一体、恐竜において頭がいいとは何を判断してのことなのか?
みなさん、疑問に感じませんか?
そう、その答えは脳の大きさです。
そうはいっても、体の大きさがまちまちな恐竜たちですから、
サイズが大きい恐竜は有利になるという不平等が生じてしまいす。
だから、脳だけの大きさでなく、脳と体の大きさの比率で計算してあるのです。
このやり方で全く正確に出るというわけにはいきませんが
(子どものほうが脳の大きさは比率にして高くなりやすいなどがあります。)一番有効です。
この方法で判断したところ、白亜紀後期に繁栄したトオロドンが
最も脳の比率が大きいということがわかったのです。
トオロドンは、全長1.5~2m、ちょうどわれわれ人類と同じくらいの長さで、
物を立体視できる大きな眼といかにもすばしっこいスレンダーな体が特徴の恐竜です。
大抵の恐竜は、現生のワニとおなじくらいの脳と体の比率なのですが、
トオロドンはそれに比べて6倍も脳の比率が高かったようです。
25m近くあろうかという、竜脚類のアパトサウルスをご存知でしょうか。
アパトサウルスの脳の比率は、体重に対して10万分の1くらいです。
それに対してトオロドンの脳の比率は1000分の1ですから、ケタが違うというわけです。
では人間は…というと、体重にもよりますが、脳と体の比率はだいたい40分1くらい。
生物の中で、いかに人間の脳が大きく発達しているかということもこれでわかりますね。