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人物・植物

大陸移動説を証拠づける植物「グロソップテリス」

1912年ドイツの気象学者アルフレッド・ウェゲナーが発表した「大陸移動説」に
よると、今からおよそ2億5000万年前、地球は北部のローラシアと南部のゴンド
ワナの2大陸から構成された「パンゲア」というとても大きな大陸でした。

ペルム紀の植物化石グロッソプテリス

「パンゲア」とはギリシャ語で「広い大陸」や「すべて大陸」を意味します。
南部のゴンドワナは、現在の南米、アフリカ、インド、オーストラリア、南極など
が集まった大陸でつくられていたとされています。

このゴンドワナの地域から見つかる植物化石をゴンドワナ植物といい、
その代表とされる植物が『グロソップテリス』です。

グロソップテリスは「舌のような葉」という意味です。

舌のような葉の意味をもつグロッソプテリス

グロッソプテリスはペルム紀〜三畳紀に栄えたシダ状の裸子植物で、
湿った土地に生えていました。
その名のとおり、舌のような形をした大きな葉が特徴で、葉と向き合うように繁殖器官がついていました。
葉の大きさは最大30㎝で(なかには1mにもなったものもあるそうです。)高さは平均8mでした。

グロソップテリスの化石産地では、産出化石のほとんどが
グロソップテリスのみで、他の植物が混じっていることがないため、
単独で林をつくっていたと考えられています。

ゴンドワナ植物の代表、グロッソプテリス

グロソップテリスが大陸移動説の証拠のひとつとされるのは、
現在は海に隔てられているそれぞれの大陸で、裸子植物の
グロソップテリスの化石が見つかっているためです。

胞子を風にとばし増える植物とは違い、グロッソプテリスなどの裸子植物は
種によって子孫が増えるため、大陸は続いていたと考えられるのです。

もちろん、海流によって種が運ばれたのではないか、とも考えられたのですが、
裸子植物の種は塩分の強い海水に浮かんでいることはできないため、
海流で種が運ばれることはないようです。