大変めずらしい足跡化石がモロッコからみつかっています。
それはジュラ紀中期(約1億7000万年前)の崖からみつかった、
前足が横を向いた竜脚類の足跡化石です。
いまのところ世界でもモロッコだけでしか見つかっていない
たいへん珍しい足跡です。

崖に足跡があるとは、恐竜が崖を登ったのでしょうか?
違います。
崖の表面は地層の表面。
そう、もともとは平らな地面を恐竜が歩いて足跡をつけたのち、
地層が積み重なって足跡が保存されたのです。
そして長い年月を経て地殻変動により、地層が垂直に立ったのです。
ところで、人間にも歩き方の特徴があるように、
恐竜にも歩き方の特徴があったようです。
二足歩行の恐竜の場合、一般的に草食恐竜は足先を内向きに
肉食恐竜は足先を外向きに歩いたようです。
足跡からは、恐竜たちがケガをしていたことがわかったり、
集団で暮らしたのか単独で暮らしたのか群れで暮らしたのか
ということが判断できたりと、恐竜たちの生態を知る上で、
貴重なデータとなる根拠を示してくれます。
骨の化石からではわからないことが足跡化石によって発見されています。