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その他 中生代

消化の助け以外に胃石を飲む生き物がいる

古代ワニサルコスクス(Sarcosuchus imperator)

実は、石を飲み込む動物は現生の生き物にもいます。
代表的なのがワニです。
ワニは水の中にいますよね。

石を飲み込むことで自由に浮かんだり水の中に潜ったりする際の助けとなっているのです。
要は浮力を調整するために石を飲んでいたというわけです。

海のはちゅう類こと、水中に暮らすプレシオサウルスなどの
首長竜のお腹からも石が発見されることがあります。
これはワニと同じく、体の重心の位置を決めて浮いたり沈んだりする目的だったと考えられています。

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その他 人物・植物

生物の分類の仕方

それまでたった3門しかいなかったとされる生物群が一気に38門も増えたとされる
カンブリア紀ですが、このように生物の種類が増えたと分かったということは、
生物をいくつかのグループに分けるといった考え方が必要です。

生物は一体どのようなグループ分けがしてあるのでしょう?

まずは大きく分けて、植物と動物に分けることができそうです。
こういった大きな分類は「界(かい)」という項目の名前で分かれています。
この世にある生き物をどういう「界」に分けるかは、19世紀から現在まで
さまざまな変遷を経ていて新説が次々出ています。

次に一つずつの「界」を細かく分けたものが「門(もん)」です。
門を細分化したものが「鋼(こう)」、鋼を細分化したものが「目(もく)」目を細分化したものが
「科(か)」、そして科は「属(ぞく)」に、属は「種(しゅ)」に…とさらに細く分類されます。

大きい階級から並べると、「界門鋼目科属種(かいもんこうもくかぞくしゅ)」。
一気に読み上げてみると、何だかお経のように聞こえます。
このように、計7つの段階を経て名前が分類されるのです。

例として、ヒトの場合は次のように分類されます。
「動物界、脊椎動物門、(脊椎動物亜門)、哺乳鋼、サル目、ヒト科、ホモ属、サピエンス(種)」
何と長いですね。

こういった分類法は階層分類と呼ばれています。
みなさんがよく聞く「学名」というのは、最後の2つの階級、属と種の名称から成っています。
だからヒトの学名を「ホモ・サピエンス」と表現しているのです。

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その他 古生代

カンブリア爆発って何が爆発したの?

理科の授業などで、「カンブリア爆発が起きた」などと耳にしたことはありませんか。
一体カンブリア爆発って何だろう?何が爆発したの?とお思いになる方も多いかもしれません。

カンブリア爆発は、ずばり、「生命が一気に誕生した」ことを示しています。
それを爆発と呼んでいるのです。

地球が誕生して40億年以上経過した頃、現在からさかのぼること
約5億4000万年前のカンブリア紀に、それまで3種類ほどしかなかった動物のグループから、
一気に38種類グループが増え、生物が多様化したのです。

38種類もの生命の仲間が増えた期間はわずか数百万年。
数百万年と聞くと、とっても長いように聞こえますよね。
でも地球の歴史46億年のうちの数百万年ですから、時間の枠が大分違うんです。

分かりやすいように、地球46億年の歴史を、1日の長さに換算して比べてみましょう。
午前0時ピッタリに地球が産まれたとします。
そこから21時間以上経過した午後9時11分までは3つのグループだけが地球上に存在していました。

ところが午後9時11分~14分の間に38グループもの多彩な動物グループが一気に増えたのです。
これは1440分ある長い一日の時間枠の中、たった3分間の短い間で、
現在見られる動物のグループ全てが出揃った形になります。

この摩訶不思議で、未だ研究者を悩ます奇跡のような現象が「カンブリア爆発」といわれるものです。
カンブリア爆発は、われわれ地球の生命体にとってその進化を語るときには
はずせない大事件ということです。

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その他 人物・植物

化石発掘のエキスパートメアリー・アニングの生涯

プレシオサウルスやイクチオサウルス、また翼竜の全身骨格などを発見したメアリー・アニング。
彼女の生涯はなかなかドラマティックです。

イギリス南部の村に産まれたメアリーは15ヶ月の時に雷に打たれ、九死に一生を得ます。
雷に打たれた4人のうちメアリー1人が生き残るという、何ともすごい体験をしています。

