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人物・植物 古生代

今の石炭は石炭紀を作った森林のおかげ!

みなさん石炭紀という時代をご存知でしょうか?

古代石炭紀の巨木(カラミテスまたの名をロボク)

石炭紀は、地球を地質時代に分けたとき、古生代という時代の後半にあたる時代です。
今から約3億6700万年前から2億8900万年前までさかのぼります。

この時代の地層からは、たくさんの石炭が見つかるので石炭紀といわれています。
この頃の地球は、年間を通してあまり気候の変化はなく、
一年中熱帯気候であったといわれています。
そうすると、森林もたくさん増え、大気の中の酸素濃度も上がりました。

現在は21%といわれる酸素濃度が、当時は35%もあったそうです。
植物や動物が大きくなる環境が整ったのが、石炭紀でした。
湿地やその周りには高さ数十メートルにもなる巨木がたくさん生え、森林が広がっていました。

これら植物が枯れたあと、砂や土が積もって地中に長い年月を
かけて埋もれていき、石炭へ変化します。
私たち現代人が燃料として利用しているものは、遥か太古の植物の贈り物の一つなのです。

実は、日本でとれるほとんどの石炭は新生代第三紀のもので、
石炭紀の地層からはほとんどとれないそうです。
なぜでしょう?
それは石炭紀の時代、日本はまだ海の底にあったからです。

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アンモナイト 古生代

アンモナイトの中身~住房③~

アンモナイトが成長する上で欠かせない外套膜(がいとうまく)。
この外套膜という器官はその他にもさまざまな機能を果たしています。

七色に光るマダガスカル産アンモナイト

 

まず、外套膜はアラゴナイト(アラレ石)とよばれる殻を作り出します。
アラゴナイトというのは炭酸カルシウムが主成分からなる鉱物のことで、
真珠の輝きのような七色を作り出します。
産地や周りの鉱物の置換状況にもよりますが、
七色に美しく輝くアンモナイトが存在するのはこの外套膜のおかげです。

また、外套膜の中には外套腔という筋肉質の器官があり、そこには足の一部が
変化した漏斗(ろうと)という器官が体の外側にむけて通っています。

漏斗といえば、理科の実験でろ過をするときにろ紙と一緒に使う
ラッパ状の実験器具を思い出すかもしれません。
アンモナイトもちょうどあの管のように、筒状になっており、水の管が通っています。

漏斗から体内の水を出したり海水を入れたりしてジェット噴射をしていました。
これによって、海の中を自由自在に泳ぎ回っていたのです。

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アンモナイト 古生代

アンモナイトの中身~住房②~

みなさん、軟体部が成長して貝殻のサイズが合わなくなると、
アンモナイトはどうしたと思いますか?
ヤドカリのように、より大きくて住み心地のよさそうな貝殻を見つけて引越ししていたのでしょうか?

モロッコ産40cm巨大ゴニアタイト

実は、アンモナイトは軟体部の体の成長に合わせて、殻を付け足して大きくなっていきました。
ではどうやって殻を付け足すのでしょう?

アンモナイトは自らの体の中に殻を大きくする器官をもっていました。
その器官を外套膜(がいとうまく)といいます。
「外套(がいとう)」といえば、防寒などのため、一番外側に着るコートを意味する言葉です。

外套膜とは、軟体動物の体の表面をおおう膜のことで、
軟体部の入る殻の部分のすぐ下にある器官のことです。
ちょうど、寒さから身を守るコートのように、アンモナイトは
軟体部にある内臓等をコートのように覆って守っていたというわけです。

外套膜は柔らかな肉質でできていて、ここからアンモナイトの殻となる
成分を出して殻を継ぎ足していました。
主には炭酸カルシウムなどの石灰分を分泌していたようです。

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アンモナイト 中生代 古生代

アンモナイトの中身~住房①~

アンモナイトの殻は住房と気房に分かれます。
ここでは住房について詳しく見ていきましょう。

アンモナイトの構造

住房はアンモナイトの軟体部分を収納していた場所で、殻において大きな部分を占めています。
軟体部分には胃や消化管、肛門、神経節や触手など、
アンモナイトが生きるのに必要な器官がそろっています。

