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中生代 恐竜

恐竜・足跡化石の話①

公式記録に残る恐竜の足跡化石は、1800年初頭にアメリカ
マサチューセッツ州で少年が足跡化石を発見したものです。

しかし、当時はこの足跡が恐竜のものでなく、大きな鳥のものと思われていました。
その後、恐竜足跡の研究が行われていくうちに様々なことがわかってきました。

化石として残る足跡には二通り(凹型と凸型)あります。
1つは、へこんでくぼみとして残る足跡です。
凹型の足印で、いわゆるネガ化石といいます。

もう1つは、くぼみに砂がたまって地層が重なったあとその部分だけが特に
かたくなって上の地層が削られ足跡が地表にあらわれ型として残ったものです。
凸型の足印で、いわゆるポジ化石といいます。

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世界の化石産地【カナダ州立恐竜公園(Dinosaur Provincial Park)】

・カナダのアルバータ州カルガリーにある州立公園です。
・1979年に世界自然遺産に登録されました。

・今では「バッドランド」と呼ばれる荒涼とした大地が
広がっていますが、その昔は亜熱帯で恐竜の楽園でした。

・世界最大級の恐竜化石層があり、約40種類の化石が発見され
500以上の標本が世界中の博物館で展示されています。

・1884年、考古学者によって恐竜の骨が大量に発見されたことで
注目されるようになりました。

・恐竜公園は、基盤となるオールドマン層(Oldman Formation)と、
その上の恐竜公園層(Dinosaur Park Formation)、そして
最上層のベアパウ層(Bearpaw Formation)の3層からなります。

・浸食によりむき出しになった7500万年前の地層からは、
白亜紀に生息した恐竜の化石が多数発見されています。

・恐竜の化石だけでなく、淡水に棲息していた脊椎動物の両生類や
爬虫類、魚類、鳥類、巨大植物など様々な化石がみつかっています。

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世界の化石産地【澄江(チェンジャン)化石②】

・2011年、澄江動物(生物)群が世界自然遺産へ申請されました。

・澄江動物(生物)群で最も有名なのが1999年に発見された、
魚に似た2種の無顎類(別名:円口類)です。
これらの名前をミロクンミングイア(myllokunmingia)【中国名:昆明魚】と
ミロクンミングイア・フェングイアオア(myllokunmingiafengjiaoa)
【中国名:豊嬌昆明魚】といいます。

この発見により最古の脊椎動物の出現が約5000万年も前にさかのぼりました。
その前は、オルドビス紀に生息したアランダスピスとされていました。

・発掘される生物は多様性に富み、100種類以上が報告されていてます。
そのうち半数以上を節足動物が占めています。

・ほとんどの化石が平坦または平坦に近い形の印象化石ですが、
なかに立体的な化石もみられます。

・澄江動物(生物)相のみからみつかる化石も多く、また所属不明の動物も
みつかっていて、ユンナノゾーンやバトファスキクルスなどがあります。

・ユンナノゾーン(Yunnanozoon)は体長約4㎝で脊椎動物とも
半索動物ともいわれています。

・バドファスキクルス(Batofasciculus)は長さ5㎝以上で独立した10本ほどの
枝からなり硬い棘をもっていて度々、立体的なものが見つかっています。

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世界の化石産地【澄江(チェンジャン)①】

・中国雲南省澄江、総面積約18k㎡・カンブリア紀初期
(約5億3000年前)の地層です。

・バージェス動物群によく似た化石が1980年代に発見され、
注目を集めています。(バージェス動物群はカナダのブリティッシュ
コロンビア州のバージェス頁岩から発見される動物化石です。)

・バージェス頁岩(約5億1500年前のカンブリア紀地層)は黒色
の頁岩層ですが、澄江の地層は黄色みを帯びています。

・澄江の化石を産出する堆積物は、まず軟質の泥として堆積し
、それが固まって灰色の泥岩となります。
その後、風化によって色が黄色へと変化していくのです。

・澄江から発見される化石を澄江動物群(生物群)と呼びます。
極めて保存状態のよい多種多様な化石が見つかっています。

・澄江動物群の化石は、その当時の動物相を知るうえで大切な資料とされて
います。(動物相とは特定の場所と時間における動物をあらわす集合的な用語です。)

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世界の化石産地【ランチョ・ラ・ブレア(Rancho LaBrea)】

・ラ・ブレア・タールピット(La Brea TarPits)とも呼ばれています。
・アメリカのロサンゼルスにある天然アスファルトが湧き出る浅い池です。

・ブレアとはスペイン語で天然アスファルト(タール)を意味します。
・1870年代、石油の採掘が行われていましたが、その後20世紀初頭から第4紀〜
最後の氷河期時代(約40000年前〜約4000年前)の化石が大量に発見されています。

・現在までに約350万点、650種類以上の化石が発見されています。
・地表に滲み出た天然アスファルトに動物が足をとられ、そのまま
化石化し、堆積したとこで良質で保存状態の良い化石となっています。

・ナマケモノ・ウマ・バイソン類などの草食動物から、
彼らを餌としたスミロドン・アメリカライオン・ダイアウルフ
などの捕食動物の化石が非常に多く発見されています。

・1977年に実業家のジョージ・C・ページの寄付によって建設された
博物館でランチョ・ラ・ブレアの化石を見ることができます。

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世界の化石産地【ナミブ砂漠(Namib Desert)】

