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世界の化石産地【ドーセットと東デヴォン海岸】

・イギリス南部、ドーセット州からデヴォン州東部までの153kmの海岸線
・別名「ジュラシック・コースト」と呼ばれています。
・2001年、登録名「ドーセットと東デヴォン海岸」で世界自然遺産に登録されました。

・三畳紀→ジュラ紀→白亜紀(約2億5000年前〜約6500万年前)へと続く中生代の地層が連続している
場所によって、様々な色の地層があらわになっている世界で唯一の場所です。
・古生物学者のメアリー・アニングが12歳の時に全身のイクチオサウルスを発見した場所です。

・地質年代のデヴォン(デボン)紀のデヴォンは、このデヴォンの地名に由来しています。
・特にジュラ紀の地層からはアンモナイトやイクチオサウルスなど多くの化石が見つかります。
・アンモナイトはビーチで簡単にみつけることができ、自由に持ち帰ることができます。
(イクチオサウルスは、中生代ジュラ紀から白亜紀に生息した全長約2mで体形が現代のイルカに似た海生爬虫類です。)

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世界の化石産地【クーパーペディ】

・南オーストラリア州の内陸の砂漠地帯に広がる小都市です。
・クーパーペディー(Goober Pedy)とはオーストラリアの先住民であるアボリジニの言葉で
“KUPA PIT”=“white man in hole”(白人が潜る穴)からきています。

・1987年、一部がオパール化した恐竜の化石がほぼ完全な形で発見されました。
 約1億1000年前の地層から発見されたのは白亜紀に生息していたプリオサウルスの化石
で「エリック」と名付けられました。エリックは骨の一部がオパール化していたので希少価値も
驚くほど上がり世界中の金持ち達が手に入れようとやっきになりました。
そのため貴重なオーストラリアの財産が国外に流出してしまうという事態を招いたとされています。

*ですが、オージー達が立ち上がり寄付を集めて買い取りこのピンチを切り抜けのです。
現在はシドニー市内の「ナショナル・オパール・コレクション」で誰でも無料で見ることができます。

・オーストラリアのオパール産地は大鑽井盆地(グレートアーテジアン盆地)周辺に存在します。
 クーバーペティーもその1つで1910年代に発見されてから
今では世界のオパールの約80%を産出しています。

・クーバーペティーはジュラ紀から白亜紀(約2億〜6500万年前)の時代は浅い海でした。
それが地球の気候の変化にともない海が後退し砂漠へと姿をかえました。
表面の数十mが堆積した砂岩や頁岩、泥岩で覆われておりその層からオパールが発見されます。

・クーバーペティーのオパールは「ホワイトオパール」と呼ばれ堆積層中に多くのオパール化された
化石があることで有名です。エリックの他にも、白亜紀に生息した烏賊に似たベレムナイトなどがあります。

・クーバーペティーは地上の気温が50℃近くに達することもあり、この町の人々は
「ダクアウト・ハウス」と呼ばれる洞窟のなかで暮らしています。
ダクアウト・ハウスはオパール採石の際に掘った穴で気温も約20℃ほどと過ごしやすく、
家だけでなくレストランや学校、教会といった様々な建物が利用しています。

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世界の化石産地【ブンデンバッハ】

・デボン紀(約4億年前)のラーゲルシュテッテン
・ラーゲルシュテッテンとは、特に保存状態の良い化石が
発掘される場所(堆積層)のことで地質学分野の専門用語です。

・約4億年前(デボン紀前期)に堆積した「フンスリュック粘板岩」とよばれる地層です。
・この地域の黒い粘板岩はローマ時代から屋根瓦に利用されてきました。
・黒い頁岩の中に黄鉄鉱で置き換えられた保存状態の良いものが多く、
軟体組織までが残っていることで有名です。

・約4億年前のブンデンバッハは浅く静かな海の底でした。時折、砂や泥が海水と一緒に流れ込み
生物が堆積物の中に埋まってしまいました。こうして他の生物に食べられず化石となりました。
この時、適度な量の有機物や酸素が少ないなどの条件で腐敗が進行せず速やかに生物の体が
黄鉄鉱に置き換えられため通常ではまず化石になれない軟体組織までもが化石として残りました。

・こうした好条件で非常に保存状態のよい化石がみつかるのもフンスリュック粘板岩の中でも
ブンデンバッハ周辺の特定の層のみといわれいます。

・三葉虫などの節足動物の脚や触角、ヒトデなどの軟体組織が鮮明に残る
高い品質の化石が発掘されています。
(フンスリュック粘版板=フンスリュックスレート=フンスリュック頁岩)

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世界の化石産地【バージェス頁岩】

・1909年カナダのブリティッシュ・コロンビア州のバジェス山でアメリカの古生物学者によって発見されました。
・1984年バージェス頁岩累層を含むカナディアン・ロッキー山脈自然公園は世界自然遺産に登録されました。
・約5億500万年前(古生代カンブリア紀中期)の地層です。