残念ながら、アンモナイトの軟体部分は保存されにくく
見つかっていないので、その全容は分かっていません。
でも、住房部分を詳しく見ていくと、軟体部の想像ができ、殻の役割も見えてきます。

まず、住房はとても硬い殻でできていますから、軟体部が傷つかないように守ってくれます。
また、敵に襲われそうになったり、威嚇されたとき、軟体部は住房の中に
ひょこっと引っ込めることができたようです。
住房を隠れ蓑としても利用していたというわけです。

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アンモナイト 中生代 古生代

アンモナイトの構造

アンモナイトは貝殻の中に軟体動物が収まっている生き物です。
今はもう絶滅していて見られませんが、デボン紀から
恐竜が絶滅する時期の白亜紀までは世界中の海で見られました。

光るアンモナイトイギリス産カロセラス・ジョンストニ

ちょうど見た目は陸に住む巻貝「カタツムリ」に似ていますが、
実際は頭足類で、イカやタコの遠い親戚です。

アンモナイトの貝殻は、2つの部分から成り立っています。
一つは住房といって、「住む」という字が入っているように、アンモナイトの軟体部分が収まる部分です。
もう一つは気房といって、軟体部分は収まっていない部分です。

殻の巻き終わりで太い箇所が住房、殻の巻き始めで中心部分(ヘソ部分ともいいます)から巻き途中までが気房です。

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その他 古生代

魚が大活躍!デボン紀

デボン紀は魚類が進化発展を遂げた時代として有名です。

新生代第3紀サカナ化石

人間は骨を持つ脊椎動物ですが、魚は初めに脊椎をもった動物ですので、
言ってみれば我々の大大先輩にあたる生物です。

魚類は大きく分けて6つのグループに分けられますが、
全てのグループがそろっていたのは、古生代のデボン紀だけです。
2グループは絶滅してしまいました。

進化の上で欠かせないのが「アゴ」についてです。
初期の魚類にはアゴがありませんでした。
アゴがないので口を閉じるということができず、海水やどろをそのまま飲み込んでいました。

栄養に関しては、飲み込んだ中にあるわずかなものしか吸収できなかったのです。
1億年たった後、アゴのある魚が誕生しました。
アゴを得たことで、今度は栄養のある大きな生き物をかむことができます。
こうやって魚類は効率よく栄養をとって体を大きく成長させていったのです。

有名なのは、古生代最大の「ダンクルオステウス」という種です。

強靭なアゴをもつ古代魚ダンクルオステウス

ダンクルオステウスはぜんちょうがおよそ6メートルもある巨大な魚でした。
頭や体の前部分が骨でできた鎧で覆われている、とても頑丈な魚です。

強力なアゴをもっていて、海の中の食物連鎖の頂点にいた1種です。
魚類はその後、鎧があると動きにくいという理由で、
現代のように素早い動きができる魚に進化していくのです。

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古生代 恐竜

胃の中に石をもっていた恐竜がいる

草食恐竜の化石の胃からは石が見つかることがあります。
これは、恐竜が間違って飲んだわけでなく、わざと飲み込んだものと考えられています。
どうして硬い石を飲み込むのでしょう?

それは、飲み込んだ石が消化の助けをしてくれるからです。
草食動物は名前の通り硬くて繊維の多い植物を食べていた恐竜です。
彼らはまず頑丈な歯で葉や枝など硬い植物をすりつぶしながら消化を促していました。

それでも足りず、胃の中で胃石を擦れ合わすことにより、細かくして消化していたのです。
ですから、化石として発見された胃の中の石(胃石)は丸く削られている形のものが多かったようです。
見つかっている化石の中では、オルニトミムス類の胃石が有名で、
1体の恐竜のなかに、何と数千個もの小さい胃石が発見されています。

大きさはミリ単位と小さくなっていたのですが、この理由は食べたものや石同士が擦れあって
すり減ったりしたためだと考えられています。

胃石が磨り減ってあまりに小さくなってしまうと、消化を助ける機能が弱くなってしまいます。
そういうときはどういう行動にとったかというと…。

恐竜は使えなくなった胃石を吐き出していたのです。
そして新しい胃石を飲み込、常に最適な状態をキープしていたようです。

ちなみに肉食恐竜から胃石がみつかることはかなり稀です。
植物より紹介しやすい肉を食べていたから、胃石は必要なかったのかもしれません。

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古生代 恐竜

デンタルバッテリーって何?

