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世界の化石産地【スーム頁岩(The Soom Shale)】

・南アフリカ共和国に分布するオルビトス紀後期
(約4億6100万年前〜約4億4400年前)の地層です。

・この地域の化石は粘土鉱物によって置換され、筋肉組織や
消化管などまで残っているものが見つかっています。

・有名なのが1993年に眼が発見されたコノドントです。https://www.kaseki7.info/c/wp-admin/post-new.php#edit_timestamp

コノドントとは円錐状の歯を意味し世界中で発見され
示準化石とされていますが、長い間その正体は不明でした。

この発見により、初期の魚類であり脊椎動物の特徴をもつことが判明しました
(示準化石とは地層の地質年代を決める指標となる化石です。)

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中国で、未知の人類の化石発見!!

2012年3月、中国南部(中国広西チワン自治区)で1989年見つかった石器時代
の骨が分析され、その結果「未知の人類のものかも知れない」と議論をよび、
話題となっています。

未知の人類は発掘現場の「馬鹿洞」にちなんで「馬鹿洞人」と呼ばれています。
特徴は平たい顔、幅広の鼻、突出した顎と眉弓、大きな臼歯、
分厚い頭蓋骨と現生人よりも原始人に近いようです。

見つかった骨は、およそ1万4500年〜1万1500年前のものと考えられ、
比較的新しい時代のものです。

この時代はネアンデルタール人や他のヒト属の種は全て絶滅したと
考えられている時代のため、これが事実だとすると、
また新たなヒトの歴史がうまれてくることになりそうです。

ネアンデルタール人の頭部

研究者からは「当時、現生人類は異なる種と共存していた可能性がある」
といったものや、「現生人類が多様性に富んでいることを示したもの」
といったように様々な意見がでており、まだまだ決着はつかないようです。

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栃木でクジラの全身化石発見

2012年、栃木県宇都宮市の鬼怒川河川敷で約1千万年前の
クジラの化石が発見されました。

1千万年前というと中新世の時代、海に進出したクジラ類も
多様化したといわれている時代です。

発見されたクジラは耳の骨の特徴からナガスクジラの一種とみられ、全長約8m、
頭の骨は口先から後頭部までが1.2〜1.4m程度で成体と推定されています。

でも何故、海のない栃木県でクジラの化石が発見されたのでしょうか?
それは1千万年前の関東平野は海底であり、化石が発見された宇都宮は、
内湾により赤潮が発生しやすい状況であったことに起因します。

魚などが住める様な環境ではないおかげで、死んで海底に沈んだクジラが
食い荒らされることなく、また流されにくい内湾の場所であったために、
全身の化石が発見されるに至ったようです。

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その他 新生代

クジラの年齢の調べ方

クジラの年齢はどうやって調べるか知っていますか?
クジラは大きく分けて、「ヒゲクジラ」と「ハクジラ」の2種類があります。

ハクジラ亜目の小型種にあたる「イルカ」

ヒゲクジラの仲間の年齢は、耳垢で調べることが出来るのです!
ヒゲクジラは、暖かい海と寒い海とを回遊していて、耳垢に1年ごとに
明暗の層ができるため、その層を調べると年齢がわかります。

一方のハクジラは、歯で年齢が分かるのです。
歯を輪切りにすると断面に木の年輪の様な縞模様があり、
この縞模様から年齢を推定します。

ハ(歯)クジラには歯が、ヒゲ(髭)クジラには歯の変わりに
歯茎が変化した髭が存在します。

ヒゲクジラは、14種あるのに対して、ハクジラは60種以上もあります。
ヒゲクジラの代表種は、現生最大種のシロナガスクジラです。
ハクジラにくらべて、頭部が大型化する傾向にあります。

一方、ハクジラの大半はイルカが占めています。
イルカは分類学的にはクジラのグループに属しています。
ハクジラ亜目の小型の種を、慣習的にイルカと呼んでいるのです。

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世界の化石産地【リバースレー哺乳類化石地域(Riversleigh Fossil Fields)】