・1989年、古生物学者スティーヴン・ジェイ・グールドが書いた本『ワンダフルライフ・バージェス
頁岩と生物進化の物語』によって一般に広く知られるようになりました。
・1910年~1930年代にかけて無脊椎堂物の化石が多数発見されました。

・発見された当初は節足動物と思われた奇妙な化石の約数十種類が、1970年~1980年代の
再研究によってどの分類体系にも入らないことが判明しました。
・ここで発見された動物群は”バージェス動物群”や”バージェス頁岩動物群”とよばれ
現在も発掘・研究が続いています。

・これまで発見されたことのない動物化石が軟体組織まで鮮明な状態で発掘されることで有名です。
・頁岩(けつがん)とは堆積岩の一種で、海底で泥(16分の1mm以下の細かな粒子)が
水平に積もって固まったもので頁(ページ)のように薄く剥がれる性質の(泥)岩のことです。

・頁岩の粒子が細かい性質によって酸素が通りにくいため、埋まった生物の死体が腐りにくく
通常は化石として残りにくい軟体組織まで綺麗な形で残ったようです。
・代表的化な化石にアノマロカリス、ラグガニア、マルレラなどがあります。

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世界の化石産地【サンジョルジオ山(サンジョルジョ山)】

・スイス・ティチーノ州の南部、ルガーノ湖の南にある緑豊かなピラミッド型をした山です。
・標高1096mの小高いこの山は2003年ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されました。
・2010年にはイタリア側の山麓地域も追加登録(イタリア・ロンバルディア州)されました。

・ここは、中生代三畳紀中期(約2億4500万年前~2億3000万年前)に
属する5つの地層から多くの化石が出土しています。
・当時この一帯は亜熱帯気候で、水深数mのラグーンがありました。(ラグーンとはサンゴ礁によって
つくられた地形のひとつです)その海底にあった石炭質の泥に遺骸が閉じ込められたまま地学変動
によって山となったため、とても良い状態の化石が見つかります。

・化石は爬虫類、魚類、脊椎動物、アンモナイト、植物など多種多様で
出土した化石は約150年間で1万点以上といわれています。
・内訳は大体、30種の爬虫類(大半は大型の海生の恐竜)や80種の魚類、1
00種の昆虫などの無脊椎動物に無数のミクロ化石などです。

・サンジョルジョ山の化石として有名なのが「ティキノスクス」と「タニストロフェウス」です。
・ティキノスクスは恐竜の祖先といわれています。
・タニストロフェウスは地球史上最も長い首をもっていたとされる絶滅した爬虫類の一種で全長は
約6mで長い首は10個の椎骨で構成れており、全長の2/3ちかくが首であったとされています。

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中生代 恐竜

日本初の子供恐竜の歯

2012年3月1日、兵庫県立人と自然博物館が丹波竜の歯とみられる化石を2点みつけたと発表しました。
2つの歯は、兵庫県丹波市山南町の約1億1000万年前
(白亜紀前期)の地層「篠山層群」から発掘されました。

それぞれの歯のサイズは1つが長さ1.5㎝で直径2.5㎜、
もう1つが長さ2.5㎝で直径6.4㎜でした。
1つはこれまで日本で見つかった恐竜の歯のなかで最も小さいため子供の恐竜の歯とみられています。

2008年に福井県勝山市の約1億2000万年前(白亜紀前期)の地層から
イグアノドン類の子供とみられる歯骨(下あごの骨)は発見されていますが、
歯が見つかったのは日本では初めてのことです。

1978年に岩手県で最初の恐竜化石が発掘されてから約30年、
日本各地で恐竜化石が発見されています。

今日まで大人の歯化石は発見されていますが、子どもの歯が発見されたことで、
彼らの生態をひもとくヒントになるかもしれません。
いずれにせよ、とても子どもの化石はとても貴重だといえます。

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その他 新生代

「生きている化石」腕足類

『シャミセンガイ』日本では三味線に似た形からこの名がついていますが、
中国では舌やモヤシに例えられているようです。

福岡、熊本、佐賀などの有明海では「メガジャ」とも呼ばれています。
腕足類の中で唯一、食用として煮付けや味噌汁などとして食されています。

『スピリファー(燕石)』翼を広げたツバメのような形から、「燕石(エンセキ)」とも呼ばれています。
殻の表面には放射状の線が入っていて、内部には螺旋状の腕骨があります。

中国医学の漢方では「石燕(セキエン)」という薬名で治療薬として用いられています。
この燕石、昔はツバメが石になったと信じられていました。
また酢の中に入れるとオスの石とメスの石が追いかけ回るとも言い伝えられています。
実際に燕石の一部を塩酸などに浸すと、生きているかのように泡を吹いて動いたそうです。
不思議ですよね!