デンタルバッテリーとは、束のようになってびっしりと並んだ小さな歯のことをいいます。
我々ヒトの歯は、一生に一度しかはえかわりません。
でも、恐竜の歯は歯の生えている骨の内部にいつくもの新しい歯を備えていて、
古くなったら生え変わっていました。

エドモントサウルスやハドロサウルスなどの植物を食べる歯は1つの板状になっていて、
硬い植物で歯がすり減ると、すぐに次の歯が入れ替っていたのです。

デンタルバッテリーとは、歯の集まったものという意味で使われています。
私たちは歯のケアを怠ると、二度と生えてこないので入れ歯をしたり、インプラントをしたり大変です。
恐竜たちがうらやましい限りですね。
恐竜たちは歯磨きをしなくても全く問題なかったというわけです。

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先カンブリア時代 古生代

カンブリア紀の名前の由来~なぜ「カンブリア」という?~

地質時代には大きくわけて、先カンブリア時代、古生代、中生代、新生代という区分けがあります。
生命の大爆発が起こったとされるカンブリア紀は、約5億4200万年前から約2億5000万年前までの
間の「古生代」といわれる時代の一番はじめの時期にあたる一区分の時代のことをさしています。

約5億4200万年前~5億500万年前の最初の時代がカンブリア紀にあたるのです。
古生代はその後、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ペルム紀と分類され、
時代は恐竜が栄えた時代、中生代へと移っていきます。

さて、「先カンブリア時代」というのも「カンブリア」という言葉が入っていますね。
先カンブリア時代は、古生代の最初の時代である「カンブリア」紀よりも一つ前「先」の時代だ
という意味で名付けられているのです。

でも「カンブリア」という言葉が使われているためか、先カンブリア時代と
カンブリア紀は、よく間違えそうになる言葉です。
これらの「カンブリア」という名前はどこから来たのでしょう?

それは、ラテン語の部族の名前に由来しています。
この時代の地層が調べられたイギリスのウェールズ地方に、
かつて「キムル」という名前の部族が住んでいました。
キムルをラテン語に訳すと「カンブリア」になるそうで、
彼らの名前にちなみ、カンブリア紀と名付けられたのです。

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その他 古生代

カンブリア爆発って何が爆発したの?

理科の授業などで、「カンブリア爆発が起きた」などと耳にしたことはありませんか。
一体カンブリア爆発って何だろう?何が爆発したの?とお思いになる方も多いかもしれません。

カンブリア爆発は、ずばり、「生命が一気に誕生した」ことを示しています。
それを爆発と呼んでいるのです。

地球が誕生して40億年以上経過した頃、現在からさかのぼること
約5億4000万年前のカンブリア紀に、それまで3種類ほどしかなかった動物のグループから、
一気に38種類グループが増え、生物が多様化したのです。

38種類もの生命の仲間が増えた期間はわずか数百万年。
数百万年と聞くと、とっても長いように聞こえますよね。
でも地球の歴史46億年のうちの数百万年ですから、時間の枠が大分違うんです。

分かりやすいように、地球46億年の歴史を、1日の長さに換算して比べてみましょう。
午前0時ピッタリに地球が産まれたとします。
そこから21時間以上経過した午後9時11分までは3つのグループだけが地球上に存在していました。

ところが午後9時11分~14分の間に38グループもの多彩な動物グループが一気に増えたのです。
これは1440分ある長い一日の時間枠の中、たった3分間の短い間で、
現在見られる動物のグループ全てが出揃った形になります。

この摩訶不思議で、未だ研究者を悩ます奇跡のような現象が「カンブリア爆発」といわれるものです。
カンブリア爆発は、われわれ地球の生命体にとってその進化を語るときには
はずせない大事件ということです。