メアリーが生まれた時代はヨーロッパで化石採集の一大ブーム期でもあり、メアリーの父親は
家具職人の傍ら、村の崖で化石を見つけては観光客に化石を売って生計を立てていたようです。
でも、父親はメアリーがわずか11才の時結核で亡くなり、生活が苦しくなってきます。

そこで、メアリーは生きるために兄と化石採集をするのです。
彼女はたった12才のときに、イクチオサウルスの全身骨格を見つけるというすごいことをしたのです。
イクチオサウルスはそれまで発見されていたとはいえ、全身骨格を発掘したのは初めてのことでした。

19世紀当時、すでに化石を発掘して過去の生物のことを調べるという行為が、生物学や地質学の
分野に影響を与えていたため、メアリーの次々起こす偉大な発見に科学界も注目していきます。

裕福な化石収集家からの援助も受けながら、彼女の化石発掘の情熱は高まっていきます。
そして彼女が22才のとき、これも初となるプレシオサウルスの骨格化石を発見するのです。

47才という短い生涯で幕を閉じるメアリーの生涯ですが、亡くなる年にロンドンの地質学会から
名誉会員という称号を与えられるまでになりました。

彼女は「生物には絶滅がある」という事実を導いた、偉大な化石発掘者として
地質学の歴史になくてはならない存在として認識されています。

ちなみに、早口言葉「She sells sea shells by the sea shore.(彼女は海岸で貝殻を売った)
というモデル人物はメアリー・アニングだといわれていることでも有名です。

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その他

学名ってなに?

学名とは生物に付けられた世界共通の名前のことです。
日本語独自につけられている名前は和名といいますが、これは世界共通というわけではありません。

学名は、全世界で通用します。
そのためにルールがいくつかあります。
まず、ラテン語表記で書くこと。
そして大きなグループ「属」のあとに固有のグループ「種小名」で名前をつけるというような決まりがあります。

1つの種に対して有効な学名は1つだけです。
それでは同じ種類の生き物が誤って複数回記載されていた場合はどうなるでしょう?
その場合は、最初に付けられた学名にするのが基本のルールです。

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その他 恐竜

ブロントサウルスから学ぶシノニム(異名)

名前が消えたというブロントサルスの話をご存知ですか。1877年のことです。
アメリカのオスニエル・マーシュという沢山の恐竜を見つけた大変有名な古生物学者は、
ある恐竜の化石に「アパトサウルス」という名前をつけました。
そして2年後の1879年には別の化石に日本語で「雷竜」という意味の
「ブロントサルス」という名前をつけました。

しかし後にこの2つの恐竜は同一のもので、大人と子どもの化石だったことが分かったのです。
こういう場合は、はじめに発表したほうの「アパトサウルス」の名前が有効になるので、
悲しいかな、ブロントサウルスの名前は学名として消えてしまったのです。
でも日本ではブロントサウルスを訳した「雷竜」の名前が結構浸透してしまい、
アパトサウルスの名前が普及している現在でも「雷竜」の名前が用いられることも多いようです。

こういう風に同じ種が異なる名を持つことはシノニム(異名・同物異名)といいます。
一方、別の種が同じ名を持つことはホモニム(同名・異物同名)と呼ばれます。

ちなみに、アパトサウルスのシノニムはブロントサウルス以外にもう一つあります。
その名もエロサウルス(Elosaur)!
こちらは1902年に発表されましたが、やはりアパトサウルスと同一種でした。

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その他 先カンブリア時代

ストロマトライトどうやってできる!?

