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人物・植物 恐竜

人類が恐竜の研究を始めたのはいつ?

人類が恐竜の研究を始めた時期についてのお話です。
恐竜の研究にいち早くとりかかった国はどこでしょう?
それは、「イギリス」です。

19世紀のヨーロッパは、自然科学に対する研究が進んでいました。
そのなかで、古代に目を向ける学者たちが出てきたのです。
彼らは地層を研究する中で、はるか昔に巨大な爬虫類がいたことを知るのです。

そこで、みなさんに質問です。
世界で最初に発見された恐竜の名前をご存じですか?

その名は、「イグアノドン」。
イグアノドンの名前の由来は「イグアナの歯」という意味です。
これは、イグアナの歯ととても良く似ていることからきています。

イグアノドンは白亜紀前期に生息していた鳥脚類です。
現在の、イギリスやカナダ、ドイツといったところにいたようです。
この恐竜を発見したのはギデオン・マンテルという人物です。

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人物・植物 恐竜

探検家アンドリュースが見つけたオビラプトルの卵

オビラプトル類の卵は、巣の中で2個ずつ対になっています。
最近になって、骨盤の子宮と考えられる箇所に卵2個と卵管2本が発見されました。
研究者の間では、2本の卵管から1個ずつ卵を産んだと考えられています。

アンドリュースが初めて発見した恐竜の卵化石。
現在卵の化石は非常に貴重なものとして珍重されるとともに、
恐竜の成長過程を研究する大切な研究対象にもなっています。

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人物・植物 恐竜

映画「インディージョーンズ」モデル人物とオビラプトル②

ロイ・チャップマン・アンドリュースはインディ・ジョーンズを地でいくような人でした。
彼が未知の古代生物、恐竜を次々と発見します。

アンドリュース率いる探検隊の当初の目的は、もともとは恐竜の発見ではありませんでした。
探検隊の目的は、人類と哺乳類の起源を調べることだったようです。
その過程で、たまたま恐竜の卵や新たな恐竜を発掘したといわれています。

では、なぜゴビ砂漠へ向かっていたのでしょう?

それは当時の進化の説で、人類はアフリカで生まれたという説と、アジアで生まれたという
2つの説があり、アンドリュース率いる探検隊の中の一人がアジア説を有力視したため、
モンゴルへ行こうということになったのです。

ひょうたんからコマとはこのことでしょうか。
人類の歴史を調べに行ったら、恐竜の卵が出てきたというわけです。

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人物・植物 恐竜

映画「インディージョーンズ」モデル人物とオビラプトル①

オビラプトルによる最初の恐竜の卵を発見した、アメリカ人のロイ・チャップマン・アンドリュースは
博物学者であり、アメリカ自然博物館の館長を務めた人物です。

彼は1922~1930年の期間に5回、モンゴルのゴビ砂漠へ向かい、
たくさんの恐竜の卵を見つけた探検家として有名です。

彼は子供の頃から自然と生き物を愛していました。
大人になってからは探検隊を率いてアラスカや中国へ出かけて化石を集めていたようです。
アンドリュース率いる探検隊が発見したものの中に、モンゴルでのオビラプトルの卵以外に
プロトケラトプス(名前の由来は“最初の角竜”という意味)やヴェロキラプトル(名前の由来
は“すばやいどろぼう”という意味)といった有名な恐竜がいます。

旅の途中ではヘビやクジラ、サメ、オオカミや盗賊など、あらゆる困難に遭遇した探検隊でしたが
なんとか危機一髪、命を落とさず帰還したという逸話があります。

この話、何かに似ていると思われませんか?
そう、あの有名な映画「インディー・ジョーンズ」のストーリーです。
アンドリュースは、インディー・ジョーンズのモデルになった人物と言われています。

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中生代 恐竜

日本初の子供恐竜の歯

2012年3月1日、兵庫県立人と自然博物館が丹波竜の歯とみられる化石を2点みつけたと発表しました。
2つの歯は、兵庫県丹波市山南町の約1億1000万年前
(白亜紀前期)の地層「篠山層群」から発掘されました。

それぞれの歯のサイズは1つが長さ1.5㎝で直径2.5㎜、
もう1つが長さ2.5㎝で直径6.4㎜でした。
1つはこれまで日本で見つかった恐竜の歯のなかで最も小さいため子供の恐竜の歯とみられています。

2008年に福井県勝山市の約1億2000万年前(白亜紀前期)の地層から
イグアノドン類の子供とみられる歯骨(下あごの骨)は発見されていますが、
歯が見つかったのは日本では初めてのことです。

1978年に岩手県で最初の恐竜化石が発掘されてから約30年、
日本各地で恐竜化石が発見されています。

今日まで大人の歯化石は発見されていますが、子どもの歯が発見されたことで、
彼らの生態をひもとくヒントになるかもしれません。
いずれにせよ、とても子どもの化石はとても貴重だといえます。

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中生代 恐竜

草食恐竜の驚異的な成長ぶり

ヒパクロサウルスは今から約8000万年〜6700万年前(白亜紀後期)の北米に生息した
草食恐竜で、頭部に成長とともに発達する特徴的な半月形のトサカを持っていました。

大型肉食恐竜ティラノサウルス・レックスは、このヒパクロサウルスが好物だったようです。

ヒパクロサウルスの成体の体長は約9mと、ティラノサウルスとほぼ同じ大きさですが、その成長速度は
とても早く、ティラノサウルスが幼体から成体になるまで20年くらいかかったところを、ヒパクロサウルス
はたった10〜12年しか要さなかったことが脚の骨の調査で判明しました。

