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琥珀になるまでに必要とする時間

樹脂が美しい琥珀になるまでには一体どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
さまざまな研究者の意見が分かれるところですが、およそ数百万年から
数千万年の長い月日をかけて形成されると考えられています。

長い年月をかけて形成される琥珀

半化石状態、琥珀一歩手前のコーパルでは、もう少し短い期間で形成されます。
最近では、樹脂が琥珀となるまでには時間の長さ以外に、地層の体積物がどういう
成分であったか、温度や圧力などの兼ね合いなどがとても重要だということがわかってきました。

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琥珀から虫がみつかるのはなぜ?

琥珀の中に閉じ込められた古代の虫

琥珀は、樹の樹脂が固まって化石化したものです。
しばしば、琥珀の中から、昆虫や植物が見つかるのは、樹脂が土の上に流れ落ちる際に、
虫やその他の生き物たちが一緒に取り込まれてそのまま化石となるからです。

琥珀の中に閉じ込められた虫たちは、非常によい状態で保存されるので、
触覚や羽などが生きた当時のまま見ることができるものもあります。

昆虫や植物が入った琥珀は、まさにその時代を閉じ込めた
タイムカプセルのようなもので、「虫入り琥珀」と呼ばれています。

虫入り琥珀は世界中のコレクターからも人気が高く、かなりの高値で取引されます。

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琥珀は何色?

琥珀の色はさまざまですが、透明で黄褐色の色が多く見られます。
琥珀の中にはオレンジがかったもの、緑色のもの、
透き通っていないものなど、産地によってさまざまです。

透き通った茶~オレンジ色の琥珀

純色でいう琥珀色とは、黄色と橙色の中間色をさしています。
ちょうど琥珀飴のような、透き通った黄色がかった色が琥珀の代表的な色です。

琥珀の構造は、炭素が79%、酸素が11%、水素が10%、
そして硫黄を少し含んでいます。

 

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琥珀(こはく)って何?

琥珀(こはく)は、樹脂(じゅし)とよばれるものが長い時間をかけて化石になったものです。
では樹脂とは何か?

元は樹脂である琥珀

樹脂は樹液(じゅえき)が木の外に出たときに固まったものです。
樹液とは、木の中心部分で作られ、栄養物を運ぶ液体です。

この樹液、木の皮が裂けたりして中身がむきだしになった際に、
木を守ろうとしてネバネバとした液体となって出てきます。

ネバネバ状の液体であるのは、木から病気の元となる物質を入れないようにしたり、
虫たちが木の中に入ってくるのを避けるようにするためです。
ちょうど、みなさんが擦り傷を作ったときに、傷口に軟膏をぬったり、
消毒液をかけて皮膚の健康を守るのと似ていますね。

まとめると、次の通りです。

樹液が樹皮からにじみ出て、硬くなったものが樹脂です。
木の皮が避けたり、枝が折れたりして出てきた樹脂が、地面に落ちます。

土にだんだん樹脂がたまっていき、ある地層の中で数百万年、
数千万年の間にじっくり化石化すると琥珀になるというわけです。

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生きた化石「イチョウ」

イチョウの葉
イチョウは裸子植物の一種で「生きている化石」の代表とされています。
現在のイチョウの祖先はペルム期前期(約2.7億年前)に現れた「トリコピティス」です。

トリコピティスは現生のような短枝はなく二またに分かれた葉脈だけの歯でした。
中生代には様々な種類のものが出現し世界中に分布して繁栄しました。

この時代のイチョウのひとつに「バイエラ」があります。
バイエラは現在のものに似ていますが、葉は細かく二またに切れ込んでいました。

中生代末までに多くの恐竜とともにイチョウも滅んでいきました。
北米では1000万年前、ヨーロッパでは200万年前、
日本では100万年前に絶滅したといわれています。
そんな中で唯一滅びず中国で生き残ったのが「ギンゴ」です。

現在、みられるイチョウはこのキンゴで、日本にはその昔
中国から仏教の伝来に伴って移入されたと考えられています。
また一度は絶滅した北米やヨーロッパなどでも人為的な移植により今は見ることができます。

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珪化木と石炭の違い

珪化木と石炭の違いは何でしょう?

