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中生代 恐竜

恐竜が何を食べていたかはどうして分かる?

すでに絶滅している恐竜が、何を食べていたかということが、現在どうしてわかるのでしょう?
研究者は恐竜の食べ物を探るとき、恐竜のウンチと胃、そして歯の形に着目しています。

恐竜のうんち化石ことコプロライト(coprolite)

え?恐竜のウンチなんて残っているの?と思われる方もいるかもしれません。
じつは恐竜のウンチは珍しいものですが化石としてしっかり存在しています。

恐竜のウンチは「コプロライト(coprolite)」といいます。
この言葉はギリシャ語からきています。
ギリシャ語で【kopros】は糞や肥料という意味です。

大型恐竜ほど大きなウンチをしますから、比較的化石として残りやすいようです。

見つかった恐竜のウンチがどの恐竜のものだったかがわかりさえすれば、
その恐竜が何を食べたかわかるのです。
あとは、胃の中に残った食べ物から推測したり、歯の形状から植物を食べていたのか、
動物を食べていたのか、あるいは雑食性だったかなどがわかります。

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その他 中生代

消化の助け以外に胃石を飲む生き物がいる

古代ワニサルコスクス(Sarcosuchus imperator)

実は、石を飲み込む動物は現生の生き物にもいます。
代表的なのがワニです。
ワニは水の中にいますよね。

石を飲み込むことで自由に浮かんだり水の中に潜ったりする際の助けとなっているのです。
要は浮力を調整するために石を飲んでいたというわけです。

海のはちゅう類こと、水中に暮らすプレシオサウルスなどの
首長竜のお腹からも石が発見されることがあります。
これはワニと同じく、体の重心の位置を決めて浮いたり沈んだりする目的だったと考えられています。

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中生代 恐竜

恐竜は全て歯を持っているのか?

草食恐竜トリケラトプスの歯(Triceratops)

実は、すべての恐竜が歯をもっているわけではありません。
例えば、北アメリカ大陸で白亜紀に繁栄したオルニトミムスは歯を持っていませんでした。
彼らは「ダチョウ恐竜」という別名をもっているのですが、
ダチョウのような姿をしていて、とても足がすばしっこい恐竜でした。

彼らの口は細くて、クチバシのような形状をしていたようです。
クチバシは、現在の鳥が持っているものと同様、アゴが突き出て
口の周辺がひと繋がりの硬い角質の板状になったものです。

この硬いクチバシで植物や小動物をついばんでいたのではないかと考えられています。
ティラノサウルスのように歯根(しこん)部分を含めて30cmはあろうかという歯を持っていたり、
歯が全くない恐竜がいたりと、1億6500万年の間に、多種多様な恐竜が存在していたのですね。

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中生代 恐竜

恐竜の赤ちゃんと群れ

みなさん、恐竜の赤ちゃんはどうやって生まれてくるかご存知でしょうか?
そうです、恐竜は卵から生まれてくるのです。

いくら大きな恐竜に成長するといっても、生まれてくる時の
恐竜赤ちゃんのサイズはそこまで大きくありません。
史上最大とされる、全長35~40mのアルゼンチノサウルスのように、巨大な竜脚類でも
卵の大きさは直径約30cm程度だろうと、ある研究者は予測しています。

そこから一気に成長したとしても、アルゼンチノサウルスの赤ちゃんは、
せいぜい生まれてすぐは1~1.5mくらいの大きさだったかもしれません。
こうなると、お母さんに付いていくのは大変そうです。

全長が35mもある母親と、1.5mほどしかない赤ちゃん。
お母さんが一歩歩くと、子どもはたちまち置いて行かれそうですね。
お母さんに誤って踏み潰されないように、必死だったかもしれません。

じつは、竜脚類の仲間は並んで続く足跡化石が見つかっていることから、
群れで暮らしていた可能性があるのです。
でも、巨大すぎる竜脚類にとって、先ほどの理由から子どもと一緒に
どこまで行動できていたか正確には分かっていません。