なぜこのような現象になるか・・・。
そのからくりは、石炭質だった殻が石になることで、炭酸カルシウムになったため、
酸と反応して二酸化炭素の泡を噴出したからなのです。

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その他 古生代

腕足類(腕足動物)

腕足類は古生代のカンブリア紀(約5億4500万年前)に出現した海生無脊椎動物です。
デボン紀に繁栄しましたが、古生代末の大量絶滅の影響をうけ多くの種が消えてしまいました。

古生代には約3~4万種いましたが今では約250~350種ほどです。
腕足類の特徴は二枚貝のように2枚の貝をもつ点です。
しかし二枚貝との関係はありません。

見た目は二枚貝に似ていますが全く別の動物なのです。
二枚貝と腕足類の形はじっくり観察すると少し違うことに気付きます。

二枚貝の殻は「右殻」「左殻」、腕足類の殻は「腹殻」「背殻」と呼ばれます。
二枚貝は「右殻」と「左殻」が対になっていて2枚の殻の形は対象ですが、1枚の殻の形は非対称です。
腕足類は1枚の殻の形はほぼ左右対称で、2枚の殻の形は非対称です。

腕足類は骨格で支えられた「触手冠」を持っています。
触手冠は呼吸と餌を採るためにあり、これが名前の由来ともいわれています。

学名の「Brachiopoda」はギリシャ語で腕を意味する「brachium」と
足を意味する「poda」を合わせたものです。

古生代においては腕足類も示準化石として利用されています。(示準化石は
地層の対比や地質時代決定に役立つ化石のことです。標準化石ともいいます。)

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世界中の言語で「化石」を表してみよう

世界中の言語で「化石」という言葉を以下に示しました。
fossilという文字を使っているのが多いですね。

英語= Fossil
アイスランド語= steingervingur
アイルランド語=iontaiseach
アゼルバイシャン語=qazıntı
アフリカーンス語=Fossiele
アラビア語=الأحفوري
アルバニア語=fosil
アルメニア語=բրածո
イタリア語=fossile
イディシュ語=פאָססיל
インドネシア語=fosil
ウェールズ語=ffosil
ウクライナ語=викопне
ウルドゥ語=جیواشم
エストニア語=fossiilsed
エウペラント語=fosilia
オサンダ語=fossiel
カタロニア語=fòssil
ガリシア語=fósil
ギリシャ語=ορυκτά
グジャラト語=જીવાશ્મ
クレオール語(ハイチ)=fosil
クロアチア語=fosil
スウェーデン語=fossilt
スペイン語=fósil
スロバキア語=fosílne
スロベニア語=fosilni
スワヒリ語=mafuta
セルビア語=фосил
タイ語=ซากพืชซากสัตว์
タガログ語=Fossil
タミル語=படிம
チェコ語=fosilní
デンマーク語=fossil
ドイツ語=Fossil
トルコ語=fosil
ノルウェー語=fossil
バスク語=fosilen
ハンガリー語=Fossil
ヒンディー語=जीवाश्म
フィンランド語=fossiilinen
フランス語=fossile
ブルガリア語=фосил
ベトナム語=hóa thạch
ヘブライ語=מאובן
ベラルーシ語=выкапень
ペルシア語=فسیل
ポーランド語=kopalny
ポルトガル語=fóssil
マケドニア語=фосилни
マルタ語=fossili
マレー語=fosil
ラテン語=fossile
ラトビア語=fosilā
リトアニア語=Iškastinis
ルーマニア語=fosilă
ロシア語=ископаемое
韓国語=화석
中国語=化石

「fossil」の語源は、ラテン語で「掘ること」を意味するfossio(掘ること)や
「掘りだされた」を意味するfossilisからきています。

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中生代 恐竜

草食恐竜の驚異的な成長ぶり

ヒパクロサウルスは今から約8000万年〜6700万年前(白亜紀後期)の北米に生息した
草食恐竜で、頭部に成長とともに発達する特徴的な半月形のトサカを持っていました。

大型肉食恐竜ティラノサウルス・レックスは、このヒパクロサウルスが好物だったようです。

ヒパクロサウルスの成体の体長は約9mと、ティラノサウルスとほぼ同じ大きさですが、その成長速度は
とても早く、ティラノサウルスが幼体から成体になるまで20年くらいかかったところを、ヒパクロサウルス
はたった10〜12年しか要さなかったことが脚の骨の調査で判明しました。

面白いことに、卵の中にいる時から成長は始まっていて、
その速さは肉食恐竜の約3〜5倍といわれています。

そのため性的成熟もとても早く、2~3歳で子供を産み始めていたとされているのです。
ヒパクロサウルスの胎児や幼体の骨の化石を調べると、断面には
血が勢いよく流れていたことを示す大きな空間があります。

このことは、驚異的な早さで成長した様子を物語っています。
こうした成長の早さは、角や牙をもたないヒパクロサウルスが肉食恐竜から
自らを守るための防衛策として種の保存本能が働いたためとされています。