・オーストラリア・クイーズランド州北西部にある哺乳類化石発掘地域です。

・南オーストラリア州南東部のナラコートとともに1994年、
世界自然遺産に登録されました。
・26個の鐘乳洞(洞窟)で、約20万年前〜50万年前の動物の化石が多数発見されています。

・この地域は約2億年前〜2千年前は石灰石で形成されていました。
その後、海面が低くなって海面上に浮上し地下水が石灰石を浸食して洞窟が誕生した
ようです。(鐘乳洞とは石灰岩が地表水や地下水によって浸食されてできた洞窟です)

・発掘される化石は石灰岩層のなかでよい状態で保存されており、
生物の進化の過程をしる貴重な手がかりとなっています。
https://www.kaseki7.info/c/wp-admin/post-new.php#edit_timestamp
・オーストラリア最多の哺乳類化石発掘地であり世界で最も重要な化石埋蔵地の一つです。
・コアラやウォンバトの祖先との祖先とされているディプロトドンやフクロライオン、
カモノハシなど多数みつかっています。

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世界の化石産地【カルー盆地(karoo Basin)】

・南アフリカの中央に40万k㎡にわたり海抜1500m以上に広がってる乾燥した盆地です。
・カルー(Karoo)とは、南アフリカ先祖のコイ族の言葉で「乾燥した土地」の意味です。

・古生代後期〜中生代前期の陸上に堆積してできた地層で4層に分けられます。
・4層はペルム紀氷河期で始まり火山活動期で終わっています。

・カルー盆地にはPT境界層がありこの時代を生きた生物の化石が多く発見されています。
(P-T境界とは古生代と中生代の境目にあたる地質年代区分用語で、
史上最大級の大量絶滅が発生した時をさします。)

・リストロサウルス、ゴルゴノブス、ディイクトドン、リカエノプラス
などの化石が発見されています。

・P-T境界の大量絶滅を調べるうえでカルー盆地(化石)が調査されることがあります。
・最近ではカルー盆地がシェールガスの開発地として注目されています。
(シェールガスは頁岩【shale】(堆積岩の一種)層から採れる天然ガスです。)

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世界の化石産地【マンゴ国立公園(Mungo National Park)】

・オーストラリア、ニューサウス・ウェールズ州西部の
約4億年前の湖底が剥き出しになった砂漠地帯です。

・世界遺産「ウィランドラ湖群地域内」(WillandraLakesRegion)の一部です。
・2005年、氷河期(約2万年前)の人類の足跡が457個発見され話題になりました。

・1ヶ所からみつかった足跡数としては最多で、オーストラリア最古といわれています。
・足跡は13㎝程度の子供と思われるものから30㎝のものまであり、
推定身長が2mぐらいの人が時速20㎞程度で走った形跡もみられたようです。

・この大きな足跡は「ヨーウィー」(Yowie)のものではないかと、
地元ミステリー好きの間で噂にもなったようです。
(ヨーウィとは先住民アボリジニ達の間で語り継がれている謎の生物です)

オスのエミュー

・人の足跡の他、大型鳥類のエミューやカンガルーの足跡も発見されています。
・石器に古代の炉辺や貝塚なども発見されていて、
人類がオーストラリア大陸で生活し始めた太古の様子がうかがえます。
(炉辺とは、囲炉裏のそばのことです。太古とは、
大昔のことで、ここでは約4万年前ごろをさします)

