、これらの生物を1つのグループとして分類するいい名前はないかと考えたのです。
その名前が「ダイノサウリア」というのです。
そう、「ダイナソー=恐竜」です。