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恐竜の卵にまつわる話②

恐竜の名前で、「卵どろぼう」という、何とも不名誉な名前を与えられた恐竜をご存知ですか?
それはオビラプトルという恐竜です。

中央アジア探検隊が恐竜の卵を初めに見つけたとき、見つけた卵は本当はオビラプトルのものだったのに、
勘違いされてプロトケラトプスの卵と判定していました。

卵の近くで発見されたオビラプトルの化石。
ちょうど卵を食べるのに適した頭のつくりだったので、
てっきりプロトケラトプスの卵を襲っていたのだろうと考えられました。
だから学者は、名前をつける際、「卵どろぼう」という意味の「オビラプトル」と命名したのです。

1990年代に入って、勘違いだったということが分かりましたが、名前は変わりようがありません。
オビラプトルは、本当は卵をぬすんでいたわけではなく、自らの卵を大事に守っていたのですね。

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恐竜の卵にまつわる話①

みなさん、恐竜は何から生まれるかご存知でしょうか?
そう、卵から生まれるのです。
最近、「恐竜の卵」とよばれるアイスも登場しているとか。

全長30mを超えるような大きな恐竜でも、30cm程度の卵から産まれたそうです。
30cmの卵というと大きな感じがしますけどね。

さて、恐竜は卵から生まれるという事実を明らかにしたのは、1923年、
アメリカ人研究者アンドリュース率いる、中央アジア探検隊でした。
中央アジア探検隊がモンゴルで見つけた卵は楕円形をしていました。

探検隊は、この卵は白亜紀後期に生息していた角竜、プロトケラトプスの卵だと考えられていました。
でも、後に同じ形の卵の中からオビラプトルの赤ちゃんが見つかったことから、
いまではこの卵はオビラプトルだったと分かっています。

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恐竜は外温性動物?それとも内温性動物!?

みなさん、恐竜は生き物のグループとして、はちゅう類の仲間に入ることをご存知ですか?
はちゅう類はトカゲやカメ、ヘビ、ワニなどのグループのことです。
これらの生き物はみな外温性(がいおんせい)動物なのでが、
一部の恐竜は我々ほ乳類のように内温性(ないおんせい)動物だったものもいるのです。

内温性、外温性とは何でしょう?
我々人類は、ご飯を食べて体内でエネルギーから熱を作り、体温を一定に保っています。
人間の体温は大抵36度前後ですよね。
冬場、気温が寒かったから体温が一気に10度下がった、なんてことはありません。
気温にそこまで影響されずに活動できるのが内温性動物の特徴です。

一方、は虫類や両生類みたいに、日光などで体を温めて、
自分の体内では熱をつくらずに活動しているのが外温性動物です。
彼らは自分が食べたものから熱を作り出すという必要がないので、
食べるものが少なくても生きていけるというメリットがあります。

ただし、外の気温が上がりすぎたら同時に体温が上がったり、
気温が下がりすぎたら体温が下がって活動がにぶくなくなるのです。
外気によって活動に影響があるのが外温性動物の特徴です。

恐竜は、はちゅう類の仲間なので、後者の外温性動物だったと考えられていました。
中生代という、恐竜が生息していた時代は地球が暖かかったので、
外温性でも比較的活動はしやすかったようです。
でも、羽毛の生えている恐竜がいるなど、研究が進むにつれ新たに発見があって、
恐竜には内温性のものもいたのでは、と考えられるようになりました。

一部の小型恐竜などは、体に羽毛を生やして体温を保っていたようです。
われわれが冬場、ダウンジャケットを身にまとって体を温めているのと同じ論理です。

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日本の恐竜あれこれ

日本ではじめて恐竜の化石が発見されたのは1978年のことです。
岩手県岩泉町から竜脚類の上腕骨が見つかったのです。
その後、北海道や群馬、長野や徳島、山口、熊本県など日本各地で次々と恐竜の化石が発見されました。

近年では兵庫県丹波市篠山群層のタンバリュウなどが有名です。
日本で化石発見地帯となっている、一番有名な地層が「手取(てとり)層」とよばれる地層です。
手取層は、福井県、石川県、富山県、岐阜県など、北陸一帯に分布している、
ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけて川や湖でできた地層です。

この地層では日本の恐竜で初めて学名がついた福井県のフクイラプトルが発掘されています。
フクイラプトルは全長4.2mほどありました。
前足のかぎ爪は、あの俊敏で獰猛なディノニクスに似ていて、体全体はアロサウルスに近かったようです。

ちなみに学名第二号も福井県勝山市でフクイサウルスといいます。
こちらはハドロサウルスに似た特徴があるんですよ。

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こっちが日本初!?ニッポノサウルス

日本ではじめて恐竜の化石が発見されたのは1978年のことと別のコラムで紹介しましたが、正確にいうと「日本列島で初めて」という注釈がつきます。
実は1934年にサハリン島とよばれる、北海道より北側の大きな島から恐竜の化石が見つかっています。
その名も「ニッポノサウルス」。
ニッポノサウルスは、鳥脚類ハドロサウルス科の仲間で、歯はなく、クチバシと小さなトサカが特徴の恐竜です。
全長約4メートル、体重約1トンの恐竜で、約8000万年前の白亜紀後期に生息していました。

現在ロシアが統治しているサハリン島は、樺太として、1905年から1946年まで日本の領地でした。
この恐竜が発見されたのは1934年、つまり当時は日本領だったために、「サハリンの日本のトカゲ」という意味の「ニッポノサウルス・サハリネンシス」という名前がついたのです。
ニッポノサウルスは北海道帝国大学(今の北海道大学)教授、長尾巧教授による、初めて日本人によって研究、記載された恐竜でした。
ですが、ロシアとの領土問題をめぐり、現在ではニッポノサウルスを「日本初の恐竜です!」と純粋に宣言するには至らない状況となっています。
ですが、ユーラシア大陸の東方で約8000万年前に恐竜が存在したという事実は変わりません。

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インテリダイナソー?頭がいい恐竜は誰だ②

一体、恐竜において頭がいいとは何を判断してのことなのか?
みなさん、疑問に感じませんか?

そう、その答えは脳の大きさです。

そうはいっても、体の大きさがまちまちな恐竜たちですから、
サイズが大きい恐竜は有利になるという不平等が生じてしまいす。
だから、脳だけの大きさでなく、脳と体の大きさの比率で計算してあるのです。

このやり方で全く正確に出るというわけにはいきませんが
(子どものほうが脳の大きさは比率にして高くなりやすいなどがあります。)一番有効です。

この方法で判断したところ、白亜紀後期に繁栄したトオロドンが
最も脳の比率が大きいということがわかったのです。
トオロドンは、全長1.5~2m、ちょうどわれわれ人類と同じくらいの長さで、
物を立体視できる大きな眼といかにもすばしっこいスレンダーな体が特徴の恐竜です。

大抵の恐竜は、現生のワニとおなじくらいの脳と体の比率なのですが、
トオロドンはそれに比べて6倍も脳の比率が高かったようです。

25m近くあろうかという、竜脚類のアパトサウルスをご存知でしょうか。
アパトサウルスの脳の比率は、体重に対して10万分の1くらいです。
それに対してトオロドンの脳の比率は1000分の1ですから、ケタが違うというわけです。

では人間は…というと、体重にもよりますが、脳と体の比率はだいたい40分1くらい。
生物の中で、いかに人間の脳が大きく発達しているかということもこれでわかりますね。