カテゴリー
その他 新生代

「生きている化石」腕足類

『シャミセンガイ』日本では三味線に似た形からこの名がついていますが、
中国では舌やモヤシに例えられているようです。

福岡、熊本、佐賀などの有明海では「メガジャ」とも呼ばれています。
腕足類の中で唯一、食用として煮付けや味噌汁などとして食されています。

『スピリファー(燕石)』翼を広げたツバメのような形から、「燕石(エンセキ)」とも呼ばれています。
殻の表面には放射状の線が入っていて、内部には螺旋状の腕骨があります。

中国医学の漢方では「石燕(セキエン)」という薬名で治療薬として用いられています。
この燕石、昔はツバメが石になったと信じられていました。
また酢の中に入れるとオスの石とメスの石が追いかけ回るとも言い伝えられています。
実際に燕石の一部を塩酸などに浸すと、生きているかのように泡を吹いて動いたそうです。
不思議ですよね!

なぜこのような現象になるか・・・。
そのからくりは、石炭質だった殻が石になることで、炭酸カルシウムになったため、
酸と反応して二酸化炭素の泡を噴出したからなのです。

カテゴリー
その他 古生代

腕足類(腕足動物)

腕足類は古生代のカンブリア紀(約5億4500万年前)に出現した海生無脊椎動物です。
デボン紀に繁栄しましたが、古生代末の大量絶滅の影響をうけ多くの種が消えてしまいました。

古生代には約3~4万種いましたが今では約250~350種ほどです。
腕足類の特徴は二枚貝のように2枚の貝をもつ点です。
しかし二枚貝との関係はありません。

見た目は二枚貝に似ていますが全く別の動物なのです。
二枚貝と腕足類の形はじっくり観察すると少し違うことに気付きます。

二枚貝の殻は「右殻」「左殻」、腕足類の殻は「腹殻」「背殻」と呼ばれます。
二枚貝は「右殻」と「左殻」が対になっていて2枚の殻の形は対象ですが、1枚の殻の形は非対称です。
腕足類は1枚の殻の形はほぼ左右対称で、2枚の殻の形は非対称です。

腕足類は骨格で支えられた「触手冠」を持っています。
触手冠は呼吸と餌を採るためにあり、これが名前の由来ともいわれています。

学名の「Brachiopoda」はギリシャ語で腕を意味する「brachium」と
足を意味する「poda」を合わせたものです。

古生代においては腕足類も示準化石として利用されています。(示準化石は
地層の対比や地質時代決定に役立つ化石のことです。標準化石ともいいます。)

カテゴリー
その他

世界中の言語で「化石」を表してみよう

世界中の言語で「化石」という言葉を以下に示しました。
fossilという文字を使っているのが多いですね。

英語= Fossil
アイスランド語= steingervingur
アイルランド語=iontaiseach
アゼルバイシャン語=qazıntı
アフリカーンス語=Fossiele
アラビア語=الأحفوري
アルバニア語=fosil
アルメニア語=բրածո
イタリア語=fossile
イディシュ語=פאָססיל
インドネシア語=fosil
ウェールズ語=ffosil
ウクライナ語=викопне
ウルドゥ語=جیواشم
エストニア語=fossiilsed
エウペラント語=fosilia
オサンダ語=fossiel
カタロニア語=fòssil
ガリシア語=fósil
ギリシャ語=ορυκτά
グジャラト語=જીવાશ્મ
クレオール語(ハイチ)=fosil
クロアチア語=fosil
スウェーデン語=fossilt
スペイン語=fósil
スロバキア語=fosílne
スロベニア語=fosilni
スワヒリ語=mafuta
セルビア語=фосил
タイ語=ซากพืชซากสัตว์
タガログ語=Fossil
タミル語=படிம
チェコ語=fosilní
デンマーク語=fossil
ドイツ語=Fossil
トルコ語=fosil
ノルウェー語=fossil
バスク語=fosilen
ハンガリー語=Fossil
ヒンディー語=जीवाश्म
フィンランド語=fossiilinen
フランス語=fossile
ブルガリア語=фосил
ベトナム語=hóa thạch
ヘブライ語=מאובן
ベラルーシ語=выкапень
ペルシア語=فسیل
ポーランド語=kopalny
ポルトガル語=fóssil
マケドニア語=фосилни
マルタ語=fossili
マレー語=fosil
ラテン語=fossile
ラトビア語=fosilā
リトアニア語=Iškastinis
ルーマニア語=fosilă
ロシア語=ископаемое
韓国語=화석
中国語=化石

