カテゴリー
人物・植物 古生代

木の化石「珪化木(けいかぼく」

珪化木は、植物が石化した一形態を指しています。
珪化木の「珪」は、ケイ酸の「珪」。ケイ酸(SiO2)とはケイ素と酸素、
そして水素の化合物の総称です。

ブラジル産ペルム紀の珪化木

ケイ酸は土の成分の60~80%を占める成分なのですが、
あまり名前になじみがないかもしれません。
ですがケイ酸は、地球上のあらゆる生物の細胞に入っている物質です。
それは人間も然りです。

さて、珪化木はどうやってできるかご存知でしょうか?
答えは次の通りです。

古代に生えていた木が、火山や天変地異、その他さまざまな理由で土砂に埋もれたとします。
そして地層から圧縮を受けます。
そこへケイ酸を含んだ地下水が、徐々に木の細胞の中を満たしていくのです。

長い期間を経て、木の中身は、二酸化ケイ素という物質に置き換わっていきます。
二酸化「ケイ」素に変「化」した「木」。だから、珪化木と言う名前なのです。

カテゴリー
人物・植物 古生代

あの「ナウシカ」のモデルになった!?石炭紀の魅力

宮崎駿映画「風の谷のナウシカ」に大きなトンボのような昆虫や
巨大な植物が出てくるのをご存知でしょうか。
じつは、石炭紀には、まさに映画の中に出てくるような不思議な植物や昆虫の宝庫でした。

40mもの高さがあった古代植物レピドデンドロン(Lepidodendron)

巨大なサイズは、われわれ現代人を惹きつけて止みません。
大きなトンボみたいな生き物は「メガネウラ」といって、史上最大の昆虫です。
羽に脈をもち、体長が約60センチという、現代では想像しがたい大きさを誇っていました。

また、ゴキブリやナナフシの祖先といわれる「プロトファスマ」という
昆虫は体長が12センチもありました。
ゴキブリがもし12センチもあったら・・・、と背筋がひやっとした方がいるかもしれません。

何もかもが巨大でスケールの大きい世界、不思議な植物があふれる石炭紀は、
地球の歴史にとってとても重要な時代を担ってくれていました。

カテゴリー
人物・植物 古生代

今の石炭は石炭紀を作った森林のおかげ!

みなさん石炭紀という時代をご存知でしょうか?

古代石炭紀の巨木(カラミテスまたの名をロボク)

石炭紀は、地球を地質時代に分けたとき、古生代という時代の後半にあたる時代です。
今から約3億6700万年前から2億8900万年前までさかのぼります。

この時代の地層からは、たくさんの石炭が見つかるので石炭紀といわれています。
この頃の地球は、年間を通してあまり気候の変化はなく、
一年中熱帯気候であったといわれています。
そうすると、森林もたくさん増え、大気の中の酸素濃度も上がりました。

現在は21%といわれる酸素濃度が、当時は35%もあったそうです。
植物や動物が大きくなる環境が整ったのが、石炭紀でした。
湿地やその周りには高さ数十メートルにもなる巨木がたくさん生え、森林が広がっていました。

これら植物が枯れたあと、砂や土が積もって地中に長い年月を
かけて埋もれていき、石炭へ変化します。
私たち現代人が燃料として利用しているものは、遥か太古の植物の贈り物の一つなのです。

実は、日本でとれるほとんどの石炭は新生代第三紀のもので、
石炭紀の地層からはほとんどとれないそうです。
なぜでしょう?
それは石炭紀の時代、日本はまだ海の底にあったからです。

カテゴリー
アンモナイト 古生代

アンモナイトの中身~住房③~

アンモナイトが成長する上で欠かせない外套膜(がいとうまく)。
この外套膜という器官はその他にもさまざまな機能を果たしています。

七色に光るマダガスカル産アンモナイト

 

まず、外套膜はアラゴナイト(アラレ石)とよばれる殻を作り出します。
アラゴナイトというのは炭酸カルシウムが主成分からなる鉱物のことで、
真珠の輝きのような七色を作り出します。
産地や周りの鉱物の置換状況にもよりますが、
七色に美しく輝くアンモナイトが存在するのはこの外套膜のおかげです。

また、外套膜の中には外套腔という筋肉質の器官があり、そこには足の一部が
変化した漏斗(ろうと)という器官が体の外側にむけて通っています。

漏斗といえば、理科の実験でろ過をするときにろ紙と一緒に使う
ラッパ状の実験器具を思い出すかもしれません。
アンモナイトもちょうどあの管のように、筒状になっており、水の管が通っています。

漏斗から体内の水を出したり海水を入れたりしてジェット噴射をしていました。
これによって、海の中を自由自在に泳ぎ回っていたのです。

カテゴリー
アンモナイト 古生代

アンモナイトの中身~住房②~

みなさん、軟体部が成長して貝殻のサイズが合わなくなると、
アンモナイトはどうしたと思いますか?
ヤドカリのように、より大きくて住み心地のよさそうな貝殻を見つけて引越ししていたのでしょうか?

