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人物・植物 古生代

あの「ナウシカ」のモデルになった!?石炭紀の魅力

宮崎駿映画「風の谷のナウシカ」に大きなトンボのような昆虫や
巨大な植物が出てくるのをご存知でしょうか。
じつは、石炭紀には、まさに映画の中に出てくるような不思議な植物や昆虫の宝庫でした。

40mもの高さがあった古代植物レピドデンドロン(Lepidodendron)

巨大なサイズは、われわれ現代人を惹きつけて止みません。
大きなトンボみたいな生き物は「メガネウラ」といって、史上最大の昆虫です。
羽に脈をもち、体長が約60センチという、現代では想像しがたい大きさを誇っていました。

また、ゴキブリやナナフシの祖先といわれる「プロトファスマ」という
昆虫は体長が12センチもありました。
ゴキブリがもし12センチもあったら・・・、と背筋がひやっとした方がいるかもしれません。

何もかもが巨大でスケールの大きい世界、不思議な植物があふれる石炭紀は、
地球の歴史にとってとても重要な時代を担ってくれていました。

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人物・植物 古生代

今の石炭は石炭紀を作った森林のおかげ!

みなさん石炭紀という時代をご存知でしょうか?

古代石炭紀の巨木(カラミテスまたの名をロボク)

石炭紀は、地球を地質時代に分けたとき、古生代という時代の後半にあたる時代です。
今から約3億6700万年前から2億8900万年前までさかのぼります。

この時代の地層からは、たくさんの石炭が見つかるので石炭紀といわれています。
この頃の地球は、年間を通してあまり気候の変化はなく、
一年中熱帯気候であったといわれています。
そうすると、森林もたくさん増え、大気の中の酸素濃度も上がりました。

現在は21%といわれる酸素濃度が、当時は35%もあったそうです。
植物や動物が大きくなる環境が整ったのが、石炭紀でした。
湿地やその周りには高さ数十メートルにもなる巨木がたくさん生え、森林が広がっていました。

これら植物が枯れたあと、砂や土が積もって地中に長い年月を
かけて埋もれていき、石炭へ変化します。
私たち現代人が燃料として利用しているものは、遥か太古の植物の贈り物の一つなのです。

実は、日本でとれるほとんどの石炭は新生代第三紀のもので、
石炭紀の地層からはほとんどとれないそうです。
なぜでしょう?
それは石炭紀の時代、日本はまだ海の底にあったからです。

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人物・植物 恐竜

最初に恐竜を発見した人物、ギオテン・マンテル

ギオテン・マンテルは初めて恐竜を発見した者として考古学界で有名な人物です。
マンテルはイギリスで靴屋の息子として生まれ、医者をするかたわら、余暇をみつけては
化石の発掘や採集をし、最初の恐竜「イグアノドン」を大発見をし、古生物学者にもなりました。

時は19世紀の初頭、ヨーロッパでは化石発掘のブームの波が押し寄せており、
あの首長竜「プレシオサウルス」を発見した同国出身の女性の化石発掘者
メアリー・アニングにも触発されて、マンテルも化石発掘に熱を入れていました。
(ギオテン・マンテルはメアリー・アニングと一つ州を挟んで隣の州に住んでいました。)

恐竜であるイグアノドンは、現生の動物イグアナとは生物学的に全く関係はありません。
ではなぜこの名前がついたのでしょうか。

それは、発見されたイグアノドンの歯がひし形をして、
ふちにギザギザがあるところがイグアナの歯に似ていたからです。
発見してすぐにマンテルはフランスの解剖学者であり古生物学者の権威、ジョルジュ・キュビエ
に見せましたが、キュビエはゾウかサイの歯だろうといって大発見を認めませんでした。

ですが、マントルはあきらめずにイグアノドンの歯をより多く収集して、1825年、ついにこの
未知なる生物にイグアノドン(イグアナの歯という意味)という正式な学名を与えることに成功しました。