一部の足跡化石からは、大人の恐竜が幼い子ども恐竜の
周りに囲むようにしていたようなものも見つかっています。
このことから、竜脚類の中には、組織化して群れをなしていたのではないかと考える研究者もいます。

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中生代 恐竜

史上最大級の竜脚類アルゼンチノサウルス

アルゼンチノサウルスはこれまで生きたどの動物よりも大きな生物として認識されています。
全長は何と35mとも、もっと大きかったとも言われています。
が、この「言われている」というところがミソなのです。

実は、アルゼンチノサウルスの大きさは推定であって、
全身骨格が見つかっているというわけではありません。
これまで化石として見つかっているのは首の骨の脊椎骨、
後ろ足の長い骨の脛骨、骨盤の部分の仙骨など一部なのです。

その骨の大きさから割り出した全長が35m~45m程度というわけです。
もし、新たに化石が発掘されたら、アルゼンチノサウルスの大きさがはっきりわかることでしょう。

それにしても首の骨1つの大きさが130cmもあったというのですから、
大きいことにはケタはずれに大きな生き物だったことは変わりないようです。

ちなみに、「地震トカゲ」の意味から名前がつけられたセイスモサウルス、
そして「特大の竜」の意味から名前がつけられたスーパーサウルスも巨大恐竜として有名です。
いずれも、ジュラ紀の北アメリカに生息していた恐竜なのですが、
巨大恐竜は誰だ!?といった選手権の常連恐竜としてよくとりあげられる有名な恐竜です。

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中生代 恐竜

一番体重の重い恐竜は何キロあった?

みなさんの体重は何キロでしょうか?
いえ、声にだして言わなくてもいいのですよ。
成人の体重は、個人差、体格にもよりますからさまざまでしょうが、
100kg以下に属する人が多いようです。(お相撲さんの平均体重は150kgぐらいだそうです。

そして世界で一番体重が重かった人はアメリカ人男性の635kgだそうです。これはすごい!)
人間で体重が重いといっても、まさか「体重1000kgあります!」という人はいないですよね。
それでは、体重の一番重い恐竜は何キロあったと思いますか?

答えは100トン。
単位がキロではありませんよ。100トンです。
キロに直すと、1トンは1000kgですから、なんと10万kgもあったという計算になります。
あまりに数字が大きすぎてよくわかりませんね。

では仮に体重150kgお相撲さんと比較してみましょう。
お相撲さんが約666人分集まって、やっと1体の恐竜と同じ重さという計算になります。
こんなに体重の重い恐竜が遥か昔には存在したんですね。

100トンの恐竜が歩くと地響きがしそうです。
この恐竜は一体どういう名前なのでしょう?
答えは、アルゼンチノサウルス。

アルゼンチノサウルスは名前のとおり、アルゼンチンで発見された恐竜で、
約1億年前、中生代白亜紀に生きた草食恐竜です。

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化石発掘の動機は意外!?偉大な女性化石発掘家

化石を発掘する人はどんな人が多いのでしょう?
まず、最初に想像しやすいのは考古学者ですね。
考古学者とは、地球上に暮らした生物などの遺物や痕跡を調べて
生物の全貌を解明し研究する人のことを言います。

もちろん古生物を研究することが仕事ですから化石を掘るという
作業をするのに最も近い人たちといえますね。
あとは、博物館関係の人や趣味で化石を掘っている人など。

さて、昔むかし、1820年代メアリー・アニングという女性が化石を発掘していました。
女性で化石発掘に加わるという人は、珍しいほうかもしれません。
彼女は研究者でもありません。
しかしすばらしい発見をした人物として有名です。

プレシオサウルスという首長竜を皆さん知っていますか?
彼女は首長竜として有名なプレシオサウルスを発見した人物なのです。
首長竜は海で生活するはちゅう類です。
中生代の三畳紀に現れて、陸の恐竜と同じ時代に海の中で繁栄しました。

プレシオサウルスはジュラ紀の海に栄えた約2~5mの大きさを誇る首長竜です。
エラスモサウルスに比較的近い種類の仲間です。
彼女は研究者でもないのに、なぜこのような発見をしたのか?
その答えは意外です。

彼女の家は困窮しており、家計を助けるために化石を発掘しては売っていたのです。

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恐竜のヒフはなぜ見つかりにくい?