珪化木(Petrified wood )

どちらも植物化石なのですが、用途と最終形態があまりに異なります。
シンプルに言うと、木の細胞の中に主にケイ素が満たされたら珪化木、
主に炭素が満たされたら石炭ということになります。

厄介なのは、半々くらいで化石化した半人前もいるということです。
要は、石炭になりそうだったのに、ケイ素も多く、結晶化が進んでカチカチに硬くなってしまった…。
そんな植物化石が多く存在するということです。

石炭を発掘する現場で、珪化木が相当数見つかるのはよくあることのようで、
珪化木は硬いことから発掘のさまたげになり、炭鉱者を悩ます原因になっているようです。

そのような理由から、珪化木のことを、「石炭に成り損ねた木」なんて呼ばれることもあります。
珪化木からすると、何ともショックなネーミングです。
産業的価値からすると、石炭のほうが優位なのかもしれませんが。

炭鉱所の傍らには、鑑賞用には適さず、石炭になることも許されなかった
珪化木のかけらたちが積まれている現実もあるようです。

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鑑賞用の珪化木は選ばれし者

化石市場に出ている珪化木は色彩が美しい、年輪が確認できるなど、素晴らしいものばかりです。

鑑賞用の珪化木標本(結晶化した石英により色が変化)

産出される全ての珪化木が鑑賞用になればいいのですが、なかなかそうはいきません。

珪化木の中には、保存されたまわりの地質環境などによって、年輪が確認できないものや、
結晶化が進んでおらず色彩のバリエーションが貧弱である、などといった理由から
市場に出ないものが多いのが現実です。

ですから、市場に出て鑑賞用となった珪化木は、かなりのセレクションを
経て存在している、選ばれし者たちともいえます。

「石炭になり損ねた木」なんて言わないで!と、彼らはささやいているかもしれません。
珪化木は世界各地で発見されており、ここ日本でも見られます。
有名な産地は主に、ブラジルやアメリカ、マダガスカルといったところです。

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珪化木と石炭

美しい珪化木は化石コレクターなどに鑑賞用として高い需要があります。

木肌が見える珪化木(Silicified wood またはPetrified wood )

一方、石炭産業の視点からすれば、珪化木をほんの少し邪魔者扱いする声もあるのです。
それはなぜか?

答えは石炭発掘の関係があります。
化石燃料である石炭は、人類が発展していく上で欠かせない物質です。
現在でも世界中のあちこちで発掘され、燃料として使われていますね。

石炭は、主に3億6700万年前から2億8900万年前、大森林が広がっていた
石炭紀といわれる時代(古生代ペルム紀とデボン紀の間の時代)に、
たくさんの植物が腐ることなく地中に埋もれて、最終的に石炭化した物質です。

よく考えると、石炭もりっぱな植物化石なのです。
でも、人類は燃料として使ってきたわけですから、石炭を「化石」として
珍重するといった認識はありません。
鑑賞していても、あまりきれいではないですしね…。

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パワーストーンとしても人気の珪化木

珪化木は、古代の木が二酸化ケイ素という物質に置き換わって結晶化し、化石となったものです。

表面がポリッシュされた美しい珪化木

二酸化ケイ素は結晶化すると「石英(せきえい)」という物質に変わります。
石英は六角形の形をした白い色の結晶を形作りますが、白色だけでなく、
黒や紫、時には黄色といった色も出てくるのが特徴です。

石英の黄色や黒色も鑑賞できる珪化木特に、石英の中でも無色透明なものは
「水晶」と名前がつき、パワーストーンとして大変人気があります。

石英は4月の誕生石でもあり、「神秘、完璧、冷静」といった意味をもっています。
細胞が、美しく神秘的な物質で満たされた木が「珪化木」とも言えます。

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木の化石「珪化木(けいかぼく」

珪化木は、植物が石化した一形態を指しています。
珪化木の「珪」は、ケイ酸の「珪」。ケイ酸(SiO2)とはケイ素と酸素、
そして水素の化合物の総称です。

ブラジル産ペルム紀の珪化木

ケイ酸は土の成分の60~80%を占める成分なのですが、
あまり名前になじみがないかもしれません。
ですがケイ酸は、地球上のあらゆる生物の細胞に入っている物質です。
それは人間も然りです。

さて、珪化木はどうやってできるかご存知でしょうか?
答えは次の通りです。

古代に生えていた木が、火山や天変地異、その他さまざまな理由で土砂に埋もれたとします。
そして地層から圧縮を受けます。
そこへケイ酸を含んだ地下水が、徐々に木の細胞の中を満たしていくのです。

長い期間を経て、木の中身は、二酸化ケイ素という物質に置き換わっていきます。
二酸化「ケイ」素に変「化」した「木」。だから、珪化木と言う名前なのです。