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人物・植物 恐竜

恐竜・鳥類と人間の二足歩行の違い

恐竜も人間も二足歩行する動物ですが、その構造は全く違います。
恐竜は、足の骨に対して背骨が横向きについています。

アンキロサウルス

ちょうどアルファベットのTの字のように、足に対して頭から尾に続く部分が垂直なのです。
だから体は横に傾きます。

一方、人間は足の骨に対して背骨がほぼまっすぐ上にのびています。
だから体ごとまっすぐ立ち上がって歩くことができるのです。
これを直立二足歩行といって、人間だけがこの形をとっています。

恐竜や鳥類は二足歩行といっても、体の軸は地面に対して平行を保っていて、
四足歩行から変形したものととらえることができます。

足2本で全体重を支えるわれわれ人間は、肩こりや腰痛に悩まされると聞きますが、
同じ二足歩行であっても尾でバランスをとっている恐竜や鳥類には肩こりはないのでしょうね。

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その他 人物・植物

二足歩行する動物

現存している動物は、ほとんどが四本足で歩く動物、いわゆる四足歩行の動物です。

でも、ごくわずかですがいつも二足歩行している動物がいます。
どんな動物か思いつきますか?

答えは、我々ヒト、もうひとつは鳥です。常に二足歩行で生活しているのはこの2種類。でも両者には進化の違いがあります。

人間は進化するに従ってだんだんと二足歩行するようになりました。

一方恐竜から分かれて進化した鳥類は元々二足歩行していた動物だといえます。

実は、カンガルーも二足歩行している哺乳類です。カンガルーは、後ろ足が太く、異様に発達していて、尾がとても長い生き物です。

何となく恐竜の獣脚類に近い骨格をしていますね。彼らは四本の足で歩くよりも二足歩行したほうが少ない消費エネルギーで効率よく移動できるのです。

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その他 人物・植物

生物の分類の仕方

それまでたった3門しかいなかったとされる生物群が一気に38門も増えたとされる
カンブリア紀ですが、このように生物の種類が増えたと分かったということは、
生物をいくつかのグループに分けるといった考え方が必要です。

生物は一体どのようなグループ分けがしてあるのでしょう?

まずは大きく分けて、植物と動物に分けることができそうです。
こういった大きな分類は「界(かい)」という項目の名前で分かれています。
この世にある生き物をどういう「界」に分けるかは、19世紀から現在まで
さまざまな変遷を経ていて新説が次々出ています。

次に一つずつの「界」を細かく分けたものが「門(もん)」です。
門を細分化したものが「鋼(こう)」、鋼を細分化したものが「目(もく)」目を細分化したものが
「科(か)」、そして科は「属(ぞく)」に、属は「種(しゅ)」に…とさらに細く分類されます。

大きい階級から並べると、「界門鋼目科属種(かいもんこうもくかぞくしゅ)」。
一気に読み上げてみると、何だかお経のように聞こえます。
このように、計7つの段階を経て名前が分類されるのです。

例として、ヒトの場合は次のように分類されます。
「動物界、脊椎動物門、(脊椎動物亜門)、哺乳鋼、サル目、ヒト科、ホモ属、サピエンス(種)」
何と長いですね。

こういった分類法は階層分類と呼ばれています。
みなさんがよく聞く「学名」というのは、最後の2つの階級、属と種の名称から成っています。
だからヒトの学名を「ホモ・サピエンス」と表現しているのです。

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その他 人物・植物

化石発掘のエキスパートメアリー・アニングの生涯

プレシオサウルスやイクチオサウルス、また翼竜の全身骨格などを発見したメアリー・アニング。
彼女の生涯はなかなかドラマティックです。

イギリス南部の村に産まれたメアリーは15ヶ月の時に雷に打たれ、九死に一生を得ます。
雷に打たれた4人のうちメアリー1人が生き残るという、何ともすごい体験をしています。

メアリーが生まれた時代はヨーロッパで化石採集の一大ブーム期でもあり、メアリーの父親は
家具職人の傍ら、村の崖で化石を見つけては観光客に化石を売って生計を立てていたようです。
でも、父親はメアリーがわずか11才の時結核で亡くなり、生活が苦しくなってきます。