モロッコ産40cm巨大ゴニアタイト

実は、アンモナイトは軟体部の体の成長に合わせて、殻を付け足して大きくなっていきました。
ではどうやって殻を付け足すのでしょう?

アンモナイトは自らの体の中に殻を大きくする器官をもっていました。
その器官を外套膜(がいとうまく)といいます。
「外套(がいとう)」といえば、防寒などのため、一番外側に着るコートを意味する言葉です。

外套膜とは、軟体動物の体の表面をおおう膜のことで、
軟体部の入る殻の部分のすぐ下にある器官のことです。
ちょうど、寒さから身を守るコートのように、アンモナイトは
軟体部にある内臓等をコートのように覆って守っていたというわけです。

外套膜は柔らかな肉質でできていて、ここからアンモナイトの殻となる
成分を出して殻を継ぎ足していました。
主には炭酸カルシウムなどの石灰分を分泌していたようです。

カテゴリー
アンモナイト 中生代 古生代

アンモナイトの中身~住房①~

アンモナイトの殻は住房と気房に分かれます。
ここでは住房について詳しく見ていきましょう。

アンモナイトの構造

住房はアンモナイトの軟体部分を収納していた場所で、殻において大きな部分を占めています。
軟体部分には胃や消化管、肛門、神経節や触手など、
アンモナイトが生きるのに必要な器官がそろっています。

残念ながら、アンモナイトの軟体部分は保存されにくく
見つかっていないので、その全容は分かっていません。
でも、住房部分を詳しく見ていくと、軟体部の想像ができ、殻の役割も見えてきます。

まず、住房はとても硬い殻でできていますから、軟体部が傷つかないように守ってくれます。
また、敵に襲われそうになったり、威嚇されたとき、軟体部は住房の中に
ひょこっと引っ込めることができたようです。
住房を隠れ蓑としても利用していたというわけです。

カテゴリー
アンモナイト 中生代 古生代

アンモナイトの構造

アンモナイトは貝殻の中に軟体動物が収まっている生き物です。
今はもう絶滅していて見られませんが、デボン紀から
恐竜が絶滅する時期の白亜紀までは世界中の海で見られました。

光るアンモナイトイギリス産カロセラス・ジョンストニ

ちょうど見た目は陸に住む巻貝「カタツムリ」に似ていますが、
実際は頭足類で、イカやタコの遠い親戚です。

アンモナイトの貝殻は、2つの部分から成り立っています。
一つは住房といって、「住む」という字が入っているように、アンモナイトの軟体部分が収まる部分です。
もう一つは気房といって、軟体部分は収まっていない部分です。

殻の巻き終わりで太い箇所が住房、殻の巻き始めで中心部分(ヘソ部分ともいいます)から巻き途中までが気房です。

カテゴリー
中生代

ネッシーは本当に存在するのか②

ネッシーのモデルとなった首長竜であるプレシオサウルスは、本当に地球上に存在していた動物です。
プレシオサウルスは今から約2億年前の中生代三畳紀後期から
ジュラ紀前期に海の中で生活していたはちゅう類です。

プレシオサウルス脊椎骨(plesiosaurus)

プレシオサウルスは全長が約2~5m、首の骨が32個もありました。
人間は首の骨が7個ですから、プレシオサウルスは人間の4.6倍も
骨の個数が多いことになり、いかに長いかわかります。
(キリンも首が長いですが数は人間と同じ7個です。キリンは一つひとつが長くて大きいのです。)

ネッシー騒動の件は結局人類が見た幻かもしれませんが、まだまだ分かりません。
それにしても、古代も現代も、地球上にはいろいろな生き物がいることですね。

カテゴリー
中生代

ネッシーは本当に存在するのか?①

「ネッシーは本当に存在するのか?」という話題は世界中で盛り上がり、
ネス湖には熱烈な肯定派で賑わい、写真をとる人も多くいます。

ネッシーモデルになった白亜紀の首長竜プレシオサウルスの歯化石

一方、否定派も多数います。
今までの科学調査によるところ、写真に収まっているネッシーと思われる物体は、
ボートの航跡や水鳥、ボート、そして流木などだったと分析されています。

ネッシー存在肯定派の中には、ネス湖に閉じ込められたプレシオサウルスが、
時代を超えて進化していったと仮定する人もいます。
でもネス湖自体は地質学的には新しく、首長竜が絶滅した白亜紀末時点では存在しないようなのです。

色々な研究をした結果、今のところ科学的根拠がないということです。
本当にネッシーが存在したかは定かではありませんが、
巨大生物に魅せられる人類の一面をネッシー騒動で垣間見たのは間違いありません。