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中生代 恐竜

小さな恐竜①

恐竜といえば、何mもある大きなサイズをイメージしやすいかもしれませんが、
小さな恐竜も結構いるのです。
最小サイズに関しては、新しい化石の発見とともにどんどん変わってくるかもしれません。

が、これまで見つかっている小さな恐竜の代表選手を挙げるとすると、
まずはミクロラプトルが有名です。
「ミクロ=Micro」は小さいという意味ですが、中国の遼寧省で見つかったこの恐竜、
見た目は鳥類のようで羽毛をもった本当に小さな恐竜です。

長い尾を持っているので、全長80cmくらいはあるのですが、
体高は約8cmと低く、今でいうカラスくらいの大きさのイメージです。
ミクロラプトルは白亜紀前期に生息していました。

恐竜の中ではとても稀なのですが、常に木の上で生活していました。
それを可能にしたのは前あしにも後ろあしにも翼があったことです。
この翼を使い、木々の間を飛んで移動していたと考えられています。

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中生代 恐竜

国内初の恐竜

恐竜は世界中で大人も子どもも人気の高い古代生物です。
博物館などに足を運ぶと、日本でも恐竜たちがたくさん展示され、見ることができます。
国内で初めて恐竜の骨格が展示されたのはいつだかご存知でしょうか。

これまで数百体が発見!北米アロサウルス

答えは昭和39年、西暦1964年のことです。
国立科学博物館でアロサウルスの標本が公開されたのが最初です。

アロサウルスは全長9~12mの大型肉食恐竜で、目の上に飾りがあることで有名です。
国立科学博物館では、長い間、アロサウルスが常設展示されていましたが、
今では特別な時にのみ公開されています。
では、国内初「日本の」恐竜で全身が復元された恐竜は何でしょう?

この答えは、福井県で見つかったフクイラプトルです。
フクイラプトルは全長約4.2m、白亜紀の地層から発掘され2000年に学名がついた肉食恐竜です。
獣脚類の中ではアロサウルスに骨格が似ていることで知られています。
日本はアロサウルスにお初の縁があるのでしょうかね?

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その他 人物・植物

二足歩行する動物

現存している動物は、ほとんどが四本足で歩く動物、いわゆる四足歩行の動物です。

でも、ごくわずかですがいつも二足歩行している動物がいます。
どんな動物か思いつきますか?

答えは、我々ヒト、もうひとつは鳥です。常に二足歩行で生活しているのはこの2種類。でも両者には進化の違いがあります。

人間は進化するに従ってだんだんと二足歩行するようになりました。

一方恐竜から分かれて進化した鳥類は元々二足歩行していた動物だといえます。

実は、カンガルーも二足歩行している哺乳類です。カンガルーは、後ろ足が太く、異様に発達していて、尾がとても長い生き物です。

何となく恐竜の獣脚類に近い骨格をしていますね。彼らは四本の足で歩くよりも二足歩行したほうが少ない消費エネルギーで効率よく移動できるのです。

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恐竜

恐竜の仲間は大きく分けて2種類ある

鳥盤類のトリケラトプス(Triceratops)

三畳紀の中頃に現れた恐竜は、大きく分けて2つのグループが存在します。
一つは鳥盤類、もう一つは竜盤類です。

竜盤類のタルボサウルス(Tarbosaurusu)

 何を基準に分けているかというと、腰の骨にあたる骨盤の形が、
鳥盤類は鳥に似ていて、竜盤類はトカゲに似ているのです。

鳥盤類は、さらに細かく分けると、ステゴサウルスなどの装盾類、
トリケラトプスなどの周飾頭類、エドモントサウルスなどの鳥脚類に分かれます。
そして、竜盤類はブラキオサウルスなどの竜脚形類、ティラノサウルスなどの獣脚類、
そして始祖鳥などの鳥類に分かれます。