「fossil」の語源は、ラテン語で「掘ること」を意味するfossio(掘ること)や
「掘りだされた」を意味するfossilisからきています。

カテゴリー
中生代 恐竜

草食恐竜の驚異的な成長ぶり

ヒパクロサウルスは今から約8000万年〜6700万年前(白亜紀後期)の北米に生息した
草食恐竜で、頭部に成長とともに発達する特徴的な半月形のトサカを持っていました。

大型肉食恐竜ティラノサウルス・レックスは、このヒパクロサウルスが好物だったようです。

ヒパクロサウルスの成体の体長は約9mと、ティラノサウルスとほぼ同じ大きさですが、その成長速度は
とても早く、ティラノサウルスが幼体から成体になるまで20年くらいかかったところを、ヒパクロサウルス
はたった10〜12年しか要さなかったことが脚の骨の調査で判明しました。

面白いことに、卵の中にいる時から成長は始まっていて、
その速さは肉食恐竜の約3〜5倍といわれています。

そのため性的成熟もとても早く、2~3歳で子供を産み始めていたとされているのです。
ヒパクロサウルスの胎児や幼体の骨の化石を調べると、断面には
血が勢いよく流れていたことを示す大きな空間があります。

このことは、驚異的な早さで成長した様子を物語っています。
こうした成長の早さは、角や牙をもたないヒパクロサウルスが肉食恐竜から
自らを守るための防衛策として種の保存本能が働いたためとされています。

カテゴリー
中生代 恐竜

恐竜界における父親の子育て(その1)

子育てをする恐竜の中に、父親の恐竜がいることを知っていますか?
トオロドンを例に挙げましょう。

トロオドンは中生代の白亜紀後期に北米に生息した小型獣脚類です。
現生の鳥類は、9割以上の種のオスが卵をあたためたり、餌を子どもたちに与えたりと、
育児に積極的に参加しているようですが、恐竜のなかでも鳥類にちかいとされる
トロオドンにはその傾向があったようです。

現生の鳥類では、親鳥が一度にあたためる卵の総容量(大きさ×数)は、
オスが育児に関わっているかいないかで違うようです。

オスに育児を任せられる場合、メスは卵を産む事に集中できるため
より大きくたくさんの卵を産むことができるとされています。

トロオドンの父親が子育てをしていたと考えられる理由として、
お母さん恐竜が一度にたくさんの卵を孵していたことがあげられます。
その数は約20〜30個と多く、また卵の大きさも親の体に比べては大きなものでした。

全長約9mのマイアサウラとよばれる恐竜の卵のサイズは大体15㎝ほどで、
全長約1.8mのトロオドンの卵が大体14㎝ほどとされています。
この数字からもその大きさが想像できますね。

トオロドンの卵の総容量は、現生の鳥ではダチョウやエミューといった、
オスのみが子育てをする種の卵の総容量に近いようです。
そのため、トロオドンの父親は卵をあたため子育てをしていたと考えられるのです。

カテゴリー
中生代 恐竜

恐竜界における父親の子育て(その2)

卵を抱え温めていたとされるのが父親であるとされるトオロドン。
この推察のもうひとつの理由となる点が「骨髄骨(こつずいこつ)」の有無です。
「骨髄骨」とは足のなかでも大きな骨にあたる、大腿骨(だいたいこつ)の内側にある骨です。

骨髄骨は、鳥類のメスの産卵時期のみに現れる特殊なもので、ここから殻の原料となるカルシウム
やリンが供給されていたようです。(この骨髄骨はティラノサウルスなどにもあったとされています。)

