鉄石隕石を構造的に分類した以下の3種類を、もう少し詳しく見ていきましょう。
①「ヘキサヘドライト(hexahedrite)」
②「オクタヘドライト(octahedrite)」
③「アタキサイト(ataxite)」
①のヘキサヘドライトは、ニッケルを含む量が4.5〜6.5%です。
「ノイマライン」とよばれる細い平行線がみられるのが特徴です。
②鉄隕石のなかで最も一般的なのが「オクタヘドライト」です。
オクタヘドライトは、ニッケルを含む量が6.5〜13%です。
これらは、約100万年という、とてつもなく長い時間をかけて冷却されて出来た
特徴的な模様がみられます。
それらを、「ウィドマンシュテッテン構造」といいます。
(※ウィドマンシュテッテン構造はエッチング処理を
しないと見ることができません。)
③のアタキサイトは、ニッケル含有量が13%以上で、明確な内部構造をもたない
隕石といわれています。
重さ60トンもある、世界最大のナミビアのボバ隕石が、このアタキサイトです。
これまでに発見された巨大隕石は全てこの鉄隕石で、
どの隕石よりも大きく重く、また丈夫で風化や破砕に強いのです。
地球の核の成分と似ているため、他の星の核が壊れた破片と考えられています。
約5000年前、空から落ちて来た鉄隕石を発見した古代エジプト人は、
鉄が宇宙からくると考えていたようです。
そして農機具を作る材料などに加工して利用していたと思われます。