・1968年に火葬された世界最古の女性の骨が発見され、
その後、男性の骨も発見されました。

・調査によって一度は女性の骨は26000年前、男性の骨は62000年前と判定
されましたが、再調査により両遺骨は4000万年前のものとされました。

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その他 中生代

世界の化石産地【イシワラスト国立公園【Ischigualasto Provincial Park)】

・アルゼンチン北西部のサン・ファン(SanJuan)州にある広大な州立公園です。
・イシワラスト州立公園の周囲には珍しい形や色の石が存在します。

・(CanchadeBochas)には恐竜のタマゴと思わせる直径10〜20㎝程の丸い石が転がっています。
・2000年に世界自然遺産に登録されました。

・約2億3000万年前(三畳紀時代)の地層がむき出し状態で広がっています。
・まるで月面世界のようなので現地の人々は「月の谷(VALLEDALUNA)」とよんでいます。

・1986年、約2億2800年前の地層から地球最古の恐竜といわれる「フレングエリサウルス」が発見されました。
・恐竜化石の他、爬虫類の骨や痕跡が数多く発掘されています。

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アンモナイト 中生代

遊色アンモナイトはどうして光る?

アンモナイト中で光るアンモナイトを「遊色アンモナイト」とよびます。
これらはアンモナイト表面にアラゴナイトと呼ばれる層がくっついて化石化しています。
アラゴナイトというのは鉱物の名前で、日本ではあられ石(霰石)ともいいます。

七色に光る遊色アンモナイト

主成分は炭酸カルシウムです。
炭酸カルシウムと聞いて馴染み深いのは、あの黒板に用いるチョークです。
チョークはとても脆く、すぐに削れるでしょう。

炭酸カルシウムは他にも貝殻や鶏の卵の殻、そして石灰岩や大理石の主成分でもあります。
全く同じではないですが、それらと似たような成分で成り立っているのです。
これで光るのですから不思議です。

美しい色に光ります。

アンモナイトが光るには、アラゴナイトという鉱物の層に加えて、
もう一つ「キチン質」とよばれる層が重なりあう必要があります。
「キチン質」というのは、カニやエビなどの甲殻類や、節足動物の
外側の皮と同じような成分でできた層のことです。

アンモナイトの表面では、このキチン質の層とアラゴナイトの層が交互に
重なりあって積み重なっています。

これらの層に光りが当たったとき、異なった層に光がぶつかると、
光のさす方向が変わります。

これを「光の屈折」といいます。

光の屈折でおこる自然現象の例でいうと、虹が一番わかりやすいかもしれません。
突如空に7色のカラーが現れるのも、太陽光と空中の水滴の光の屈折によって
起こる現象です。

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アンモナイト 中生代

イギリス産の虹色アンモナイト

イギリスの代表アンモナイト、カロセラス・ジョンストニ

イギリス産で有名な虹色アンモナイトにカロセラスとフィロセラスがあります。
イギリス虹色アンモナイトを語るうえで、欠かせないのが、時代区分
「ヘッタンジアン」です。

このヘッタジアンに、虹色アンモナイトは現れました。
ヘッタンジアンはジュラ紀の最前期にあたる1億9960万年前から
1億9650万年前の約300万年間の期間です。

ヘッタジアンについてもう少し説明しましょう。
ヘッタジアンに、イングランドのリアス式海外として世界的に有名な
ブルーリアスが生成しました。

ヘッタジアンは、スイスの古生物学者のEugene Renevierによって記載され、
北フランスの街であるHettange-Grandeから名づけられました。

ヘッタジアンといえば、虹色アンモナイトで有名なフィロセラスが
最初に現れた時期としてよく知られています。

寄り添うように化石になったフィロセラス

ヘッタジアンは、イングランドのブルーリアスとの関連性が強く、ブルーリアス
といえば虹色アンモナイトの産地として有名なため、ヘッタジアン=虹色アンモ
ナイトの時代区分という認識が化石コレクターの間では成立しています。

 

平巻きのカロセラスやフィロセラスは、カナダのアルバータ州で採れるアンモライト
ほどには、表面のアラゴナイト層の厚みがなく、宝石としては扱われていません。

ですが、その輝きは強く、アンモライトの光り方とはまた異なるため、
肋の模様を楽しめる美しい標本として世界中のアンモナイトコレクター
にとって人気のある標本です。