そこで、メアリーは生きるために兄と化石採集をするのです。
彼女はたった12才のときに、イクチオサウルスの全身骨格を見つけるというすごいことをしたのです。
イクチオサウルスはそれまで発見されていたとはいえ、全身骨格を発掘したのは初めてのことでした。

19世紀当時、すでに化石を発掘して過去の生物のことを調べるという行為が、生物学や地質学の
分野に影響を与えていたため、メアリーの次々起こす偉大な発見に科学界も注目していきます。

裕福な化石収集家からの援助も受けながら、彼女の化石発掘の情熱は高まっていきます。
そして彼女が22才のとき、これも初となるプレシオサウルスの骨格化石を発見するのです。

47才という短い生涯で幕を閉じるメアリーの生涯ですが、亡くなる年にロンドンの地質学会から
名誉会員という称号を与えられるまでになりました。

彼女は「生物には絶滅がある」という事実を導いた、偉大な化石発掘者として
地質学の歴史になくてはならない存在として認識されています。

ちなみに、早口言葉「She sells sea shells by the sea shore.(彼女は海岸で貝殻を売った)
というモデル人物はメアリー・アニングだといわれていることでも有名です。

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中生代 人物・植物

化石発掘の動機は意外!?偉大な女性化石発掘家

化石を発掘する人はどんな人が多いのでしょう?
まず、最初に想像しやすいのは考古学者ですね。
考古学者とは、地球上に暮らした生物などの遺物や痕跡を調べて
生物の全貌を解明し研究する人のことを言います。

もちろん古生物を研究することが仕事ですから化石を掘るという
作業をするのに最も近い人たちといえますね。
あとは、博物館関係の人や趣味で化石を掘っている人など。

さて、昔むかし、1820年代メアリー・アニングという女性が化石を発掘していました。
女性で化石発掘に加わるという人は、珍しいほうかもしれません。
彼女は研究者でもありません。
しかしすばらしい発見をした人物として有名です。

プレシオサウルスという首長竜を皆さん知っていますか?
彼女は首長竜として有名なプレシオサウルスを発見した人物なのです。
首長竜は海で生活するはちゅう類です。
中生代の三畳紀に現れて、陸の恐竜と同じ時代に海の中で繁栄しました。

プレシオサウルスはジュラ紀の海に栄えた約2~5mの大きさを誇る首長竜です。
エラスモサウルスに比較的近い種類の仲間です。
彼女は研究者でもないのに、なぜこのような発見をしたのか?
その答えは意外です。

彼女の家は困窮しており、家計を助けるために化石を発掘しては売っていたのです。

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人物・植物 恐竜

最初に学名がついた恐竜は?

恐竜で最初に学名がついたのは、イギリスで発見されたメガロサウルスです。
いつ付けられたのかというと、1824年です。
でも実はこのメガロサウルス、学名がつくまではいろいろな変遷をたどっています。

学名がつく147年前の1677年には、実はこの恐竜の骨は見つかっています。
発見された当時、人々はこの骨を巨人の骨だろう、とか、象の骨だろうと予測していました。
その後、141年経って、フランスの解剖学者キュビエとキリスト教牧師で大学教授でもある
バックランドの2人によって、この骨はとてつもなく大きなはちゅう類のものであることを発表しました。

それから6年後、1824年にバックランドはこの骨にメガロサウルスという名前を付けることができたのです。
何でもはじめの作業は大変といいますが、恐竜の名前がつくまでには、
実に世紀を超えて人々が関わっているのですね!

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人物・植物 恐竜

恐竜は何を元に分類された?

「ダイノサウリア=恐竜」という言葉を初めて作ったリチャード・オーウェン。
彼は、何の特徴を元に恐竜というグループを作ったのでしょう?

彼は恐竜の大きさではなく、意外にも腰の骨に着目しました。
腰の骨がくっついていて頑丈なことが恐竜のグループに属する条件となったようです。
彼は、それまでに発見されていたメガロサウルスやイグアノドン、
そしてヒラエオサウルスの骨を参考にグループ分けをしたようです。