・アフリカ南西部に位置するナミビア共和国の大西洋側にあります。
・東西に約50〜150㎞に広がり、南北に約1500〜2000kmにつづく
細長い砂漠です。

・約8000万年前に生まれた、世界で最も古い砂漠として有名です。
・アプリコット色の美しい砂漠としても知られています。

・生きた化石といわれる「ウェルウィッチア」が生息しています。
・ウェルウィッチアは、1億年程前に出現し、当時から現在に至って
ほぼ同じ姿をした植物化石です。

ウェルウィッチアは寿命が長いことで知られていて、
長寿なものでは2000年以上も生きることが可能です。
ナミブ砂漠でのみ生育し、生涯1対2枚の葉しかもたないといわれています。

・近年、オアシスのブランドバーグ(Branden-burg=炎の山)で、
4500年前の琥珀の中に閉じ込められた化石と知られている昆虫
「グラディエーター(Gladiator)」が現存することがわかりました。

・エディアカラ生物群の化石がみつかっています。
・1946年にオーストラリアのエディアカラから発見されたことで、
エディアカラ生物群とよばれていますが、1908年にドイツ人により
ナミビアの先カンブリア紀の地層からすでに発見されていたともいわれています。

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世界の化石産地【アタカマ砂漠】

・チリ北部、南北約1000㎞にわたる「世界で最も乾燥した砂漠」です。
・白亜紀後期(約7000万年前)の地層から多数の化石が発見されています。

・昔は海の底だったこの地域の化石は、今は乾燥した
気候のおかげで保存状態のよいものとなっています。

・2000年、チリでは最も完全な化石とされる新種の
竜脚類の化石が発見されました。

・体長が約8〜10mで体重は約5tと推定され、属名は「アタカマの巨人」
を意味するAtacamatitanです。

・また種小名はchilensisといい、初めてチリの国名がつけられました。
(竜脚類は、尾と首が長い4足歩行をする草食恐竜で、
三畳紀後期に出現しジュラ紀に最も栄えました。)

・恐竜化石の他、アンモナイトや貝、サメの歯に
クジラの化石などが見つかっています。

【おまけ情報:アタカマ砂漠は世界一綺麗な星空が見られる
ことでも有名です。2011年より、世界最高性能の電波望遠鏡
群「ALMA(アルマ)」の観測が始まっています。】

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世界の化石産地【スーム頁岩(The Soom Shale)】

・南アフリカ共和国に分布するオルビトス紀後期
(約4億6100万年前〜約4億4400年前)の地層です。

・この地域の化石は粘土鉱物によって置換され、筋肉組織や
消化管などまで残っているものが見つかっています。

・有名なのが1993年に眼が発見されたコノドントです。https://www.kaseki7.info/c/wp-admin/post-new.php#edit_timestamp

コノドントとは円錐状の歯を意味し世界中で発見され
示準化石とされていますが、長い間その正体は不明でした。

この発見により、初期の魚類であり脊椎動物の特徴をもつことが判明しました
(示準化石とは地層の地質年代を決める指標となる化石です。)

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中国で、未知の人類の化石発見!!

2012年3月、中国南部(中国広西チワン自治区)で1989年見つかった石器時代
の骨が分析され、その結果「未知の人類のものかも知れない」と議論をよび、
話題となっています。

未知の人類は発掘現場の「馬鹿洞」にちなんで「馬鹿洞人」と呼ばれています。
特徴は平たい顔、幅広の鼻、突出した顎と眉弓、大きな臼歯、
分厚い頭蓋骨と現生人よりも原始人に近いようです。

見つかった骨は、およそ1万4500年〜1万1500年前のものと考えられ、
比較的新しい時代のものです。

この時代はネアンデルタール人や他のヒト属の種は全て絶滅したと
考えられている時代のため、これが事実だとすると、
また新たなヒトの歴史がうまれてくることになりそうです。

ネアンデルタール人の頭部

研究者からは「当時、現生人類は異なる種と共存していた可能性がある」
といったものや、「現生人類が多様性に富んでいることを示したもの」
といったように様々な意見がでており、まだまだ決着はつかないようです。

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その他 新生代

栃木でクジラの全身化石発見

2012年、栃木県宇都宮市の鬼怒川河川敷で約1千万年前の
クジラの化石が発見されました。

1千万年前というと中新世の時代、海に進出したクジラ類も
多様化したといわれている時代です。

発見されたクジラは耳の骨の特徴からナガスクジラの一種とみられ、全長約8m、
頭の骨は口先から後頭部までが1.2〜1.4m程度で成体と推定されています。

でも何故、海のない栃木県でクジラの化石が発見されたのでしょうか?
それは1千万年前の関東平野は海底であり、化石が発見された宇都宮は、
内湾により赤潮が発生しやすい状況であったことに起因します。

魚などが住める様な環境ではないおかげで、死んで海底に沈んだクジラが
食い荒らされることなく、また流されにくい内湾の場所であったために、
全身の化石が発見されるに至ったようです。