前足の使い道については、研究者を長い間悩ませてきました。
使い道に関して論じられている説はいろいろありますが、最近ではティラノサウルスが
立ち上がるときの支えとして前足を使っていたのではないかという説を支持する人が出てきています。
なぜそのように考えられるのでしょうか。
それは、発掘されていたティラノサウルスを調べると、
鎖骨(さこつ)が何度も骨折した跡が見つかったからです。
鎖骨というのは、前足の付け根にある骨です。
付け根が何度も骨折していたということは、しゃがんだ体勢から立ち上がるときに、
前に重心を傾けて前足に体重をかけていたのではないかと想像できるというわけです。