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中生代 恐竜

草食恐竜の驚異的な成長ぶり

ヒパクロサウルスは今から約8000万年〜6700万年前(白亜紀後期)の北米に生息した
草食恐竜で、頭部に成長とともに発達する特徴的な半月形のトサカを持っていました。

大型肉食恐竜ティラノサウルス・レックスは、このヒパクロサウルスが好物だったようです。

ヒパクロサウルスの成体の体長は約9mと、ティラノサウルスとほぼ同じ大きさですが、その成長速度は
とても早く、ティラノサウルスが幼体から成体になるまで20年くらいかかったところを、ヒパクロサウルス
はたった10〜12年しか要さなかったことが脚の骨の調査で判明しました。

面白いことに、卵の中にいる時から成長は始まっていて、
その速さは肉食恐竜の約3〜5倍といわれています。

そのため性的成熟もとても早く、2~3歳で子供を産み始めていたとされているのです。
ヒパクロサウルスの胎児や幼体の骨の化石を調べると、断面には
血が勢いよく流れていたことを示す大きな空間があります。

このことは、驚異的な早さで成長した様子を物語っています。
こうした成長の早さは、角や牙をもたないヒパクロサウルスが肉食恐竜から
自らを守るための防衛策として種の保存本能が働いたためとされています。