卵を抱き抱えていたトロオドンの恐竜の骨を調べた結果、
産卵時期に特徴的なメスの骨髄骨は発見されませんでした。
骨髄骨がなければオスという可能性が考えられます。
もちろん骨髄骨が発見されなかったといって、卵をあたためていたのが確実に
オス(=父親)であるとはいいきれませんが、父親が育児に関わっていた
可能性を示唆する、新たな発見になったようです。

カテゴリー
中生代 恐竜

子育て恐竜マイアサウラ(その2)

子育て恐竜として名高いマイアサウラ。
彼らの赤ちゃんが巣の中で大事に育てられたと言える理由として、2つあります。

それは巣の中の卵の様子と、赤ちゃんの歯からよみとることができます。

まず、発見された巣の中に、粉々となった卵の殻が発見されたことです。
これは巣の中に長い間いたという証拠になるのです。
もし殻をつきやぶり、生まれてすぐに巣を出ていたら、卵の殻はもっと綺麗な形で残っているはずです。

2つ目に、発見された赤ちゃんの化石が、まだ巣の外へ出ることも
できなかったのに歯が摩耗していたことが挙げられます。

餌を取ることもできないのにどうして歯がすり減るのでしょう?
なぜなら、母親のマイアサウラが運んでくれた餌を巣の中で食べていたからです。

つまり、赤ちゃんの歯のすり減りが確認されたということは、母親恐竜が
運んでくれた餌を食べて巣の中で大きくなった証拠になるというわけです。

マイアサウラの赤ちゃんは、生まれた時の体長が約30㎝で、
生後半年ごろには約1mを超えていたとされています。
我が子のために餌を運ぶ母親と、スクスク育っていく子どもたちの様子が目に浮かびますね。

でも、この子育て説を否定する声もあるのです。
そのひとつに巣の中からシデムシとよばれる化石が発見されているものもあり、
粉々になった卵はこの虫の仕業ではないかということです。

また、卵から孵る前から歯は磨耗していたとされ、餌を与えられてたわけではないという説が
あるのです。(シデムシとは動物の死体を餌とする虫で漢字では埋葬虫と表記されます。)

どちらが本当なのでしょうか?

子育てをしていたとされる恐竜はマイアサウラ以外にもいます。

カテゴリー
中生代 恐竜

子育て恐竜マイアサウラ(その1)

中生代白亜紀後期に北米に生息した「マイアサウラ」を知っていますか?
恐竜の中で初めて本格的に子育てを行ったとされる草食恐竜です。

1979年、アメリカのモンタナ州でマイアサウラの巣と赤ちゃん恐竜の化石が発見されました。
直径約1m、深さ約50㎝の巣はいくつか発見されたそうですが、それぞれの巣は間違えて
踏みつぶしてしまわないように親の体長と同じ距離ほど離れていたようです。

巣の中には植物の化石も発見されているため、植物の発酵による熱を活かして
卵を温めていたのではないかと考えられています。
こうして生まれた恐竜の赤ちゃんは、体長約1m以上に成長するまで巣の中で大事に育てられたようです。

カテゴリー
その他 中生代

恐竜の名前の由来~学名に使われる言葉②~

タルボサウルス(Tarbosaurus)

ダイノ・ディノ→恐ろしい(例:ダイノサウルス〜恐竜)
タルボ→警告(例:タルボサウルス〜警告するトカゲ)
ティタン→巨大な(例:アナトティタン〜巨大なアヒル)
ティラノス→暴君(例:ティラノサウルス〜暴君トカゲ、エオティラノス〜夜明けの暴君)
ディ→2つの(例:ディプロドクス〜2つの梁、ディメトロドン〜2つの手段の歯)
トリ→3つの(例:トリケラトプス〜3つの角のある顔、トリコドン〜3つのキリの歯)
ドン→歯(例:イグアノドン〜イグアナの歯、トロオドン〜傷つける歯)