恐竜の骨を発見しました!歯を発見しました!というニュースはよく耳にしますが、
皮膚を発見したという記事は見つかりにくいですね。
実際、皮膚化石がないわけではありませんが、とても少なく稀少です。

さて、恐竜の皮膚はどうして見つかりにくいのでしょうか?
それはズバリ、骨や歯に比べて皮膚を作っている組織はとても腐りやすいからです。
腐りやすいということは、化石として現代まで残っている皮膚は多くはなく、ゆえに非常に貴重なものです。

皮膚の化石は、粘土に型をおしつけたときに残るあとのようにして出来ます。
死んだ恐竜が土に埋まっていくとき、皮膚がなくなるまで時間がかかるような
周りの条件がある場合、土にしっかりと皮膚のあとが残るのです。

では、もともとの皮膚はどうなっているかというと、残っていてもぺらぺらの膜のようになっています。
見つかっている皮膚化石は、表面に小さなデコボコがあったため、
体はうろこのようなものでおおわれていたと考えられています。
たとえばアメリカで初めて学名がついた白亜紀後期の恐竜、ハドロサウルスは
皮膚の表面に細かいウロコがあった恐竜で皮膚化石が残っています。

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中生代 恐竜

何をもって最大級の恐竜とする?

恐竜図鑑を見ると、「いかに恐竜は大きかったのか!」といったテーマを良く目にします。
恐竜同士を比較したり、人間の身近なもので比較したりしていて、
大きな恐竜というのは、大人も子どもも惹きつけられる存在のようです。

さて、その中でも、強い恐竜の象徴「肉食恐竜のなかで最強は誰だ!?」という
問いにはいろいろな考えがあるようです。

まず第一候補にあげられるのが北アメリカで全身骨格が発見され、世界中で有名なティラノサウルス。
そして、モロッコで発見されたカルカロドントサウルス、アルゼンチンで発見されたギ
ガノトサウルス、北アフリカで発見されたスピノサウルスといったところでしょうか。

最大体長はティラノサウルス13m級、ギガノトサウルス14m級、カルカロドントサウルス10~14m級と、
いずれも差をつけるのが難しいのです。
スピノサウルスは13~17mもある体格で、最大であるとされていますが、
ティラノサウルスほどの体重はなかったようです。

この4者のうち、今のところ完全な全身骨格が見つかっているのがティラノサウルスで、
他の恐竜は推定の体長とされることから、新たに発掘され正確な数字が出るまで勝負は続きそうです。

もしくは、もっと大きな肉食恐竜が現れる、なんていう展開もあるかもしれません。

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恐竜の卵にまつわる話②

恐竜の名前で、「卵どろぼう」という、何とも不名誉な名前を与えられた恐竜をご存知ですか?
それはオビラプトルという恐竜です。

中央アジア探検隊が恐竜の卵を初めに見つけたとき、見つけた卵は本当はオビラプトルのものだったのに、
勘違いされてプロトケラトプスの卵と判定していました。

卵の近くで発見されたオビラプトルの化石。
ちょうど卵を食べるのに適した頭のつくりだったので、
てっきりプロトケラトプスの卵を襲っていたのだろうと考えられました。
だから学者は、名前をつける際、「卵どろぼう」という意味の「オビラプトル」と命名したのです。

1990年代に入って、勘違いだったということが分かりましたが、名前は変わりようがありません。
オビラプトルは、本当は卵をぬすんでいたわけではなく、自らの卵を大事に守っていたのですね。