骨盤をもう少し詳しく見ていきましょう。
人間にもある骨盤ですが、これは腰の骨のことです。
骨盤は左右一対あって、脚と胴体をつなぎ、体を支えるといった役割や、内蔵を守る役割があります。

この骨盤の一部を担う恥骨(ちこつ)という向きが重要で、鳥盤類は恥骨の向きが後ろ長くのびています。
一方竜盤類は恥骨が前に向いているといった違いがあります。
竜盤類はワニやトカゲなどのはちゅう類の特徴にそっくりです。

面白いのは、鳥類の祖先は竜盤類から進化したという点です。「鳥」という文字がつくかので、
一見鳥盤類から進化したものと思われがちですが、違うのです。
鳥類に近くなると竜盤類の恥骨は後ろの方向に向けて長く伸びるようになったようです。

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三葉虫

三葉虫は弱い生き物!?②

デボン紀のトゲトゲ三葉虫コムラバルチンキ(Comura Bultyncki)

種によりますが、例えば体や眼にトゲをたくさん生やして武装した三葉虫がいます。
他にもちょうどかたつむりのような形をした、長く伸びた眼をもった三葉虫がいます。
海の底の泥に体を潜めながら眼だけ飛び出させて敵を観察できる
潜望鏡のような機能をもっているというわけです。

このように、簡単に襲われないようにするため、三葉虫は体にあらゆる工夫を施しています。
最も代表的なのは「エンロール」といって、ダンゴムシのように丸まって体を守る防御体制です。
背側は硬い殻で覆われている三葉虫ですが、その背側を外側に体をぐるっと丸めることで、
内蔵などの柔らかい内側部分が攻撃されないよう守っていました。

捕食されるという、立場の弱い生き物だったからこそ、三葉虫はその体に
工夫をこらしながら進化し、多様化して大グループを形成しました。
三葉虫は約3億年もの時間を、賢く生き抜いてきた賢者の生き物群とも言えます。

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三葉虫

三葉虫は弱い生き物!?①

実は三葉虫はどちらかと言えば常に弱者の立場であったようです。
どういうことかと言うと、三葉虫は出現した当時から、大型の動物によって襲われていたのです。

デボン紀三葉虫、クロタロセファルス・ギブス(Crotalocephalus gibbus)

三葉虫の出現時期は今からおよそ5億4200万年前、そして絶滅時期はおよそ2億5100万年前です。
彼らは、ざっと計算して3億年ともいう気の遠くなるような時間を生き延びた動物です。
3億年の時間を生き抜いた動物は非常に稀です。

分類レベルが異なるので一概には言えないものの、
恐竜と比べてみても、種として約2倍は長生きしています。
三葉虫はカンブリア爆発に出現し、後に魚類や両生類の出現も見届けています。

常に強い者から捕食の対象にされる立場だった三葉虫ですが、海の進化の環境に適応して、
体にありとあらゆる防御機能を施しながら生き延びてきました。

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三葉虫

三葉虫はどんな生き物?

三葉虫はカンブリア紀からペルム紀の間に生息した古生代を代表する海の生き物です。

複眼とトゲが特徴のドロトプス・アルマータス(Drotops Armartus)

ペルム紀の大量絶滅の時期に、海に住む他の無脊椎動物と同様絶滅してしまいましたが、それまで
節足動物の代表格として、約3億年間もの間、世界中の海にさまざまな種へ進化しながら生息していました。

三葉虫の化石ファンは多く、生物の進化の話をする上でも欠かせない重要な生き物として知られています。
三葉虫はその形が魅力的な生き物として人気です。
そして、とにかく多くの種類がいたと言われています。

その数、実は三葉虫にかなり詳しい研究者でも正確な数は把握できていないそうで、
分かっている限りで数万種といわれています。
数十種ではなく数“万”種です。

これほどの大グループを形成する動物は、化石で見つかった古生物の中では群を抜いています。
まだ解明されてない種が多く、今後、誰がどこで新種を発見するかわからないロマン溢れる生き物です。