どのようにしてシアノバクテリアがストロマトライトという層状の岩石を作り出したのかというと…。
シアノバクテリアは生きている過程でベトベトした液を出すのです。
この液にまわりの砂がくっついて積もっていきます。

1日経つと、シアノバクテリアは砂の上にニョキっと体を出して、また活動を始めるのです。
何日も経つと「ベトベト液+砂…」が重なって、層状の固まった石になります。

我々がストロマトライトと呼んでいる岩石がこうして出来上がります。
だから、ストロマトライトの化石が見つかったということは、そこにシアノバクテリアがいた
ということも表していて、その場所に酸素もあったことが証明できるというわけです。

ちなみに、ストロマトライトは0.5mmほどの厚みがあれば、それは1年間かけて作った層だといえるようです。

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その他 先カンブリア時代

初めて酸素を作った生き物

皆さん、地球がつくられた当初は、まだ酸素がなかったということをご存知ですか?
地球上に酸素ができたのは、今のところ27億年前だといわれています。
ではどこから酸素はきたのか?

それはシアノバクテリアという細菌です。
え?細菌が酸素を作ったの?と思われるかもしれませんが、そうなのです。

地球上にまだ酸素がなかった頃、このシアノバクテリアという細菌は、
光合成をして酸素を生み出すといった大仕事をしてくれました。
シアノバクテリアが大量に酸素を発生してくれからこそ、
今の地球があるといっても過言ではありません。

ストロマトライトという化石を知っていますか?
いくつも層になった模様が特徴的な岩石の化石です。
ストロマトライトは、シアノバクテリアが光合成をした証の化石です。

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その他 古生代

「食う、食われる」のはじまり

生きているものは、皆何かを食べ、誰かに食べられるという戦いの運命にあります。
生き物が「食う、食われる」の関係になったのは何年前だと思いますか?
実はそれより前は生物同士の争いというものはなかったようなのです。

答えは、5億1000万年前頃。時代で言えば、カンブリア紀という時代です。
まだ陸には生物が上陸しておらず、生物競争は海の中の出来事です。
カンブリア紀は無脊椎動物が爆発的に増えて進化した時代です。

カンブリア紀最強の生き物といえば、「奇妙なエビ」という意味をもつ
アノマロカリスという名前の肉食動物でした。
当時の食物連鎖の頂点に君臨していたアロマロカリスは、体長60cm~1mくらいの生き物で、
これまでに知られている生物の、どの分類にもあてはまらない未知の生き物です。

歯のついた口とヒレをもち、獲物を捕まえる触手が頭部についている、見た目にも面白い生物です。
このアノマロカリス、バラバラ事件のように化石が見つかっています。
まずは触手だけが発見されました。
この時専門家はエビのグループだと判断しました。

次に口が見つかり、これはクラゲのグループ、体が見つかるとナマコのグループだと思われていました。
でも、触手と口が同時に化石となって発見されて、初めて二つは同じ化石だということがわかったのです。

あまりに古い時代の化石。
専門家も手探り状態でこれらの発見に至ったというわけですね。
カンブリア紀に「食う、食われる」競争が始まって以来、
現在まで生き物の戦いは絶滅と進化を遂げながら続いています。

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その他 三葉虫

「示相化石」「示準化石」はどう違う?

みなさん、理科の教科書などで「示相化石」「示準化石」という単語を耳にしたことがありませんか?
さて、名前がよく似ていますがこの2つは一体何が違うのか説明できますか?
化石のことに詳しくなるには、ぜひ理解してもらいたい言葉です。

たとえばあなたがある地層を熱心に発掘しているとします。
そこでたとえばサンゴの化石が見つかったとすれば、そこは昔海であった地層だと予想できますね。
しかも、温かい環境だということも。
このように、どんな地層だったのか、当時の環境がわかる化石のことを「示相化石」といいます。

一方、ある特定の化石が、発掘した地層から出てくれば、
その地層の時代が特定できるという化石を「示準化石」といいます。

たとえばあなたが三葉虫を発掘したとします。
三葉虫は古生代という時代区分のカンブリア紀からペルム紀にかけて生息していたので、
少なくとも、あなたが発掘した地層はカンブリア紀からペルム紀だということがわかります。
三葉虫の種がわかれば、もっと時代を狭めて特定できますよね。

このように、示相化石や示準化石は地層を特定するときに役立つというわけです。
示相化石や示準化石になるには、ある程度決まった時代や場所に、
集中して繁栄していなければ参考にならないので、アンモナイトや三葉虫など、
化石としてたくさん種類があるもの、要は有名なものが示相化石か示準化石となるというわけです。