ニクス→爪(例:ディノニクス〜恐ろしい爪、バリオニクス〜重々しい爪)
ノトス→南の(例:ギガノトサウルス〜巨大な南のトカゲ)
ノド→こぶ(例:ノドサウルス〜こぶトカゲ)
パキ→分厚い(例:パキケファロサウルス〜分厚い頭のトカゲ、パキソノサウルス〜分厚い鼻を持つトカゲ)
バリ→重い(例:バリオニクス〜重々しい爪)
プテリクス→翼、鳥、羽(例:アーケオプテリクス〜始祖鳥)
プラ(テオ)→平らな(例:プラテオサウルス〜平らな爬虫類、プラノケファロサウルス〜平らな頭のトカゲ)
ブラキオ→腕(例:ブラキオサウルス〜腕トカゲ)
プロト→最初の、早期の(例:プロケラトプス〜最初の角のある顔)

マイア→(良い)母(例:マイアサウラ〜良い母トカゲ、エオマイア〜夜明けの母)
ミクロ→小さな(例:ミクロラプトル〜小さな略奪者)
ミムス→もどき、模倣者(例:オルニトミムス〜鳥の模倣者、ストルティオミムス〜ダチョウもどき、)
メガ→大きな(例:メガロサウルス〜大きな龍、メガロドン〜大きな歯)
モノ→1つの(例:モノニクス〜1本の爪)
ラプトル→略奪者、泥棒(例:オヴィラプトル〜卵泥棒、バンピラプトル〜小さな略奪者)
レプト→やせた、小さい、取るにたならい(例:レプトケラトプス〜角のあるやせた顔)
ロフォ→とさか(例:クリオロフォサウルス〜氷のトサカを持つトカゲ)

カテゴリー
その他 中生代

恐竜の名前の由来~学名に使われる言葉①~

連結したトカゲこと、アンキロサウルス(Ankylosaurus)

アーケオ→古代の、始まりの(例:アーケオプテリクス〜始祖鳥、アーケオティリス〜始まりの窓)
アナト→アヒル(例;アナトティタン〜巨大なアヒル)
アパーティ→騙す、まやかす(例:アパトサウルス〜惑わせ竜)
アンキロ→連結、曲がった(例:アンキロサウルス〜連結したトカゲ)
ヴェロキ→素早い、すばしっこい(例:ヴェロキラプトル〜すばしっこい泥棒)
エイニオ→野牛、水牛(例:エイニオサウルス〜水牛トカゲ)
エオ→夜明けの、暁の(例:エオラプトル〜夜明けの泥棒、エオティラヌス〜夜明けの暴君)
オルニト→鳥(例:オルニトミムス〜鳥の模倣者)
オプス→顔(例:レプトケラトプス〜角のあるやせた顔)

カルカロドントサウルス(Carcharodontsaurus)

カウディア→尻尾(例:カウディプテリクス〜尾にある羽毛)
カスモ→穴(例:カスモサウルス〜穴のあいたトカゲ)
カルカロス→ギザギザの(例:カルカロドントサウルス〜ギザギザの歯のトカゲ)
カンプト→曲がった(例:カンプトサウルス〜曲がったトカゲ)
ギカース→巨人(例:ギガノトサウルス〜巨大な南のトカゲ)
グナトゥス→顎(例:キノグナトゥス〜犬の顎)
ケファロ→頭(パキケファロサウルス〜分厚い頭のトカゲ)
ケラトス→角(例:ケラトサウルス〜角をもつトカゲ)
コンプソ→かわいい、上品な(例:コンプソグナトゥス〜かわいい顎)

スピノサウルス(Spinosaurus)

サウラ→トカゲ“女性的意味”(例:マイアサウラ〜良い母トカゲ)
サウルス→トカゲ(例:ダイノサウルス〜恐竜、ティラノサウルス〜暴君トカゲ)
ステゴ→屋根(例:ステゴサウルス〜屋根をもつトカゲ)
スーパー→特大、優れた(例:スーパーサウルス〜特大の竜)
スピノ→棘(例:スピノサウルス〜棘のあるトカゲ)
スピス→甲羅
セイスモ→地震(例:セイスモサウルス〜地震トカゲ)