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ティラノサウルス 恐竜

化石から恐竜の歩き方がわかる

ティラノサウルスなどの恐竜、テタヌラ類の尾は、地面と平行を保っていた
という事実は、今ではどの図鑑にも載っているほど常識とされています。
でもこれは化石の発見と研究によって明らかになった大発見でした。

もし恐竜の尾が地面を引きずる形をとると、体の重心が足の付け根よりも
上になるため、歩幅を狭くして歩かないと前に進めません。
まるで舞妓さんのように、おしとやかにちょちょちょっと歩くのです。

そんなティラノサウルスを想像してみてください。
ちょっと面白いですね。
尾を引きずる形だと前足を大きく一歩出せないので、
スピードも出なければ、獲物に追いつけそうもありません。

ダイナミックな狩りを可能にするには、足を一歩前に大きく出す必要があります。
でもこの動きをすると、体を保つためのバランスがくずれやすくなるという問題が出てきます。

尾でバランスをとるカルカロドントサウルス

体のバランスを保ちつつ大きな一歩を出すためには、尾が重要になったのです。
長い尾を振りながら頭部との揺れ具合を調整すれば、体全体はバランスが保てます。
頭と尾が地面に対して平行の歩き方だと、体の重心は前方向に傾きます。

体が前に傾くと、自ずと前へ歩みを進める一歩が大きくなるのです。
尾はまっすぐにしてバランスを微妙にとっていますから、
あまりぶれることなく、安定した歩きが実現できたという訳です。

これも貴重な化石がある程度の個数発見されたことと、
研究者たちのたゆまぬ研究心、そして科学技術の進歩のおかげで分かったことです。

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中生代 恐竜

恐竜と怪獣の尾についての話②

恐竜と怪獣の体型を比べると、尾の描き方の違いがポイントになってきます。
スピノサウルス、メガロサウルス、アロサウルスや、ティラノサウルスなどの恐竜は
地面と平行で「ピン!」とした尾を持つ恐竜です。

最大肉食恐竜スピノサウルス(Spinosaurus)

そもそもなぜ恐竜はこんなピンとした長い尾を持っていたのかというと、
大きな巨体をバランスをとって歩くためだと言われています。
現生の動物で恐竜のような尾の形は見かけません。

だから、たった数十年前までの恐竜復元図は、現生のトカゲのように長い尻尾は
だらんと垂れた形で描かれていました。
いわゆる「怪獣」の体つきのような感じで、ティラノサウルスなどが描かれていたのです。

もちろん歩くときは、人間のように体をまっすぐにして、
尾で体の体重を支えながら歩いていたとされていました。
今の常識と照らし合わせる何だか面白いですね。

でも、日々の研究が進んだからこそこの姿は少しおかしい…、ということになったのです。

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その他

生痕化石って何?

恐竜のウンチが化石になったように、生物そのものの化石でなく、その生物が活動した痕跡が
わかるような化石のことを生痕化石(せいこんかせき)といいます。
生痕化石は他にもいろいろあります。 

アロサウルスの足跡化石(Allosaurus)

コエロフィシスのウンチ化石

 例えば、恐竜などが歩いた跡がわかる足跡化石や、海底の泥を這った跡がわかる
三葉虫などの這跡化石といったもの、巣穴の跡なども生跡化石となります。
珍しいですが、生物そのものの化石と生跡化石が同時に見られるケースもあります。

たとえば、草食恐竜トリケラトプスがいるとします。トリケラトプスが化石として見つかったとして、
もしその背中にティラノサウルスによって負った傷があったとすれば、それはトリケラトプスの化石である
と共に、その捕食者ティラノサウルスが生きていたという証の化石、すなわち生跡化石であるともいえます。

他には、シアノバクテリアという細菌が酸素を作る過程で作られた
「ストロマトライト」という岩石も生痕化石に入ります。

縞模様が特徴のストロマトライト(Stromatolite)