面白いことに、卵の中にいる時から成長は始まっていて、
その速さは肉食恐竜の約3〜5倍といわれています。

そのため性的成熟もとても早く、2~3歳で子供を産み始めていたとされているのです。
ヒパクロサウルスの胎児や幼体の骨の化石を調べると、断面には
血が勢いよく流れていたことを示す大きな空間があります。

このことは、驚異的な早さで成長した様子を物語っています。
こうした成長の早さは、角や牙をもたないヒパクロサウルスが肉食恐竜から
自らを守るための防衛策として種の保存本能が働いたためとされています。

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中生代 恐竜

恐竜界における父親の子育て(その1)

子育てをする恐竜の中に、父親の恐竜がいることを知っていますか?
トオロドンを例に挙げましょう。

トロオドンは中生代の白亜紀後期に北米に生息した小型獣脚類です。
現生の鳥類は、9割以上の種のオスが卵をあたためたり、餌を子どもたちに与えたりと、
育児に積極的に参加しているようですが、恐竜のなかでも鳥類にちかいとされる
トロオドンにはその傾向があったようです。

現生の鳥類では、親鳥が一度にあたためる卵の総容量(大きさ×数)は、
オスが育児に関わっているかいないかで違うようです。

オスに育児を任せられる場合、メスは卵を産む事に集中できるため
より大きくたくさんの卵を産むことができるとされています。

トロオドンの父親が子育てをしていたと考えられる理由として、
お母さん恐竜が一度にたくさんの卵を孵していたことがあげられます。
その数は約20〜30個と多く、また卵の大きさも親の体に比べては大きなものでした。

全長約9mのマイアサウラとよばれる恐竜の卵のサイズは大体15㎝ほどで、
全長約1.8mのトロオドンの卵が大体14㎝ほどとされています。
この数字からもその大きさが想像できますね。

トオロドンの卵の総容量は、現生の鳥ではダチョウやエミューといった、
オスのみが子育てをする種の卵の総容量に近いようです。
そのため、トロオドンの父親は卵をあたため子育てをしていたと考えられるのです。

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中生代 恐竜

恐竜界における父親の子育て(その2)

卵を抱え温めていたとされるのが父親であるとされるトオロドン。
この推察のもうひとつの理由となる点が「骨髄骨(こつずいこつ)」の有無です。
「骨髄骨」とは足のなかでも大きな骨にあたる、大腿骨(だいたいこつ)の内側にある骨です。

骨髄骨は、鳥類のメスの産卵時期のみに現れる特殊なもので、ここから殻の原料となるカルシウム
やリンが供給されていたようです。(この骨髄骨はティラノサウルスなどにもあったとされています。)

卵を抱き抱えていたトロオドンの恐竜の骨を調べた結果、
産卵時期に特徴的なメスの骨髄骨は発見されませんでした。
骨髄骨がなければオスという可能性が考えられます。
もちろん骨髄骨が発見されなかったといって、卵をあたためていたのが確実に
オス(=父親)であるとはいいきれませんが、父親が育児に関わっていた
可能性を示唆する、新たな発見になったようです。

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中生代 恐竜

子育て恐竜マイアサウラ(その2)

子育て恐竜として名高いマイアサウラ。
彼らの赤ちゃんが巣の中で大事に育てられたと言える理由として、2つあります。

それは巣の中の卵の様子と、赤ちゃんの歯からよみとることができます。

まず、発見された巣の中に、粉々となった卵の殻が発見されたことです。
これは巣の中に長い間いたという証拠になるのです。
もし殻をつきやぶり、生まれてすぐに巣を出ていたら、卵の殻はもっと綺麗な形で残っているはずです。

2つ目に、発見された赤ちゃんの化石が、まだ巣の外へ出ることも
できなかったのに歯が摩耗していたことが挙げられます。

餌を取ることもできないのにどうして歯がすり減るのでしょう?
なぜなら、母親のマイアサウラが運んでくれた餌を巣の中で食べていたからです。

つまり、赤ちゃんの歯のすり減りが確認されたということは、母親恐竜が
運んでくれた餌を食べて巣の中で大きくなった証拠になるというわけです。

マイアサウラの赤ちゃんは、生まれた時の体長が約30㎝で、
生後半年ごろには約1mを超えていたとされています。
我が子のために餌を運ぶ母親と、スクスク育っていく子どもたちの様子が目に浮かびますね。

でも、この子育て説を否定する声もあるのです。
そのひとつに巣の中からシデムシとよばれる化石が発見されているものもあり、
粉々になった卵はこの虫の仕業ではないかということです。

また、卵から孵る前から歯は磨耗していたとされ、餌を与えられてたわけではないという説が
あるのです。(シデムシとは動物の死体を餌とする虫で漢字では埋葬虫と表記されます。)

どちらが本当なのでしょうか?

子育てをしていたとされる恐竜はマイアサウラ以外にもいます。

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子育て恐竜マイアサウラ(その1)

中生代白亜紀後期に北米に生息した「マイアサウラ」を知っていますか?
恐竜の中で初めて本格的に子育てを行ったとされる草食恐竜です。

1979年、アメリカのモンタナ州でマイアサウラの巣と赤ちゃん恐竜の化石が発見されました。
直径約1m、深さ約50㎝の巣はいくつか発見されたそうですが、それぞれの巣は間違えて
踏みつぶしてしまわないように親の体長と同じ距離ほど離れていたようです。

巣の中には植物の化石も発見されているため、植物の発酵による熱を活かして
卵を温めていたのではないかと考えられています。
こうして生まれた恐竜の赤ちゃんは、体長約1m以上に成長するまで巣の中で大事に育てられたようです。